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恐喝とは?【被害者側、加害者側】罰金や懲役、証拠とは?

【この記事の法律監修】  
寺井 友浩弁護士(第二東京弁護士会) 
渋谷第一法律事務所

恐喝は、被害者に深刻な精神的・経済的ダメージを与え、加害者の人生を一変させる可能性のある重大な犯罪です。しかし、その法的複雑さゆえに、多くの人が適切な対応に戸惑っています。

このガイドでは、恐喝の定義から法的根拠、被害者・加害者それぞれの立場での対処法、さらには証拠の重要性や示談の可能性まで、恐喝に関する網羅的な情報をお知らせていきます。
被害に遭った方、あるいは加害者として疑われている方、双方にとって貴重な知識となるでしょう。

ただし、個々の状況は千差万別です。このガイドを通じて基本的な理解を深めつつ、具体的な行動に移る前には必ず弁護士に相談することをお勧めします。あなたの権利を守り、最善の結果を導くために、専門家のアドバイスが不可欠なのです。

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1. 恐喝とは

1)恐喝の定義

恐喝とは、相手を脅して金品や利益を得ようとする犯罪行為です。具体的には、脅迫的な言動を用いて相手に恐怖心を抱かせ、その結果として財物や財産上の利益を得ることを指します。

2)恐喝の成立要件

恐喝罪が成立するためには、以下の3つの要件が満たされる必要があります:

  • 脅迫的言動の存在
    相手に対して、言葉や行動で脅迫的な態度を取ること。
    例:「お金を払わないと、あなたの秘密を暴露するぞ」

  • 相手の恐怖心の惹起
    脅迫的言動によって、相手が恐怖を感じること。
    重要:相手が実際に恐怖を感じたかどうかが判断基準となります。

  • 財物や利益の要求
    脅迫の結果として、金銭や物品、その他の利益を要求すること。
    注意:実際に財物を得なくても、要求行為があれば恐喝未遂罪が成立する可能性があります。

3)関連する犯罪との違い

恐喝は他の犯罪と似ている部分がありますが、重要な違いがあります。以下に主な関連犯罪との違いを説明します。

「恐喝」と「脅迫」

主な違い:金品要求の有無
恐喝:脅迫 + 金品や利益の要求
脅迫:相手を怖がらせる行為のみで、金品要求がない

「恐喝」と「恫喝」

主な違い:法律用語と一般用語
恐喝:法律で定義された犯罪行為
恫喝:法律用語ではなく、一般的に「おどしつけること」を意味する言葉

「恐喝」と「強盗」

主な違い:暴行や脅迫によって、肉体的あるいは精神的に、抵抗できない状態かどうか
恐喝:暴行や脅迫によって、肉体的あるいは精神的に、抵抗できない状態になっていない
強盗:暴行や脅迫によって、肉体的あるいは精神的に、抵抗できない状態になった

4)まとめ

恐喝は、脅迫的言動を用いて相手から金品や利益を得ようとする深刻な犯罪です。その成立には、脅迫的言動、相手の恐怖心、そして財物や利益の要求という3つの要素が必要です。関連する犯罪との微妙な違いを理解することは、法的な観点から自身の状況を正確に把握するために重要です。

被害者の方も加害者とされる方も、これらの定義や違いを理解することで、自分の置かれている状況をより正確に認識し、適切な対応を取ることができます。
ただし、個々のケースの詳細な法的解釈については、必ず弁護士に相談することをお勧めします。

2. 法的根拠と罰則

恐喝罪は、日本の刑法において明確に規定された重大な犯罪です。この章では、恐喝罪の法的根拠、具体的な罰則、そして関連する法的プロセスについて詳しく解説します。

1)刑法における規定

恐喝罪は、刑法第249条に以下のように規定されています。

第1項:人を恐喝して財物を交付させた者は、10年以下の懲役に処する。
第2項:前項の方法により、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者も、同項と同様とする。

この条文から、以下の重要なポイントが読み取れます。

  • 恐喝の対象は「財物」だけでなく「財産上の利益」も含まれる
  • 自分のために得る場合だけでなく、他人のために得させる場合も処罰の対象となる
  • 恐喝未遂も処罰の対象となる(刑法第250条)

