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個人再生を弁護士に依頼するメリットとは?弁護士の選び方も解説

【この記事の法律監修】  
中間 隼人弁護士(横浜弁護士会) 
なかま法律事務所

「個人再生を成功させるためにはどんな弁護士にお願いすればいいか」「個人再生を行う場合の選び方のポイントを知りたい」個人再生を考えているけど、どのように弁護士にお願いすればいいかわからない方も多いでしょう。個人再生は自身で行うこともできますが、複雑な手続きが含まれるため弁護士に依頼すべきです。特に、債務関係に強い弁護士に依頼するとスムーズに進むでしょう。

本記事では、個人再生を行うのに弁護士に依頼するメリットやデメリット、個人再生に強い弁護士の選び方などを詳しく解説します。

この記事を読めば、個人再生をするにはなぜ弁護士に依頼すべきなのか理解できます。また、依頼する際にどんな弁護士に依頼すればよいか理解できるので、安心して弁護士を探すことができます。

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1.個人再生を弁護士に依頼するメリットとは?

個人再生を検討する際は、弁護士に依頼しましょう。
ここでは、個人再生を弁護士に依頼するメリットを解説します。

1−1.催促・取り立てをストップできる

債務整理を弁護士に依頼すると、債権者からの取り立てや督促がストップします。
弁護士は債務整理の依頼を受けると、債権者に「受任通知」を送ります。

この通知を受け取った貸金業者や債権回収業者は、法律上、債務者に対して取り立てや催促を行うことができなくなるためです。

債権回収会社は、債務者等が特定金銭債権に係る債務の処理を弁護士、弁護士法人若しくは弁護士・外国法事務弁護士共同法人に委託し、又はその処理のため必要な裁判所における民事事件に関する手続をとった場合において、その旨の通知があったときは、正当な理由がないのに、債務者等に対し、訪問し又は電話をかけて、当該債務を弁済することを要求してはならない。
引用元:債権管理回収業に関する特別措置法第18条第8項

弁護士に依頼すると、毎日のように督促の電話や通知が届く状況が止まるので、精神的な負担が軽減します。また、仮に督促が停止しない場合でも弁護士が代理で交渉するため、債権者との直接的なやり取りは不要です。

債務整理を弁護士に依頼することで、取り立てや催促が止まり、精神的な負担を大幅に軽減できます。しかし、訴訟や差し押さえまでは止められないことも念頭に置いておきまましょう。

1−2.複雑な手続きを一任できる

個人再生の手続きを弁護士に依頼すれば、負担を大幅に軽減できます。
個人再生の手続きは複雑で多くの書類が必要なため、個人で対応するのは難しいためです。

例えば、個人再生の手続きには以下のような書類の準備が必要です。

  • 申立書
  • 陳述書
  • 債権者一覧表
  • 源泉徴収票

これらの書類に不備があれば裁判所に何度も足を運ぶ必要があるので、債権者とのやり取りも頻繁に発生します。弁護士は複雑な手続き全般を代行してくれるため、スムーズに進められ心理的な負担も軽減できるでしょう。

個人再生をスムーズに進めるためには、弁護士に依頼することで手続きの手間や時間を減らせます。

1−3.個人再生の可能性が高まる

個人再生の手続きを弁護士に依頼すると、失敗のリスクを大幅に減らすことができます。
個人再生には、多くの提出書類が必要であり、誤りや不備があると手続きが認められない可能性があるためです。

個人再生は、成功率は高く、令和2年度の司法統計によると、再生計画案が認可された割合は93.4%に達しています。
個人再生では、返済計画を示す「再生計画案」を提出し、裁判所に認められる必要があります。比較的成功率は高く、令和5年の司法統計年報(民事・行政編)によると、再生計画案が認可された割合は92.2%に達しています。

しかし、もし計画が実行可能でないと判断されれば、手続きは不認可となり終了します。弁護士がいれば、裁判所に認められやすい再生計画案を作成し、提出することができるため、手続きの成功率がさらに上がるでしょう。

個人再生における手続きの失敗リスクを減らし、成功に導くためには、弁護士に依頼して書類作成や計画案の提出をサポートしてもらうことが重要です。また、裁判所が定めた期限内に書類を提出できないと、手続きが打ち切られることもあります。弁護士に依頼することで、こうしたリスクを避けるために、書類作成や準備のサポートが受けられます。

1−4.最適な解決方法を提案してくれる

弁護士に個人再生を依頼すると、任意整理や自己破産も含めて最善の解決策を提案してもらえます。
弁護士は債務整理全般について深い知識を持っているため、依頼者の状況を考慮し最適な手続きを選択できるためです。

依頼者の返済能力に応じて小規模個人再生が適しているのか、給与所得者等再生が最適なのか、または任意整理や自己破産を検討すべきか、弁護士はそれぞれのケースに応じた提案が可能です。弁護士に依頼すれば、全ての選択肢を検討し、最適な方法を導き出すことができるでしょう。

弁護士に依頼すると、債務整理の方法を広い視点から選択できます。依頼者にとって最善の解決策を提案してもらうことが可能です。

2.弁護士に依頼しない場合のデメリットとは?

