【もう疲れた…】なんで離婚してくれないの?その心理と対処法を解説
夫婦関係は破綻しているのに離婚してくれない。周りを巻き込んで、心身ともに疲れた。
離婚するために相手を説得する方法を探している方も多いことでしょう。
この記事では、離婚してくれない相手方の心理を理解して、離婚するために相手を説得する方法から離婚後のトラブルを防ぐ方法までを解説します。
離婚したくない夫の心理とは?
離婚をしたいと思っていても、相手が離婚に同意してくれない限りは離婚はできません。
何度も話し合いを重ねても、離婚しない!の一点張りの夫は、いったいどういう気持ちなのでしょうか?
世間体を気にしている
離婚が特別なことではないと思われるようになった昨今でも、離婚による世間の評価を気にする男性はまだまだ多くいるのが現状です。
特に、社会的な地位がある男性ほど、離婚を躊躇する傾向が強いと言えるでしょう。
離婚理由が理解できていない
妻が離婚したい理由を夫が理解できていない、という状況も多く見られます。
家事や育児を手伝ってくれない、義理の両親の問題を見過ごしている、など夫にとっては、離婚するほどの問題ではないと捉えられていないケースもよくあります。
プライドが邪魔している
プライドが邪魔して、離婚を承諾できない、という夫も多くいます。
特に、妻が不倫をして離婚を迫られているような場合には、意地でも離婚しないと拒絶反応を示すケースも見られます。
妻に財産を渡したくない
離婚をする際には、夫婦で築いてきた財産を均等に分け合う財産分与の手続きをしなければなりません。
財産を妻に譲りたくないために、離婚を拒む夫もいます。ましてや、夫の不貞で離婚する際には、財産分与のほかに慰謝料の支払いが必要になります。
金銭的な問題は、夫が離婚を拒む大きな原因のひとつです。
まだやり直せると思っている
離婚理由がよく理解できていないうえに、まだやり直せると夫が軽く考えていることも多くあります。
通常、妻のほうから離婚を切り出されたときに、妻の気持ちが元に戻る可能性はほとんどありません。それにもかかわらず、妻の気持ちを本気に捉えず、まともに取り合わない夫の気持ちは、妻にとって理解しがたいことでしょう。
離婚したくない妻の心理とは?
反対に、離婚したくない妻とは、どのような気持ちでいるのでしょうか?
まだ旦那を愛している
結婚生活を送る上では、様々な問題が日常茶飯事で起こります。夫婦であっても、問題の受け取り方は異なります。
双方の価値観が異なり、夫は愛情がなくって結婚生活を継続できないと思っていても、妻のほうにはまだ愛情が残っていることも多くあります。
離婚した後の生活が不安である
また、離婚したくない妻がまず直面する問題として、経済的な問題があります。
子どもがいない場合には、どうにか収入源を見つけることも可能ですが、特に、小さな子どもがいるような場合には、就職先を見つけるだけでも苦労します。
子供のことを考えている
夫婦の関係が悪くなっても、離婚による子どもへの影響を考えて、離婚しない場合も多くあります。
離婚することで、苗字や学校が変わったり、また、片親になることを避けるために、とりあえず現状維持を続ける家庭も多いでしょう。
相手が有責配偶者である
夫が不倫などの有責原因を作りながら自ら離婚したい、などといってきた場合、これを拒否する妻も多くいます。先に述べたように、夫の場合も同様です。
自ら離婚原因を作りながら、離婚したいとは虫が良すぎる、ということでしょう。
周囲からの目が気になる
世間体が気になるのと同様に、離婚することで周囲の目が気になる、あるいは、離婚により苗字が変わることで仕事に支障が出る、といった問題があるために、離婚をしないというケースも見られます。
離婚してくれない相手に疲れた!どう対処する?