2)罰則

恐喝罪の法定刑は以下の通りです。

10年以下の懲役
注目すべき点として、罰金刑が規定されていないことが挙げられます。これは、恐喝罪が単なる財産犯ではなく、人の意思決定の自由を侵害する犯罪としても捉えられていることを示しています。

初犯の場合、状況によっては執行猶予が付く可能性があります。執行猶予とは、実刑判決を受けても一定期間その執行を猶予する制度です。ただし、これは犯行の態様、被害の程度、反省の態度などを総合的に考慮して判断されます。

3)時効

恐喝罪の公訴時効は7年です(刑事訴訟法250条2項4号)。公訴時効とは、一定期間が経過すると訴追できなくなる制度です。時効の起算点は原則として犯罪行為の終了時ですが、継続的な恐喝行為の場合は最後の行為の時点からカウントされます。

4)不起訴になる可能性

検察官は、様々な要因を考慮して起訴するかどうかを決定します。以下のような場合、不起訴処分となる可能性があります。

証拠不十分: 恐喝の立証に必要な証拠が不足している場合。例えば、脅迫的言動の証拠がない、または被害者の供述に一貫性がない場合など。

示談成立: 被害者と加害者の間で示談が成立し、被害者が処罰を望まない場合。ただし、示談が成立しても必ず不起訴になるわけではありません。

軽微な事案: 被害金額が少額で、社会的影響が小さいと判断される場合。ただし、これは恐喝の態様や加害者の前科などを総合的に考慮して判断されます。

重要な点として、不起訴処分は必ずしも犯罪の嫌疑がないことを意味するものではありません。また、不起訴処分となっても、民事上の責任は残る可能性があります。

以上が、恐喝罪に関する法的根拠と罰則の概要です。恐喝事件に関わった場合、その深刻さを理解し、適切な法的アドバイスを受けることが重要です。

3. 被害者向け情報

恐喝の被害に遭った場合、適切な行動を取ることが重要です。この章では、被害者が取るべき手順、注意点、そして法的支援を得る方法について詳しく説明します。

1)被害届の提出

被害届は、犯罪被害の事実を警察に知らせるための文書です。
以下の方法で提出できます。

  • 被害に遭った場所を管轄する警察署へ直接行く
    24時間365日受付
    被害の詳細を口頭で説明し、警察官が書類を作成

  • 警察相談専用電話「#9110」を利用
    緊急性のない相談や届け出に適している
    匿名での相談も可能

  • 注意点
    被害届を提出しても、必ずしも捜査が開始されるわけではありません。警察は提出された情報を基に捜査の必要性を判断します。証拠が不十分な場合や、被害が軽微と判断された場合は、積極的な捜査が行われない可能性があります。

2)告訴について

告訴は、被害者が加害者の処罰を求める意思表示です。恐喝罪は親告罪ではないため、告訴がなくても起訴は可能ですが、被害者の意思を明確にするために重要な手続きです。

  • 告訴状の特徴
    被害事実の詳細な報告
    加害者の処罰を求める明確な意思表示
    提出期間の制限はなし

  • 作成方法
    自身で作成
    インターネットで様式を入手可能
    必要事項を記入し、署名・押印

  • 専門家への依頼
    行政書士や司法書士に作成を依頼可能
    正確な記述と法的な観点からのチェックが期待できる

3)証拠の重要性

恐喝事件の立証には、具体的な証拠が非常に重要です。
以下のような証拠を可能な限り収集・保全しましょう。

  • 脅迫メッセージ
    メール、SNS、手紙など
    (スクリーンショットや原本を保存)

  • 録音・録画データ
    脅迫の現場や電話での会話など
    (法的に問題のない方法で録音・録画することが重要)

  • 目撃証言
    信頼できる第三者の証言
    (証言者の連絡先を確保)