個人再生は弁護士に依頼すべきですが、デメリットもあります。
デメリットも理解した上で弁護士へ依頼しましょう。以下で解説していきます。

2−1.手続きが上手くいかない場合がある

個人再生を弁護士に依頼しない場合、手続きや債権者との交渉が上手くいかない可能性が高まります。専門的な知識が不足していると、裁判所への対応や債権者との交渉でミスが起こりやすくなるためです。

自分で個人再生手続きを進めると、取り立てが続く中で全てを一人で対応することになります。債権者は、専門家が関わっていないことを見越して不利な条件を提示することもあり、交渉が思い通りに進まないことが多いでしょう。弁護士に払う費用を節約しても、債権者の提案を鵜呑みにして損をするケースも考えられます。

弁護士に依頼せずに個人再生を進めると、手続きや交渉がスムーズにいかず、結果的に不利な条件で進んでしまうリスクがあります。弁護士に依頼すれば、確実な手続きを進め損失を防げるでしょう。

2−2.時間がかかる

個人再生手続きは、弁護士に依頼しても約1年かかりますが、弁護士に依頼しないとさらに時間がかかります。弁護士に依頼せずに個人再生手続きを進めると、専門的な知識や対応が不足するため、書類作成や手続きが滞る可能性が高くなるためです。

弁護士に依頼すれば、書類作成や手続きの進行をスムーズに行うため、約1年で手続きを終えられます。しかし、自分で手続きを行う場合、書類不備や手続きの遅れが生じ、借金減額までの期間が長引き、生活を立て直すのが大幅に遅れることになるでしょう。

弁護士に依頼しないと、個人再生手続きがスムーズに進まず、借金の減額までに時間がかかるため、生活再建が遅れるリスクがあります。

3.個人再生に強い弁護士の選び方のポイント

個人再生で弁護士に依頼するなら個人再生に強い弁護士を選びましょう。
ここでは、弁護士の選び方をポイントを解説していきます。

3−1.弁護士費用が適切

個人再生の弁護士報酬は約50万〜80万円とされています。
適正な費用かどうかを確認するため、複数の法律事務所で見積もりを取ることが重要です。

弁護士費用は、基本的に以下の3つで構成されています。

  • 相談料
  • 着手金
  • 成功報酬

高額に見えるのは成功報酬が含まれているためで、一般的に経済的利益の数%が成功報酬として設定されています。「(旧)弁護士報酬基準」によると、成功報酬の目安は4%〜16%です。

弁護士費用が適正かどうかを見極めるためには、複数の法律事務所で見積もりを取り、最適な費用で手続きを進めましょう。

3−2.個人再生の実績と経験がある

個人再生に強い弁護士は、実績と経験豊富な弁護士を選びましょう。
個人再生は、債権者や裁判所の許可を得なければ進まないため、法的知識やキャッシュフローの計算など多岐にわたる専門的なスキルが必要です。

弁護士事務所のホームページに掲載されている事例を確認してみるといいでしょう。どのような相談者がどのように問題を解決できたか確認できます。また、無料相談を活用して、弁護士の対応や説明が分かりやすいかを体験してみるのもおすすめです。専門用語を簡単な言葉でわかりやすく説明してくれる弁護士を選ぶと、スムーズな手続きに繋がります。

実績や経験が豊富で、分かりやすく説明してくれる弁護士を選ぶと個人再生の手続きを安心して進められるでしょう。

3−3.個人再生のメリット・デメリットを詳しく説明してくれる

個人再生に強い弁護士は、依頼者にとって有利な情報はもちろん不利な情報もしっかり説明してくれるはずです。収益性だけを重視する弁護士は、依頼者にデメリットを十分に説明せず、債務整理を強引に進める場合もあるためです。

家計の見直しで自力完済が可能な場合、それにもかかわらず債務整理を進めてしまうと、ブラックリストに登録されるなどの不利な状況を招く場合があります。信頼できる弁護士は、各手段のメリットとデメリットをわかりやすく説明し、依頼者の意向を尊重した解決策を提案してくれるでしょう。

債務整理に強い弁護士は、依頼者にすべての選択肢を正確に伝えた上で、最適な生活再建方法を一緒に考えてくれるため、安心して任せることができます。

3−4.相性が良い

個人再生を弁護士に依頼する際は、担当の弁護士との相性をチェックしましょう。
弁護士が依頼者の主張や意図をしっかりくみ取ってくれるかどうかは、手続きの成功に大きく関わるからです。

たとえば、「住宅を残したい」「車も維持したい」といった具体的な要望を伝えたうえで、個人再生手続き後の理想の生活について弁護士にしっかり説明しましょう。また、もし無理な場合でも、理由を丁寧に説明してくれる弁護士であれば、安心して手続きを任せられます。

