「商店街の法律家として、身近な存在であり続けたい」/ 溝口 懸 弁護士 / 溝口けん法律事務所
幼い頃からのミステリー小説との出会いをきっかけに法曹界に魅了され、山口での修習時代を経て、今は商店街に根を下ろす 溝口懸弁護士。相続案件での豊富な経験を活かしながら、地域の小規模事業者に寄り添う法的サービスを展開している。事務所の場所柄からか、普段着感覚で相談に訪れる依頼者も多いという。「法律相談は敷居が高い」というイメージを覆したいと語る溝口弁護士に、法曹界での歩みから今後の展望までお話を伺いました。
弁護士を志したきっかけを教えてください。
小さい頃からミステリー小説が好きで、法曹界に興味を持っていました。ただ、すぐには進路が定まらず、時間をかけて考えました。様々な先輩弁護士の話を聞く中で、弁護士という資格を持つことで可能性が広がること、そして案件ごとに工夫して解決していく仕事のやりがいに魅力を感じました。
当初は検察官志望で、刑事事件にも関心がありました。しかし、年齢的な制約もあり、また検察庁の組織風土について考えを巡らせる中で、より自由度の高い弁護士という道を選びました。
弁護士としてのキャリアについてお聞かせください。
司法修習は山口で行いました。父が山口の出身で、実は合格発表の日が祖母の法事と重なり、当日は山口にいるなど、不思議な縁を感じています。
修習地の選択では、本来は東京近郊を希望していましたが、様々な事情から山口となりました。結果的には、この選択は非常に良かったと感じています。
特に修習時代の縁には驚かされました。修習地が山口に決まり、両親の知り合いから、後輩が山口で弁護士をしているので事前に挨拶でもしておいたらどうかと言われ、電話でご挨拶した先生が、後に、私の弁護修習の指導担当になりました。
指導担当の割り振りの際には、私とその先生との関係など分かるはずもなく、たまたまそのように決まったようで、世間の狭さを実感しました。
その後、山口で修習をしつつ就職活動を行い、小堀球美子法律事務所に入所しました。小堀先生は大学の先輩で、大学で受験指導を受けていたことがあり、それがご縁となったのかもしれません。
事務所では、ボスを含め弁護士が3名体制(途中から2名体制)で、約7年間在籍しました。扱う案件のほとんどが相続絡みの案件で、そこで多くの経験を積ませていただきました。2年前に独立し、現在に至ります。
現在注力されている分野を教えてください。
専門分野と謳ってはいませんが、これまでの経験から相続関係の案件を数多く手がけてきました。ただ、基本的にはどのような案件でも対応しています。広告などは積極的には出していないため、友人などからの紹介で案件をいただくことも多いです。
最近は、企業法務の相談も増えてきており、特に小規模企業からの相談は非常に興味深く感じています。ものづくり企業の課題や、商店街にある事務所という特性を活かした地域密着型の案件など、幅広い分野に携わることができています。
その分野に注力されている理由は何でしょうか。
相続案件については、確実にニーズがあり、またこれまでの経験を活かせる分野だと考えています。前職での7年間で培ったノウハウは、独立後も大きな強みとなっています。
一方で、独立後は新しい分野にも積極的にチャレンジしています。特に、ものづくり企業や飲食店など、小規模事業者の方々の相談に応じる機会が増え、そこでの課題解決にやりがいを感じています。
大手事務所に依頼するほどの余力はないものの、法的サポートを必要としている事業者の方々は多く、そういった方々のお手伝いができればと考えています。
事務所の強みについて教えてください。
広告などは積極的には出していないのですが、知人の紹介や口コミで案件をいただくことが多いです。これは信頼関係に基づいた案件獲得だと考えています。
事務所が商店街にあることも大きな特徴かもしれません。地域に根差した法律事務所として、より身近な存在でありたいと考えています。特に小規模事業者の方々は、普段から気軽に相談できる弁護士を求めていらっしゃるようです。私自身、個人事業主ですし、以前から飲食業界にも興味があり、飲食店経営も検討したことがあります。ご相談にいらした事業者の方々の悩みに共感を持って接することができれば幸いです。
今後の取り組みや売り出していきたいサービスについてお聞かせください。
相続関係の案件は引き続き注力していきたいと考えていますが、それに加えて企業法務、特に小規模事業者の支援にも力を入れていきたいと考えています。
以前の事務所では扱えなかった企業系の相談は、非常に興味深く、やりがいを感じています。特に、商店街という立地を活かし、地域の事業者の方々との日常的なつながりを大切にしています。法的な問題が起きてからの対応だけでなく、日常的な相談相手として、予防法務的な役割も果たしていければと考えています。
最後に、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
法律相談というと敷居が高く感じられるかもしれません。確かに弁護士は試験に合格した資格保持者ですが、結局のところ、相性の良し悪しは実際に会って話してみないとわかりません。
無料相談などの機会もありますので、まずは気軽にご相談いただきたいです。もし、その中で合わないと感じられるようなら、気兼ねなく他の先生を探していただき、ご自身に合う先生を見つけていただければと思います。
法的な問題を抱えたときは、一人で悩まずに、是非、専門家に相談することをお勧めします。今抱えられている問題について、様々な解決方法を一緒に考えさせていただければ幸いです。
弁護士情報
弁護士名: 溝口 懸
所属弁護士会:第一東京弁護士会
事務所名:溝口けん法律事務所
事務所住所:〒170-0005 東京都豊島区南大塚3-52-5 近藤ビル201
略歴
開成高等学校 卒業
日本大学法学部法律学科 卒業
日本大学大学院法務研究科 修了
司法試験予備試験・司法試験 合格
司法修習(実務修習地:山口)
小堀球美子法律事務所 入所
溝口けん法律事務所 開設
インタビュー取材をさせていただける弁護士の方、募集中
現在カケコムでは、インタビュー取材をさせていただける弁護士の方を募集しております。
取材および掲載についての費用は一切頂戴しておりませんので、ご協力いただける方は以下フォームよりお申し込みください。
お申込みフォーム:https://share.hsforms.com/1xwQjb3-aS1KW8beRkbJo_wdzcl4