  • 金銭の流れを示す記録
    振込明細、現金授受の記録など
    証拠保全のポイント

  • デジタルデータはバックアップを取る
    原本は安全な場所に保管
    証拠の改ざんや破棄は絶対に行わない

4)弁護士相談のメリット

恐喝被害の対応には法的な知識が必要です。弁護士に相談することで、以下のようなメリットがあります。

  • 告訴状作成支援(法的に正確な告訴状の作成)
  • 証拠の適切な提示方法のアドバイス
  • 捜査・告訴関連のアドバイス
  • 警察や検察とのやり取りに関する助言
  • 証拠収集の方法や注意点の指導
  • 捜査官との告訴相談への同席(弁護士特権)
  • 専門的な立場からの質問や確認
  • 被害者の権利保護
  • 民事訴訟の可能性検討
  • 損害賠償請求の是非や方法の助言
  • 示談交渉のサポート
  • 精神的サポート
  • 法的手続きに伴う不安の軽減
  • 二次被害防止のための助言

弁護士相談を検討する際は、初回相談が無料の事務所も多いので、複数の弁護士に相談して自分に合った弁護士を見つけることをお勧めします。

恐喝被害は深刻な犯罪です。一人で抱え込まず、専門家の助言を得ながら適切に対応することが、被害回復と心の平穏を取り戻す近道となります。

4. 加害者向け情報

恐喝の加害者となった場合、その影響は深刻で長期的なものとなる可能性があります。ここでは、加害者が直面する可能性のある状況と、取るべき対応について説明します。

1)逮捕の影響

恐喝罪で逮捕された場合、以下のような影響が考えられます。

  • 身柄拘束
    最長23日間の勾留が可能
    プライバシーの制限
    外部との接触制限

  • 解雇・退学のリスク
    多くの企業や学校は、逮捕を理由に解雇や退学処分を行う可能性がある
    復職や復学が困難になる場合も

  • 社会的評価の低下
    逮捕歴が将来の就職や人間関係に影響
    メディア報道による風評被害の可能性

2)弁護士相談と自首

恐喝行為を行った後の対応は非常に重要です。

  • 逮捕可能性が高い場合
    速やかに弁護士に相談
    弁護士の助言を受けた上で、自首を検討
    自首は量刑軽減要素となる可能性がある

  • 逮捕可能性が不明な場合
    まず弁護士に相談し、状況を正確に把握
    弁護士の助言に従い、慎重に行動

3)弁護士のサポート

弁護士は以下のような支援を提供します。

  • 外部連絡
    家族や勤務先への連絡・説明
    必要に応じてメディア対応

  • 取り調べ助言
    黙秘権行使の判断
    供述内容のアドバイス

  • 示談交渉
    被害者側との交渉
    示談金額の設定や支払い方法の調整

  • 学校・勤務先への配慮要請
    解雇や退学を回避するための交渉
    復職・復学のサポート

4)家族が逮捕された場合

家族が恐喝罪で逮捕された場合、以下の点に注意が必要です。

  • 逮捕後72時間以内の刑事弁護活動が極めて重要
    この期間に勾留請求されるか否かが決まる
    速やかに弁護士を手配し、接見を行う

  • 弁護士との連携
    家族の状況や背景情報を弁護士に提供
    弁護士の指示に従い、適切に対応

  • 精神的ケア
    家族自身のメンタルヘルスケアも重要
    必要に応じて専門家のカウンセリングを受ける

  • 社会的対応
    周囲への説明や謝罪の仕方を弁護士と相談
    プライバシー保護に留意

恐喝罪の加害者となった場合、その影響は本人だけでなく家族にも及びます。早期の弁護士相談と適切な対応が、被害の最小化と更生の第一歩となります。法的手続きを正しく理解し、誠実に対応することが、長期的には最善の結果につながる可能性があります。

5. 恐喝の証拠と立証

恐喝事件の解決には、適切な証拠の収集と立証が不可欠です。ここでは、恐喝における証拠の種類、その重要性、そして証拠と逮捕の関係について詳しく説明します。

1)恐喝における証拠

恐喝事件で重要となる証拠には、以下のようなものがあります。

  • 脅迫的なメッセージや手紙
    メール、SMS、SNSのメッセージ
    手書きの手紙や脅迫状
    注意点:デジタルデータは複製を作成し、原本は保存

  • 録音・録画データ
    脅迫行為の音声録音
    恐喝現場の映像
    注意点:録音・録画は相手の同意なしに行える場合がある(公共の場所など)が、法的な注意が必要

  • 目撃証言
    恐喝行為を目撃した第三者の証言
    被害者の周囲の人物による異変の証言
    注意点:証言は時間とともに変化する可能性があるため、早期の記録が重要

