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リボ払いに過払い金が発生するケースは?請求の流れや弁護士に依頼するメリットは?

【この記事の法律監修】  
三輪 貴幸弁護士(埼玉弁護士会) 
樟葉法律事務所

「リボ払いを長く利用しているが、過払い金が発生しているかもしれない」「過払い金があるけど、どうやって請求したらいいのかわからない」このようにリボ払いの過払い金に関する疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。過払い金の請求は、自分で行うこともできますが、手続きは複雑で時間がかかることがあり、特に初めての方には不安が伴います。

本記事では、リボ払いで過払い金が発生するケースや請求の流れ、さらには弁護士に依頼するメリットについて詳しく解説しています。この記事を読むことで、過払い金返還請求の手順や、弁護士に相談することで得られる利点が明確になり、スムーズに過払い金を取り戻すための道筋が見えてくるでしょう。

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1.過払い金とは

過払い金とは、法律で定められた上限を超えて支払った利息のことを指します。利息とは、お金を借りる際に借りる利益に支払う対価のことで、借りた金額に対して一定の割合で決まります。この割合を「金利」といい、%で表されます。たとえば、1万円を金利15%で借りると、返済時には1,500円の利息が上乗せされます。

利息制限法では、利息について以下のように定められています。

第一条
金銭を目的とする消費貸借における利息の契約は、その利息が次の各号に掲げる場合に応じ当該各号に定める利率により計算した金額を超えるときは、その超過部分について、無効とする。
一元本の額が十万円未満の場合年二割
二元本の額が十万円以上百万円未満の場合年一割八分
三元本の額が百万円以上の場合年一割五分
引用:e-Gov法令検索 利息制限法(昭和二十九年法律第百号)

また、出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律では、以下のように定められています。

第五条
金銭の貸付けを行う者が、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息(債務の不履行について予定される賠償額を含む。以下同じ。)の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
2前項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年二十パーセントを超える割合による利息の契約をしたときは、五年以下の懲役若しくは千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
3前二項の規定にかかわらず、金銭の貸付けを行う者が業として金銭の貸付けを行う場合において、年百九・五パーセント(二月二十九日を含む一年については年百九・八パーセントとし、一日当たりについては〇・三パーセントとする。)を超える割合による利息の契約をしたときは、十年以下の懲役若しくは三千万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。その貸付けに関し、当該割合を超える割合による利息を受領し、又はその支払を要求した者も、同様とする。
引用:e-Gov法令検索 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律(昭和二十九年法律第百九十五号)

貸金業者に払いすぎた利息を返還してもらう請求を「過払い金返還請求」といいます。

1-1.過払い金返還請求の対象

過払い金が発生する可能性が高いのは、以下の項目に当てはまる方々です。

  • 2010年(平成22年)6月17日以前に借入を開始した方
  • 年利15%〜20%を超える金利を支払っていた方
  • 対象の貸金業者が倒産していない方
  • 借金を完済してから10年以内の方

2010年6月17日以前は、グレーゾーン金利と呼ばれるものが存在しました。これは、利息制限法と出資法の間に存在した、利息制限法を超過した違法な金利帯です。これにより、多くの業者が25〜28%で貸付を行っていました。

利息制限法における上限金利は年15%から20%です。これを上回る金利で返済していた場合、過払い金が生じる可能性があります。なお、倒産した貸金業者に対しては、過払い金の返還請求が困難になってしまうでしょう。

このように、過払い金が適用されるケースや条件は多種多様です。上記に該当しない方も専門の弁護士に相談することをおすすめします。

1-2.過払い金返還請求を放置するとどうなるのか

過払い金返還請求を放置すると、以下のようなデメリットがあります。

  • 債権(過払い金返還請求権)の時効が過ぎてしまう
  • 過去の取引履歴や契約書などの証拠が消失してしまう
  • 貸金業者が倒産してしまう

過払い金請求には時効があり、通常は最後の返済日から10年以内に請求しなければなりません。これを放置してしまうと、過払い金の請求権が失われ、払いすぎた利息を取り戻すことができなくなります。

民法では債権の時効について、以下のように定められています。

第百六十六条 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
引用:e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)

