任意整理は女性でもできるのか?気を付けるべきポイントや家族への影響について
【この記事の執筆者】
幸谷 泰造弁護士(東京弁護士会)
市ヶ谷東法律事務所
任意整理とは、借金問題を解決する債務整理方法の一つであり、もちろん女性でも問題なく手続きを行うことができます。
女性特有の原因として、家計管理を主に女性が行っている家庭が多い傾向にあり、やりくりをする中で借金を抱えてしまう点や、結婚や出産などで収入が減少してしまうことが多いものの独身時代の華やかな生活から抜け出せず借金をしてしまう点などが挙げられます。
こういった場合に任意整理は、返済計画を無理なく調整し、生活の立て直しを図るための重要な手段となります。
本記事では、女性が任意整理を選ぶ際のポイントや、手続きを進める上で知っておきたい注意点について詳しく解説します。
任意整理とは?
任意整理とは、債務整理方法の一つです。債務整理の方法は主に任意整理、個人再生、自己破産の3種類があり、このうち任意整理は最も利用されている債務整理方法です。
具体的には、借金の返済が難しい状況になった際に、債務者が弁護士や司法書士などの専門家を通じて債権者と直接交渉し、返済条件の見直しを行う手続きです。裁判所を介さないため、比較的スムーズに進められます。
任意整理は、利息のカットや毎月の返済額の減額を主な目的としており、債権者との合意により通常、3~5年をかけて無理のない範囲で借金を返済していきます。
女性でも任意整理できる?
任意整理を利用するに当たり、性別・職業・年齢などによる制限はなく、借金返済に困っている場合は誰でも手続きを行うことが可能です。よって、女性でも問題なく利用できます。
冒頭でも述べたとおり、女性が債務を抱える理由には、家計のやりくり、結婚や出産に伴う収入減など、様々な要因が考えられます。任意整理を行うことで、利息や遅延損害金のカット、毎月の返済額の軽減が可能であるため、女性でも無理なく借金を返済できる環境を整えられます。
任意整理の男女比率は?
任意整理は、個人再生や自己破産と異なり、裁判所を介さないため、裁判所から利用者データが公開されません。また、債権者である金融機関などが詳細なデータを公開することもありません。よって、任意整理の男女比率を正確にお伝えすることはできませんが、債務整理全体の傾向や、借金に関する統計から傾向を読み取ることはできます。
一般的に、任意整理や他の債務整理手続きを利用する人は、男性の割合がやや多いとされていますが、近年では女性の利用者も増加傾向にあります。以下では、任意整理の男女比率の傾向について、主に2つの観点から説明します。
男性比率が高い理由
男性のほうが任意整理を利用する割合が高い背景には、男性が家計の主な収入源を担っている家庭が多いことや、男性のほうが個人事業や投資、ギャンブルなどでの借金が多いことが関係しています。特に自営業者や独立して働く男性が、資金繰りに困り任意整理を選ぶケースが目立ちます。
女性比率が増加している理由
女性の任意整理利用者が増えているのは、働く女性が増加していることや、シングルマザーの増加、家計の負担を担う女性の割合が増加していることが要因です。また、生活費や教育費の負担、医療費など予期せぬ出費が理由で借金を抱える女性も少なくありません。こうした女性を取り巻く状況の変化により、任意整理を利用して借金を整理する女性の割合が増えています。
ファッションや美容、ホスト(ツケ払い)やギャンブルなどに使ったお金でも任意整理することはできるのか?