離婚してくれ、離婚はしない、どうして?どうしても!そんな水掛け論が日常的になり、何も進展がなく時間だけが過ぎてゆく。
ここでは、この苦しい状況からどうにか抜け出すための対応策を紹介します。
まずは相手の話を聞いてみる
離婚話ともなれば、相手の話を冷静に聞くことが難しいのが現状です。しかし、それではいつまでたっても離婚はできません。
まずは、相手を一方的に攻めるより、相手の話を黙って聞いてみることが大切です。
どうしても感情的になり、また相手もさらに攻撃的になって言い返してくることもあるでしょう。それでも、相手の話に耳を傾けることが必要です。相手の話を聞く姿勢を持っていることを相手に実感してもらうことが大切なのです。
自分のありのままの気持ちを伝える
また、話し合いのときには、過去の様々な苦い経験を持ち出して相手を攻めてしまうこともよくあります。当然、それに対して相手も攻撃の姿勢を見せることでしょう。
相手の許せない部分を非難するのではなく、自分が今どのような状況におかれているのか、その辛い気持ちを伝えることが大切になります。
離婚したい理由を伝え続ける
そもそも、なぜ離婚したいのか、その理由が理解できずに話し合いが平行線になっていることもよくあります。また、離婚したい理由を伝えているつもりでも、相手に伝わっていないことも多いでしょう。
浮気や不倫、ギャンブルや借金癖など、離婚したい理由は何なのか、それを改善しようとする思いがあるのか否か、離婚したい理由は一度ならず何度も繰り返して伝え続けることが有効です。
離婚の条件を下げてみる
離婚することになれば、財産分与、慰謝料、養育費、親権から子どもとの面会交流について様々なことを決めなければなりません。
こうした離婚条件については、譲れるところは早い段階で譲ってしまうほうが、離婚の手続きをスムースに進めることができる場合もあります。
離婚で大切なのは、お互いの勝ち負けを決着させることではなく、解決策を決めてできるだけ早い段階で人生を再スタートさせることでしょう。
まずは別居から始めてみる
話し合いをしても離婚に向けて全く進展が見られないような場合には、別居を提案することも1つの方法です。
ただし、離婚が認められるための別居期間は、通常は3年から10年、有責配偶者からの離婚請求には7年から20年程度の期間が必要になります。
また、お互いが同意せずに一方的に家を出ていくような別居は、後々離婚の手続きで不利な状況になる場合もあるので注意が必要です。別居は、あくまでも双方の同意の下で行いましょう。
離婚してくれない相手と離婚する方法
離婚してくれない相手を説得することは重要ですが、まずは、そもそも相手と離婚することができるのかどうか、離婚する方法について知ることが必要です。
法定離婚事由を知る
民法では相手方が離婚原因を作ったのであれば、たとえ相手が離婚に反対していても、裁判によって離婚することができます。
法律上の離婚原因とは、浮気や不倫などの不貞行為、生活費を渡さないなどの悪意の遺棄、3年以上の生死不明、回復見込みのない強度の精神病などです。
これらの原因がある場合は、調停や裁判によって離婚することが可能です。
婚姻を継続しがたい事由を出す
不倫や浮気などの不貞行為がはっきりと認められない場合でも、その他婚姻を継続しがたい重大な事由があれば、離婚が認められることもあります。
例えば、モラハラなどの心理的虐待、宗教上の理由、浪費、借金、親族間の不仲、性生活や性格の不一致などです。
ただし、これらの事情があれば離婚が認められる、というわけではなく、これらの原因により夫婦の関係が修復不可能な程度に破綻していることを立証することが必要になるので、注意が必要です。
弁護士に相談する
離婚する方法は離婚原因により異なり、各々の夫婦関係の状況によっても千差万別です。
まずは、自分たちがどのような状況でどういった問題を抱えているのか、弁護士に相談することで、その後の解決策を提案してくれます。
手強い相手との話し合いは弁護士にお任せ
相手に離婚する意思がまったくない場合には、夫婦間で話し合いを持っても離婚はできません。
相手が全く離婚に応じない強固な姿勢を見せている場合、弁護士であれば、離婚調停から裁判まで法的手段を用いて離婚手続きを行うことができます。