また、過払い金返還請求を行う際には、過去の取引履歴や契約書などの証拠が必要となります。しかし、時間が経過するにつれて、これらの証拠が散逸してしまうリスクが高まります。

証拠が不十分な場合、過払い金の存在や金額を立証することが困難になり、請求が認められない、または認められても金額が減額されるリスクがありますので、早急に対処しましょう。

さらに、過払い金返還請求を放置している間に、貸金業者の経営状況が悪化し、倒産や破産に至るケースがあります。このような場合、過払い金の返還を受けられなくなるリスクがあります。特に、中小規模の貸金業者や、過払い金返還請求の増加により経営が圧迫されている業者については、このリスクが高くなってしまうでしょう。

2.リボ払いとは

リボ払いとは、リボルビング払いの略称です。借金や商品代金を毎月一定額ずつ返済していく方式のことです。クレジットカードや消費者金融のリボ払いでは、借入残高に応じて利息が加算されていくため、返済が長期化しやすい特徴があります。

2-1.リボ払いで過払い金が発生する場合

キャッシングのリボ払いには過払い金が発生する可能性があります。キャッシングのリボ払いとは、クレジットカードのキャッシング機能を利用して現金を借り入れ、その返済をリボ払いで行うことを指します。借りた金額に手数料を加えた合計を、完済まで毎月一定額ずつ返済する方式です。

一方、ショッピングのリボ払いでは手数料が割賦販売法で規制されているため、過払い金は生じません。ショッピングリボ払いは借金ではなく、クレジットカード会社が代わりに代金を立て替えたもので、通常の分割払いの手数料と同様の扱いとなり、利息制限法やグレーゾーン金利などが適用される余地が無く、法的に過払い金が発生しない仕組みになっているからです。

2-2.リボ払いの過払い金返還請求は可能か

リボ払いであっても、利息制限法に基づく上限を超える利息を支払っていた場合は、過払い金を請求することが可能です。

2-3.リボ払いで過払い金返還請求ができないケース

リボ払いでも、すべてのケースで過払い金請求ができるわけではありません。以下の項目に当てはまる方は、過払い金返還請求ができない可能性があります。

  • 借金を完済してから10年経っている
  • 対象の貸金業者が倒産してしまった
  • すでに任意整理をしている

一般的に借金を完済してから10年以内に請求しなければ権利が消滅します。また、貸金業者が倒産すると、法人としての存在がなくなり、請求先が消失してしまいます。

任意整理を行うと、過払い金の請求権が整理される場合があるため、注意が必要です。この手続きを受けた後は、過払い金請求が制約されることがあるため、請求が困難になります。リボ払いの過払い金返還請求については、弁護士に相談してみるのがよいでしょう。

3.リボ払いの過払い金返還請求のデメリット

リボ払いの過払い金返還請求にはいくつかのデメリットもあります。

  • 払いすぎた利息の全額は戻らない
  • 借金がある会社への請求で事故情報が登録されるリスク
  • 同じ会社やグループでのローン・クレジット利用不可の可能性

これらを理解した上で、手続きを進めることが大切です。それぞれ解説していきます。

3-1.払いすぎた利息の全額は戻らない

過払い金返還請求をしても、必ずしも払いすぎた利息の全額が戻ってくるわけではありません。業者との交渉によっては、一部のみが返還されるケースもあります。また、弁護士費用や手数料が発生するため、手元に残る金額が減少する可能性もある(理論上判決では全額の請求が認定されることもありますが、その場合には弁護士費用等が多額になってしまう可能性が否定できません。)でしょう。

3-2.借金がある会社への請求で事故情報が登録されるリスク

リボ払いの過払い金返還請求を行う際に、借金が残っている場合、金融業者から事故情報として信用情報機関に登録されるリスクがあります。これは、いわゆるブラックリストに載ることを意味し、今後のクレジットカードやローンの利用に影響が出る可能性があります。

3-3.同じ会社やグループでのローン・クレジット利用不可の可能性

過払い金請求をした会社やそのグループ会社では、今後ローンやクレジットカードを利用できなくなる可能性があります。このため、今後も同じ会社を利用する予定がある場合は、注意が必要です。