ファッションや美容、ホストクラブのツケ払い、ギャンブルに使ったお金でも、任意整理を利用して債務整理を行うことは可能です。借金の使い道が何であれ、返済が困難な状態に陥った場合、任意整理を活用して借金の返済条件を見直すことができます。
任意整理は、借金の理由にかかわらず、カードローンや消費者金融、クレジットカードのリボ払いやキャッシングなどが対象となります。ファッションや美容への出費、ホストクラブでの遊興費、ギャンブルなどのために発生した借金も基本的には対象になります。ただし、自己責任で発生した浪費が理由の場合でも、正当な理由があるとされれば返済条件を見直すことが可能です。
もっとも、こういったケースで任意整理を利用する場合、注意しなければならないことがあります。以下では特にホストクラブのツケ払いとギャンブルの借金を任意整理する場合の注意点について詳しく解説します。
ホストクラブのツケ払い
ホストクラブのツケ払いも任意整理の対象になります。ツケ払いが積み重なり、支払いができなくなった場合、債権者であるホストクラブと交渉して分割払いにしたり、返済額を減額することができます。
ただし、ホストクラブなどの商取引では、金額が高額になることが多く、通常の消費者金融などよりも厳しい対応をされる可能性があります。また、ツケ払いをしている場合、債権として正確に把握できているかがポイントになることもあります。
ギャンブルの借金
ギャンブルによる借金も任意整理の対象となります。ただし、ギャンブルによる浪費は、金融機関や貸金業者に対して信頼を損なう原因となるため、交渉が厳しくなる可能性があります。一部の債権者は、ギャンブルや浪費に対して返済計画の変更に難色を示す場合もあります。
任意整理がうまくいかない場合、自己破産などの別の手続きも検討する必要があるかもしれません。ただし、自己破産ではギャンブルによる借金は「免責不許可事由」として扱われ、借金が免除されない可能性があるため、注意が必要です。
奨学金を任意整理する場合の注意点
奨学金を任意整理の対象とすることは可能ですが、いくつかの制約や注意点があります。日本での奨学金返済は、日本学生支援機構やその他民間団体が提供しているものが多く、返済条件や取り扱いが一般の借金とは異なるため、任意整理においても特別な扱いが必要です。
奨学金は任意整理の対象にできるか?
日本学生支援機構の奨学金は、通常の借金と同様に任意整理の対象に含めることができます。ただし、一般的な消費者金融やクレジットカード会社との交渉とは異なるプロセスが必要です。
任意整理の目的は、借金の返済額を減額したり、利息のカットを交渉したりすることですが、日本学生支援機構は政府系機関であり、通常は元本の減額には応じていません。しかし、延滞利息や遅延損害金のカット、返済期間の延長といった交渉は可能です。
なお、日本学生支援機構には、収入が不安定な場合や病気などで返済が難しい場合、返還期限を猶予したり減額したりする制度があります。これらを利用することで、一定期間返済を猶予してもらったり、返済額を減らすことができるため、任意整理をする前にこれらの制度を活用することを検討しましょう。
民間の金融機関や学校が提供する奨学金も任意整理の対象にすることが可能です。民間の奨学金の場合は、一般の借金と同様に元本や利息の減額交渉ができる可能性があります。
奨学金を任意整理する際の注意点
奨学金を借りる際、多くは連帯保証人や保証人を求められます。任意整理をすると、債権者である日本学生支援機構や金融機関が、保証人に対して返済を請求することがあります。そのため、任意整理を検討する際は、保証人への影響を考慮し、事前に相談することが重要です。
それぞれの債務整理の種類について
債務整理には、大きく分けて任意整理、個人再生、自己破産の3種類の方法があります。それぞれ利用するための条件や手続きの流れがありますので、以下それぞれについて詳しく解説します。
任意整理
任意整理とは、借金の返済が困難になった際に、裁判所を介さずに債権者と直接交渉し、返済条件を見直す手続きです。
弁護士や司法書士などの専門家に債権者との交渉を委任し、利息や遅延損害金を減額したり、毎月の返済額を調整することで、債務者が無理なく返済できる環境を整えます。通常、3~5年の期間をかけて元本を分割返済する形が多い傾向です。
個人再生
個人再生とは、借金の返済が困難になった個人が、裁判所の手続きを通じて借金を大幅に減額し、残りの債務を原則3~5年で返済することを目的とした債務整理の方法です。
自己破産とは異なり、住宅などの財産を維持しながら、借金を整理できる点が大きな特徴です。借金の額が原則5,000万円以下であることが条件で、会社員や自営業者など、一定の収入がある人が利用できます。
個人再生は、債務者が債権者に対して再生計画を提案し、それを裁判所が認めることで実行されます。再生計画が認可されると、通常、債務の総額は大幅に減額されます。例えば、借金が500万円の場合、100万円から200万円程度に減額されることもあります。減額された借金を原則として3年(ただし、特別な場合は最長5年)をかけて分割して返済する形になります。
自己破産
自己破産とは、借金の返済が不可能になった場合に、裁判所に申し立てを行い、一定の債務を除きすべての借金の返済義務を免除してもらう手続きです。
債務整理の中でも最も強力な手段であり、支払い能力が全くない状態の人が対象となります。自己破産を申し立てると、債務者の財産は原則として債権者に分配され、残った借金は免責されて法的な支払い義務がなくなります。
それぞれのメリットデメリットは?