離婚への進展が全く見られない場合には、早い時期に弁護士に一任することで解決することができます。
やっとの思いで離婚した後のトラブルを防ごう
大変な思いをしてやっと離婚できたのに、子どもに会わせてもらえなかったり、養育費を払ってくれないなど、離婚後のトラブルに悩む人は非常に多いのが現状です。
ここでは、離婚後にどのようなトラブルが起きるのか、また、トラブルを事前に防ぐ方法について解説します。
慰謝料について
離婚後であっても、慰謝料を支払う義務はあります。離婚をしたからといって、慰謝料を支払う義務がなくなるわけではありません。
また、離婚が成立してから3年間は慰謝料を請求することができます。あるいは、不倫や暴力行為があったときから20年は、慰謝料請求できます。時効が成立すると、慰謝料を請求することができなくなるので注意が必要です。
離婚をする前には、慰謝料の支払についてしっかりと話し合っておくことが重要です。
2人の話し合いで解決できれば問題ありませんが、離婚後のトラブルを防ぐためにも、事前に弁護士に依頼して、公正証書を作成するなど徹底した対策をとっておくことをおすすめします。
財産分与について
財産分与は、結婚してから夫婦が協力して築いた財産を、離婚時に公平に分け合う制度です。離婚時には、新しい生活に与える影響も大きいため、具体的に財産分与について取り決めることが重要です。
しかし、分配方法について当事者と冷静に話し合うことは、困難であることが通常です。
離婚を成立させることばかり先走ってしまい、実際には具体的な分配方法も決めないまま、後々にトラブルになることも多くあります。まずは弁護士に依頼して、財産分与に関して取り決めた公正証書を作成しておくことをおすすめします。
親権や養育費について
離婚後のトラブルで最も多いのは、養育費の未払いについてです。
養育費については、離婚時に養育費について取り決めた内容を記載した離婚協議書を作って公正証書にしておくことをおすすめします。
離婚後、養育費の未払いを解決するには、まずは相手方に直接請求をすることです。相手方が無視したり、話し合いをしても支払ってくれないときには、可能な限り弁護士に依頼することをおすすめします。
また、養育費の請求を記載した内容証明郵便を出すことも有効です。内容証明郵便を出しても支払がない場合には、調停や審判などの法的手段により養育費を請求することになります。
DVやモラハラに耐えられないなら今すぐ逃げて
離婚してくれない相手がDVやモラハラなどをしている場合には、早急な避難が必要です。
実家に一度帰る
まずは、一度実家に帰ることをおすすめします。実家であれば、親の援助を受けながら自立に向けた準備を始めることができます。
特に、子どもがいるような場合には、一時的でも祖父母の庇護のもと面倒を見てもらいながら就職先や今後の住居などを探すこともできます。
ただし、実家の場合は相手方にすぐに居場所がわかってしまうため、DVなど身体の危険が迫っている場合には、しかるべきシェルターに避難することをおすすめします。
警察や専門機関に相談する
相手方がDVをやめない、ストーカー行為を繰り返しているような場合には、一刻も早く警察や専門機関に避難してください。
警察署、福祉事務所、女性相談窓口、配偶者暴力支援センターなど、公的機関で専門の相談員に相談して、その後の就職先や住居を探すこともできます。是非、利用してみてください。
保護命令を受けることも視野に入れる
保護命令とは、配偶者や交際相手から暴力や脅迫を受けた場合に、被害者の申立によって裁判所が加害者に発する命令のことです。接近禁止命令、退去命令、電話等禁止命令があります。
保護命令を申立てるためには、事前に警察や配偶者暴力相談センターにおいてDVについての相談をしておく必要があります。一人で悩まずに、まずはしかるべき機関に相談することをおすすめします。
まとめ
婚姻生活が破綻しているのに、配偶者が離婚してくれなければ、身体的にも精神的にもさらに疲れてしまいます。こうした状況をできるだけ早く解決するには、何よりも行動を起こすことが重要になります。
一人で悩んでいても八方塞がりになってしまうでしょう。離婚を得意分野としている弁護士に相談すれば、様々な事案に応じた適切な解決策を提案してくれるので、できるだけ早い段階で相談してみることをおすすめします。