  • 金銭の流れを示す記録
    銀行振込の記録
    現金授受の際の領収書
    注意点:不自然な金銭の動きは恐喝の証拠となり得る

2)刑事事件における証拠の重要性

恐喝罪の立証には、以下の点が重要です。

  • 物的証拠と供述証拠の組み合わせ
    物的証拠:上記の脅迫メッセージ、録音データなど
    供述証拠:被害者や目撃者の証言
    両者を組み合わせることで、より強固な立証が可能

  • 証拠の信用性
    証拠が信頼できるものかどうか
    例:デジタルデータの改ざんの有無、証言の一貫性

  • 証拠の関連性
    証拠が恐喝事件と直接関係しているか
    間接的な証拠でも、状況証拠として重要な場合がある

3)証拠と逮捕の関係

恐喝事件における証拠と逮捕には、密接な関係があります。

  • 逮捕のタイミング
    十分な証拠が揃えば、事件発生から時間が経過していても逮捕される可能性がある
    証拠収集に時間がかかる場合、逮捕が遅れることもある

  • 証拠の質と量
    決定的な証拠が一つでも存在すれば、逮捕に至る可能性が高い
    複数の間接証拠が組み合わさることで、逮捕の根拠となることもある

  • 証拠と起訴の関係
    逮捕後、さらなる証拠収集が行われ、起訴するかどうかが決定される
    十分な証拠がない場合、不起訴や釈放となる可能性もある

  • 証拠収集の継続性
    逮捕後も証拠収集は続く
    新たな証拠が見つかれば、捜査の方向性が変わる可能性もある

恐喝事件において、証拠は事件の核心を証明する重要な要素です。被害者は可能な限り証拠を収集・保全し、加害者は自身の行為が証拠として残る可能性を認識する必要があります。どちらの立場であっても、証拠に関する正しい理解は、適切な法的対応につながります。証拠の取り扱いや解釈に不安がある場合は、早期に弁護士に相談することが賢明です。

6. 示談と民事訴訟

恐喝事件において、刑事手続とは別に民事訴訟による解決方法があります。これらの選択肢は、被害者の救済や加害者の社会復帰に重要な役割を果たします。

1)示談交渉の流れ

  • 弁護士相談
    示談交渉を始める前に、弁護士に相談することが推奨されます。弁護士は法的観点から適切なアドバイスを提供し、交渉戦略を立てる手助けをします。

  • 被害者側との接触
    加害者側から被害者側に連絡を取り、示談の意思を伝えます。この際、直接連絡するよりも、弁護士を通じて行うことで、感情的な対立を避け、冷静な交渉が可能になります。

  • 条件交渉
    双方の弁護士を通じて、示談条件の交渉を行います。主な交渉点は、示談金額、支払い方法、謝罪の形式などです。この過程では、両者の利害を調整し、合意点を見出すことが重要です。

  • 示談書作成・締結
    合意に達したら、示談書を作成します。示談書には、合意事項を明確に記載し、両者が署名・捺印します。この文書は法的効力を持ち、後の紛争を防ぐ重要な役割を果たします。

2)示談金と慰謝料

  • 示談金
    示談金の金額は、被害の程度、加害者の経済状況、反省の度合いなどを総合的に考慮して決定されます。一般的に、被害額や精神的苦痛に対する補償が含まれます。

  • 慰謝料
    慰謝料は、被害者が受けた精神的苦痛に対する金銭的賠償です。恐喝事件では、脅迫行為による恐怖や不安、社会生活への影響などが考慮されます。

  • 民事損害賠償
    刑事手続とは別に、被害者は民事訴訟を通じて損害賠償を請求することができます。

  • 請求の根拠
    民法709条(不法行為)に基づき、被害者は加害者に対して損害賠償を請求できます。

  • 賠償の範囲
    財産的損害(金銭的損失)と精神的損害(慰謝料)の両方が請求の対象となります。

  • 立証責任
    被害者側が損害の存在と因果関係を立証する必要があります。示談が成立しなかった場合や、示談金額に納得できない場合に選択されることがあります。

  • 時効
    民事損害賠償請求権の消滅時効は以下の通りです。
    損害および加害者を知った時から3年
    不法行為の時から20年

この時効制度により、被害者は一定期間内に権利を行使しないと、請求権が消滅します。

示談と民事訴訟は、被害者の救済と加害者の償いの機会を提供する重要な手段です。ただし、法的な知識と経験が必要とされるため、弁護士のサポートを受けることが強く推奨されます。示談が成立すれば、不起訴処分を勝ち取るための重要な証拠となりますが、合意に至らない場合は民事訴訟という選択肢も残されています。いずれの場合も、当事者双方の権利と利益を適切に保護しつつ、公正な解決を目指すことが重要です。