それぞれの債務整理方法にはメリット・デメリットが存在します。それぞれのメリット・デメリットを把握した上で、個々の状況に応じてどの債務整理方法が適しているのかを検討する必要があります。
任意整理
任意整理は多くのメリットがある一方で、デメリットも存在します。以下では、任意整理のメリット・デメリットを詳しく解説します。
任意整理のメリット
- 手続きが比較的簡単でスピーディー
任意整理は裁判所を介さずに債権者と直接交渉するため、個人再生や自己破産と比べて手続きが比較的簡単で迅速に進めることができます。
- 利息や遅延損害金のカットが可能
債権者との交渉が成立すれば、将来発生する利息や遅延損害金が減免されることが多く、借金総額が減るため、負担が軽減されます。
- 返済額の調整が可能
現在の収入に合わせて毎月の返済額を無理のない範囲で調整できるため、生活に余裕が生まれ、借金の返済を継続しやすくなります。
- 財産を処分せずに済む
任意整理は財産を処分する必要がないため、車や家を保有しながら借金の返済を進められるのが大きなメリットです。
- 家族や職場に知られにくい
裁判所を介さないため、家族や職場に知られるリスクが低く、社会生活への影響が少ない点もメリットです。
任意整理のデメリット
- 信用情報に影響する
任意整理を行うと、信用情報機関に「事故情報」として登録されます。これにより、5年程度は新たな借入れやクレジットカードの利用が難しくなります。
- 一部の借金は任意整理の対象外
任意整理は主にクレジットカードや消費者金融などの借金が対象ですが、税金などは減額交渉ができません。よって、すべての借金や債務を整理できるわけではありません。
- 保証人への影響
任意整理の対象となる債務に保証人がついている場合には、その保証人に対して債権者が全額の請求を行う可能性が高いです。これにより、保証人に迷惑がかかるリスクがあります。
個人再生
以下では、個人再生のメリット・デメリットを解説します。
個人再生のメリット
- 借金の大幅減額
個人再生は、任意整理と異なり元本も整理の対象とすることができるため、借金の総額を大幅に減額することが可能です。借金の額が5,000万円以下の場合、5分の1から10分の1程度に減額されます。
- 財産を手放さずに済む
自己破産と異なり、「住宅ローン特則」を利用すれば自宅などの財産を処分せずに手続きを進めることができる場合が多いです。
- 職業制限がない
自己破産では、自己破産手続き中は一部の職業に就くことが制限されることがありますが、個人再生ではそのような職業制限はありません。
- 借金の返済計画を立てることができる
裁判所に認められた返済計画に基づき、借金を原則3年(最長5年)の期間で分割して返済していくことができます。よって、無理のない範囲で返済が可能です。
個人再生のデメリット
- 信用情報への影響
個人再生に限った話ではなく債務整理全般のデメリットですが、信用情報機関に登録され、いわゆる「ブラックリスト」に載ることになります。これにより、新たにローンを組んだり、クレジットカードを作成することが難しくなります。この情報は通常5~10年ほど保持されます。
- 手続きが複雑で時間がかかる
個人再生は裁判所を通じた法的な手続きであるため、弁護士のサポートが不可欠です。また、手続きが完了するまでに数ヶ月から半年程度の時間がかかることが一般的です。
- 一定の収入が必要
個人再生を利用するためには、減額された借金を返済できるだけの安定した収入があることが条件です。そのため、収入が不安定であったり、まったくない場合は手続きが進められないことがあります。その場合は自己破産を検討することになります。
- すべての債務が対象
住宅ローンを除いて、基本的にすべての債務が対象となるため、一部の借金だけを整理することはできません。
- 債権者の同意が必要
再生計画に基づいて債務を減額してもらうためには、債権者の過半数が反対しないことが必要です。債権者の反対が多数の場合、手続きが進まないことがあります。
自己破産
最後に、自己破産のメリット・デメリットを解説します。
自己破産のメリット
- 借金の全額免除
自己破産の最大のメリットは、基本的にすべての借金の返済義務が免除されることです。これにより、借金返済の負担から解放され、新たな生活をスタートさせることができます。
- 取り立ての停止