担当弁護士が依頼者の希望が実現可能かどうかを冷静に判断し、サポートしてくれるかを見極めるのが大切です。

3−5.自身の状況にあった解決策を提示してくれる

個人再生などの債務整理に強い弁護士であれば、それぞれの状況に応じた的確なアドバイスを提案してくれます。依頼者の優先事項は人それぞれ異なるため、一般的な正解が必ずしもその人にとってベストとは限らないからです。

弁護士は司法書士と異なり訴訟金額に制限がないため、幅広い金額の案件にも対応可能です。弁護士は依頼者ごとの事情を考慮し、柔軟に対応してくれるはずです。

個人再生に強い弁護士に相談すれば、依頼者の状況に応じた最適な債務整理方法を見つけられるでしょう。

3−6.再生計画案を一緒に考えてくれる

個人再生に強い弁護士が、依頼者の今後について一緒に考えてくれるなら、現実的な再生計画を立てられます。個人再生は全ての関係者が納得し、経済的に立ち直れる計画を立てなければいけないので、高度な法的知識と経験が求められるのです。

依頼者の返済能力をしっかり把握したうえで、債権者にも納得してもらえる再生計画を作成する必要があります。債務整理に注力している弁護士なら、経験に基づいて債権者との交渉や裁判所との手続きをスムーズに進めるための的確なアドバイスをしてくれるでしょう。

債務整理に強い経験豊富な弁護士に依頼すると、相談者の負担を減らし現実的な再生計画を立ててくれます。

3−7.自宅や裁判所から近い場所に事務所がある

弁護士選びは、法律事務所が通いやすい場所にあるかも判断基準に入れましょう。

個人再生や自己破産となると法律事務所に3〜4回通う必要が出てくる場合があります。
しかし、単に事務所が近いだけでなく、費用の高さや弁護士の態度など、他の要素も重要です。また、裁判所との距離も影響し、弁護士の日当や交通費が高額になる可能性もあるため、注意が必要です。

弁護士事務所の所在地は重要なポイントですが、それだけでなく費用や対応の良し悪しも含め、総合的に判断して最適な弁護士を選ぶことが大切です。

4.個人再生を弁護士に依頼する際のよくある質問

ここでは、個人再生を弁護士に依頼する際によくある質問について回答します。

4−1.個人再生を司法書士に依頼する場合、弁護士との違いは何ですか?

個人再生手続きを依頼する場合、司法書士と弁護士では業務の「範囲」に違いがあります。
司法書士は、個人再生の申立書や再生計画案の作成・提出を代行することができますが、裁判所との面接ややり取りには同席できません。

一方で、弁護士は債務者の「代理人」として、書類作成に加え、裁判所とのやり取りや面接にも同席でき、裁判所とのすべてのやり取りを代行できます。弁護士に依頼すれば、面接などの重要な場面でのフォローもしてもらえるため、安心して手続きを進めることができるでしょう。

裁判官や個人再生委員との面接など、債務者本人が裁判所で対応する場面が出てきます。仕事を休んで出席する必要が生じる場合もあるため、債務者の負担が大きくなる可能性もあるでしょう。

4−2.個人再生に強い弁護士はどうやって見つければいいですか?

個人再生に強い弁護士を探す際には、信頼できる情報源を活用することが大切です。

例えば、主に以下の方法が挙げられるでしょう。

  • 人からの紹介
  • 自治体の法律相談
  • 弁護士会主催の相談会
  • インターネットでの検索

人からの紹介は弁護士の人柄や対応、評判などを事前に確認できるため、安心して相談ができる方法です。
また、自治体主催の法律相談や弁護士会主催の相談会に参加するのもいいでしょう。しかし、弁護士の質にバラつきがある場合もあるので注意が必要です。
インターネットでの検索も便利です。「個人再生 弁護士」「地域名 弁護士」などのキーワードで検索してみるといいでしょう。カケコムでは分野や地域に絞って検索も可能です。

これらの方法を組み合わせて、自分に合った弁護士を見つけましょう。

5.まとめ

個人再生は弁護士に相談した方が、失敗のリスクを軽減しスムーズに手続きを進められます。個人再生の手続きは複雑で、自分一人で行うとミスが発生するリスクが高いためです。

弁護士は法律の専門家であり、必要書類の作成や裁判所とのやり取りを代行してくれるため、手続きに不慣れな債務者にとって大きな助けとなるでしょう。しかし、弁護士選びも慎重に行わないと自分にとって最前ではない提案をされてしまう可能性があります。まずは相談をしてみて、自分と相性の良い弁護士事務所を選びましょう。

また、債務整理には個人再生だけでなく、任意整理や自己破産といった他の方法もあります。どの方法が最も適しているか債務状況によって異なるため、自分だけで判断せず専門家に相談が必要です。多額の債務で悩んだら早めに弁護士に相談することで、適切な解決策を見つけられるでしょう。

弁護士への相談は、安心して自分に合った債務整理の方法を選び、無理のない再スタートを切るための支援となります。

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