7. 弁護士相談の重要性

恐喝事件において、被害者・加害者双方にとって、弁護士相談は非常に重要です。法律の専門家である弁護士のサポートを受けることで、適切な対応が可能となり、自身の権利を守ることができます。

1)被害者側のメリット

  • 法的手続きの適切な指導
    弁護士は、被害者に対して取るべき法的手続きを詳しく説明し、適切な指導を行います。これには、被害届の提出方法、告訴状の作成、刑事裁判への対応などが含まれます。専門的な知識に基づいたアドバイスにより、被害者は適切な行動を取ることができます。

  • 証拠収集・保全のアドバイス
    恐喝事件では証拠が極めて重要です。弁護士は、どのような証拠が必要か、どのように収集・保全すべきかについて、専門的なアドバイスを提供します。例えば、脅迫メッセージの保存方法、録音の適法性、目撃者からの証言の取り方などについて、具体的な指示を与えることができます。

  • 示談交渉のサポート
    被害者が示談を希望する場合、弁護士は交渉の代理人として活動します。弁護士は法的知識と交渉経験を活かし、被害者にとって最善の条件を引き出すよう努めます。また、感情的になりがちな被害者に代わって冷静に交渉を進めることができます。

2)加害者側のメリット

  • 逮捕・起訴リスクの軽減
    弁護士は、加害者が取るべき最適な行動について助言を行います。例えば、自首の是非、取り調べへの対応方法、示談の可能性などについて、状況に応じた適切なアドバイスを提供します。これにより、逮捕や起訴のリスクを最小限に抑える可能性が高まります。

  • 示談交渉の代行
    加害者側の弁護士は、被害者側との示談交渉を代行します。法的知識を持つ弁護士が交渉することで、感情的対立を避け、より合理的な解決策を見出せる可能性が高まります。また、示談金額や支払い条件などについても、適切な提案を行うことができます。

  • 刑事弁護活動
    逮捕や起訴に至った場合、弁護士は刑事弁護人として活動します。取り調べへの立会い、勾留請求への対応、公判での弁護活動など、刑事手続きの全般にわたってサポートを行います。これにより、加害者の権利を守り、可能な限り有利な結果を得ることを目指します。

  • 弁護士費用の目安
    弁護士費用は事案の複雑さや弁護士の経験などによって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。

    初回相談
    多くの弁護士事務所では、30分から1時間程度の初回相談を無料で行っています。有料の場合でも、5,000円から3万円程度が一般的です。
    着手:事件の受任時に支払う費用です。恐喝事件の場合、20万円から50万円程度が一般的です。ただし、事案の複雑さや争点の数によっては、これ以上になることもあります。

    報酬金
    事件が解決した際に支払う成功報酬です。示談金額や判決内容に応じて決定されることが多く、着手金と同程度かそれ以上の金額となることが一般的です。

    実費
    郵便代、交通費、コピー代などの実費は別途請求されることがあります。

    弁護士費用は決して安くはありませんが、適切な法的対応によって得られる利益や回避できるリスクを考慮すると、十分な価値があると言えます。また、多くの弁護士は分割払いにも応じているため、一括で支払うことが難しい場合は相談することをお勧めします。

    結論として、恐喝事件に関わった場合、被害者・加害者を問わず、できるだけ早い段階で弁護士に相談することが重要です。弁護士のサポートを受けることで、法的リスクを最小限に抑え、自身の権利を最大限に守ることができます。費用面で心配がある場合も、まずは無料相談を利用して、具体的な対応策と費用について相談することをお勧めします。

8. よくある質問(FAQ)