これは自己破産に限ったことではありませんが、申し立てを行うと債権者からの取り立てや督促が直ちに停止されます。これにより、精神的なプレッシャーから解放されます。
- 生活費に必要な最低限の財産は保護される
自己破産を申し立てても、すべての財産が没収されるわけではありません。法律で定められた範囲内で、生活に必要な最低限の財産は保護されます。
- 生活の再スタートが切りやすい
借金の返済義務がなくなるため、再スタートが比較的早く切れます。無理な返済計画に縛られず、新たな生活を築くことができます。
自己破産のデメリット
- 信用情報への悪影響
債務整理全般のデメリットですが、自己破産をすると、信用情報機関に事故情報が約5~10年登録されます。その期間中は、ローンを組んだりクレジットカードを作成したりすることが非常に難しくなります。
- 一部の財産は没収される
自己破産をすると、高額な家や車、貯金など一定の財産は債権者への返済に充てられるため、破産管財人を通じて換価処分される可能性があります。ただし、日常生活に必要な最低限の財産は保護されます。
- 職業制限
自己破産手続き中、弁護士、公認会計士、警備員など特定の職業に就けなくなることがあります。ただし、手続き終了後は制限が解除されます。
- 社会的な信用の喪失
自己破産は借金の返済義務を免責する手続きですが、社会的には「破産した」という評価を受けることがあり、信用を失う可能性があります。仕事や家庭、周囲の人間関係に影響が出ることも考えられます。 - 保証人への影響
自己破産すると、借金の返済義務が免責されるのは本人のみであり、保証人がいる場合はその保証人が債務を代わりに返済する責任を負うことになります。保証人との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 特定の債務は免除されない
自己破産で全ての債務が免除されるわけではありません。税金や罰金、養育費などの特定の債務は免除の対象外です。
- 手続きに時間と費用がかかる
自己破産の手続きは、裁判所を通じて行われるため、時間と費用がかかります。また、弁護士のサポートが必要になることが多く、手続きが複雑になることもあります。
任意整理中にやってはいけないことは?
任意整理は、その手続き中にやってはいけないことがあります。そのことを理解し、適切に対処することが成功の鍵です。以下では、任意整理中に避けるべき行動について解説します。
新たな借金をしない
任意整理中に新たな借金をすることは非常にリスクが高い行為です。なぜなら債権者は、借金を減額して今後の返済がしやすくなるようサポートしてあげているのに、さらに借金を増やされてしまうと債権者の信頼を損なってしまうからです。
滞納しない
任意整理を通じて合意に至った返済計画は、債権者との信頼関係に基づいて形成されたものです。その返済計画を守らずに返済を滞納すると、期限の利益を喪失し一括返済を求められる可能性が高まります。
債権者への連絡を無視しない
債権者からの連絡を無視すると、信頼関係が崩れ、任意整理をスムーズに進められなくなります。何らかの問題が発生した場合はすぐに債権者へ相談し、解決に向けたコミュニケーションを維持することが重要です。
高価な財産の購入や浪費をしない
任意整理中に高価な財産を購入したり、浪費したりすることは、返済能力に疑念を生じさせます。債権者から見れば、無駄遣いをしている状況での借金減額の要求は不誠実であるため、任意整理の交渉に悪影響を及ぼす可能性があります。
担当の弁護士や司法書士との連絡を怠らない
任意整理は弁護士や司法書士などの専門家のサポートを受けながら進めることが一般的です。任意整理途中に問題が発生したり条件を変更したくなったときは、担当の弁護士や司法書士に速やかに相談することが重要です。連絡を怠ると問題が大きくなり、状況が悪化する可能性があります。
返済の見込みがないのに無理な約束をしない
任意整理では現実的な返済計画が重要です。返済の見込みがないのに債権者と無理な合意をしてしまうと、返済計画を守ることができず、結果として失敗する可能性が高くなります。無理な合意はしないよう、現実的な返済プランを設定することが重要です。
任意整理以外の金融取引に注意する
任意整理中は、クレジットカードや新たなローンなど、信用に関わる取引は避けるべきです。信用情報に影響を与えるため、金融機関とのやり取りが悪影響を与える可能性があります。
任意整理にかかる費用は?