恐喝事件に関して、被害者や加害者が抱きやすい疑問について、Q&A形式で解説します。

Q1: 恐喝は親告罪ですか?
A1: 恐喝罪は非親告罪です。被害者の告訴がなくても起訴可能です。つまり、被害者が告訴を取り下げても、検察官の判断で起訴が行われる可能性があります。

Q2: 慰謝料を払えない場合はどうすればいいですか?
A2: 分割払いや減額交渉を検討しましょう。まずは弁護士に相談し、自身の経済状況に応じた最適な解決策を見つけることが重要です。

Q3: 恐喝で後日逮捕される可能性はありますか?
A3: はい、証拠が揃えば後日逮捕される可能性があります。警察は十分な証拠を集めてから逮捕に踏み切ることが多いため、事件発生から時間が経過してからの逮捕もあり得ます。

Q4: 逮捕にはどのような種類がありますか?
A4: 主に現行犯逮捕、緊急逮捕、通常逮捕があります。現行犯逮捕は犯行の現場で行われ、緊急逮捕は重大な犯罪で緊急性がある場合に行われます。通常逮捕は裁判官が発付する逮捕状に基づいて行われます。

Q5: 警察は必ず動いてくれますか?
A5: 証拠や状況によります。十分な証拠がない場合、積極的な捜査が行われない可能性もあります。そのため、被害者は可能な限り証拠を収集・保全することが重要です。

Q6: 恐喝未遂でも罪に問われますか?
A6: はい、恐喝未遂も罪に問われます。刑法第250条により、恐喝未遂罪も処罰の対象となっています。ただし、未遂罪の場合は既遂(実際に財物や利益を得た場合)よりも刑が軽くなる可能性があります。

Q7: 示談が成立すれば必ず不起訴になりますか?
A7: 必ずしもそうではありません。示談の成立は不起訴になる可能性を高めますが、最終的な判断は検察官が行います。事案の悪質性や社会的影響などを考慮して、起訴されることもあります。

Q8: 恐喝の被害に遭ったが、自分にも非がある場合はどうすればいいですか?
A8: まずは弁護士に相談することをお勧めします。自身の行為が違法性を帯びている場合でも、それは恐喝行為を正当化する理由にはなりません。弁護士のアドバイスを受けながら、適切な対応を検討しましょう。

Q9: 恐喝の被害に遭ったが、警察に相談するのが怖いです。どうすればいいですか?
A9: まずは信頼できる人や弁護士に相談することをお勧めします。被害者支援センターなどの専門機関も利用できます。これらの支援を受けながら、警察への相談を検討しましょう。匿名での相談から始めることも可能です。

Q10: 恐喝で逮捕された場合、いつまで勾留されますか?
A10: 通常、逮捕後72時間以内に検察官に送致され、その後10日間(最大20日間まで延長可能)の勾留が可能です。ただし、証拠が十分でない場合や軽微な事案の場合は、早期に釈放されることもあります。

Q11: 恐喝の被害に遭った場合、精神的なケアは受けられますか?
A11: はい、受けられます。警察や検察庁の被害者支援室、各都道府県の被害者支援センターなどで、カウンセリングや心理的サポートを受けることができます。必要に応じて、専門的な精神医療機関を紹介してもらうこともできます。

Q12: 恐喝罪で有罪となった場合、前科はどのくらいの期間残りますか?
A12: 前科は基本的に一生涯残ります。ただし、再犯防止更生法により、一定期間が経過し再犯がない場合、前科の開示が制限されることがあります。具体的な期間は刑の種類や長さによって異なります。

これらの質問と回答は、恐喝事件に関する一般的な疑問に対応したものです。しかし、実際の事案では状況が異なる場合もあるため、具体的な法的アドバイスが必要な場合は、必ず弁護士に相談することをお勧めします。

9.まとめ

恐喝事件は、被害者と加害者の双方に深刻な影響を及ぼす重大な犯罪です。この複雑な法的問題に直面した際、適切な対応が極めて重要となります。
恐喝事件は、関係者全員に長期的な影響を及ぼす可能性のある深刻な問題です。

法的手続きの複雑さと潜在的なリスクを考慮すると、専門家のガイダンスを受けることが不可欠です。弁護士に相談することで、自身の権利を守り、最も適切な方法で事態に対処することができます。早期の対応と適切な法的サポートが、この困難な状況を乗り越えるための鍵となります。

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