任意整理にかかる費用は、依頼する弁護士や司法書士の事務所の費用体系や、交渉する債権者の数によって異なりますが、以下の要素が一般的な費用になります。
相談料
弁護士や司法書士に任意整理の相談をする場合、相談料が1回あたり5,000円程度かかる可能性があります。ただし最近では、初回の相談については無料で行う事務所が多くなっています。費用が発生する場合もありますが、任意整理の依頼が決まった場合、相談料は着手金に含まれて無料になるケースがほとんどです。
着手金
弁護士や司法書士が債権者との交渉を開始する際に支払う費用です。債権者1社あたりの金額で設定されていることが多く、債権者の数が増えるほど総額も増加します。目安としては、1社あたり2万円から5万円程度が相場となっています。
報酬金
債権者との間で任意整理が成立した場合に、専門家へ支払う成功報酬です。報酬金も債権者1社ごとに設定されることが多く、固定報酬の場合は1社あたり2万円から5万円程度が相場となっています。
なお、減額に成功した場合、減額できた額の一定割合(例:10%〜20%)を成功報酬として請求することもあります。
例えば、100万円の借金が50万円に減額された場合、その減額分50万円の10%(5万円)から20%(10万円)が報酬金となります。
その他の費用
交通費や郵送費など、手続きにかかる実費が別途請求されることがあります。一般的には着手金や報酬と比べてそこまで大きな額にはなりません。交通費や郵送費など実費として数千円程度をみておきましょう。
具体例
以下は、債権者が5社の場合にかかる着手金と報酬金の一例です。
相談料:0円
着手金:3万円 × 5社 = 15万円
報酬金:3万円 × 5社 = 15万円
減額報酬10%(借金200万円から150万円に減額した場合):減額50万円 × 10% = 5万円
合計:35万円
家族や会社にばれる可能性や影響は?
任意整理を行う際、家族や会社にばれるかどうかは多くの人が気にするポイントです。任意整理は、自己破産や個人再生と比べてプライバシーが守られやすい手続きですが、ばれる可能性はゼロではありません。また、家族や会社に与える影響も考慮する必要があります。
家族にばれる可能性
任意整理を弁護士や司法書士に依頼すると、事務所からの書類や連絡が自宅に郵送されてくることがあります。もし家族と同居していて、郵便物や電話を家族が確認できる状況であれば、任意整理をしていることがばれる可能性があります。
ただし、弁護士や司法書士に対して事前に郵便物を送る際は事務所名を伏せるようにお願いすることができるので、リスクを軽減することは可能です。
また、任意整理によって生活費や家計に影響が出る場合、家族が異変に気づく可能性があります。特に、家族と共有している財産や支出がある場合は、生活費のやりくりに変化が生じるため、任意整理が疑われることがあります。
会社にばれる可能性
任意整理は裁判所を介さない手続きなので、一般的には会社に通知がいくことはありません。また、任意整理による信用情報の登録は個人に関するものであり、会社がこれを知ることは通常ありません。そのため、任意整理を行ったとしても、会社にばれる可能性は非常に低いです。
また、任意整理は債権者との和解手続きの一環であり、給与差し押さえなどの法的措置が取られることは基本的にありません。自己破産などの裁判所を介した手続きと異なり、会社が関与する場面がほぼないため、ばれる可能性は低いです。
家族への影響
家族が借金の保証人になっている場合、任意整理を行うと、その保証人に対して債権者から返済の請求がいくことがあります。保証人が家族であれば、任意整理が直接的に家族に影響を与えることになります。この場合、事前に家族に説明し、理解を得ることが大切です。
また、任意整理を行うと、月々の返済額が減る一方で、新たなローンやクレジットカードが利用できなくなります。これにより、家族と共に使っていたクレジットカードが使えなくなるなど家計に影響を及ぼす可能性があります。
会社への影響
任意整理そのものが会社に与える直接的な影響はほとんどありません。任意整理は個人的な問題であり、職場での地位や仕事の評価に影響を与えることは基本的にありません。
ただし、銀行や金融機関、クレジットカード会社など、信用を必要とする業界で働いている場合、任意整理が間接的に問題を引き起こす可能性があります。信用情報がブラックリストに登録されている間、新たな金融取引が難しくなり、場合によっては仕事上の制約が生じることもあります。
弁護士に依頼する方法は?
今回は、任意整理は女性でもできるのか、任意整理をする際に気を付けるポイントや家族への影響について詳しく解説しました。
借金の返済に困った場合に現在の状況をよりよくするためにどのような選択をすることができるのかや、債務整理をした場合にどのような影響があるのかを知りたくなったら弁護士に相談することをおすすめします。
10分程度から弁護士に相談ができるので、まずは自分の状況を簡単に箇条書きなどでまとめて気軽に弁護士へ相談してみましょう。
女性特有の悩みを抱えている場合、女性の弁護士に依頼することも可能です。
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