4.リボ払いの過払い金返還請求の流れ

リボ払いの過払い金返還請求は、以下のとおりです。

  1. 取引履歴の取り寄せ
  2. 引き直し計算
  3. 過払い金返還請求書を送る
  4. 任意交渉
  5. 裁判
  6. 返還

それぞれ詳しく見ていきましょう。

4-1.取引履歴の取り寄せ

過払い金返還請求の第一歩は、金融業者から取引履歴を取り寄せることです。過払い金返還請求の対象となるのは、クレジットカード会社、信販会社、消費者金融などの貸金業者です。具体的な業者名は取引履歴を確認することで分かります。

取引履歴とは、これまでの借入額、返済額、利息、手数料などの詳細な記録です。過去にリボ払いを利用していた場合、この履歴を確認することで、どのくらいの利息を支払っていたのかが明確になります。

クレジットカード会社は、利用者からの開示請求を断ることはできません。請求は郵送で行い、文書で取引履歴を受け取ることができます。

4-2.引き直し計算

取引履歴が手元に届いたら、次は引き直し計算を行います。引き直し計算とは、利息制限法に基づいた適正な金利で再計算を行い、どれだけ利息を払いすぎたかを確認する作業です。過去に法律の上限金利を超えて支払っていた利息が過払い金となり、これを取り戻すことができる場合があります。

4-3.過払い金返還請求書を送る

引き直し計算が完了し、過払い金が発生していることが確認できたら、次に金融業者に対して過払い金返還請求書を送ります。この請求書は、払いすぎた利息を返還してもらうための正式な依頼文です。

過払い金返還請求書には、主に以下の事項を記載します。

  • 金銭借入の経緯と内容
  • 支払利息と法定上限金利との差額
  • 法定限度を超えた利息の返還請求意思

支払いが行われない場合は、訴訟を提起することを検討する旨や、振込先口座などを記載することもあります。

4-4.任意交渉

請求書を送った後、金融業者と任意交渉を行います。任意交渉とは、金融業者と返還額や支払い方法について話し合い、和解を目指すプロセスです。交渉が成立すれば、裁判をせずに過払い金が返還されることがあります。

4-5.裁判

任意交渉で解決しない場合、次の手段として裁判に訴えることができます。裁判は、金融業者に過払い金の返還を正式に求める法的手続きです。裁判を通じて、裁判所の判断を仰ぎ、適正な金額を取り戻すことを目指します。

4-6.返還

裁判での判決や任意交渉が成立し、業者が過払い金を返還することに同意すれば、実際に返還が行われます。返還された金額は、振り込みや現金で受け取ることができます。ただし、裁判での判決の場合、それに基づく強制執行が必要となる場合もあります。

5.リボ払いの過払い金返還請求を弁護士に依頼するメリット

リボ払いの過払い金返還請求を自分で行うことは可能ですが、手続きが複雑で時間がかかることが多いです。取引履歴の取り寄せや、引き直し計算、金融業者との交渉には専門的な知識が必要であり、これを自分だけで進めるのは大変です。そのため、弁護士に依頼することをおすすめします。

リボ払いの過払い金返還請求を弁護士に依頼するメリットは以下のとおりです。

  • 適切なアドバイスが受けられる
  • 手続きを一任できる
  • 取り戻せる金額が増える可能性がある
  • 時間と手間を節約できる
  • 裁判になっても安心できる

それぞれ詳しく紹介します。

5-1.適切なアドバイスが受けられる

法律の専門家による適切なアドバイスが受けられることは、弁護士に依頼することで得られるメリットの一つです。

過払い金返還請求は、借り入れた金額や利息に関する複雑な法律問題を含んでいます。特に、過去の取引に関する記録や契約書を基に計算を行う必要があるため、法律的な知識がないと正当な請求が難しくなることがあります。

弁護士は、消費者金融法や利息制限法などの関連法規に精通しています。取引の履歴から法定金利を超過した部分を正確に計算し、請求額の根拠を示すことができます。また、返還請求のタイミングや方法についても最適なアドバイスを提供し、その結果、より多くの過払い金を取り戻せる可能性があるでしょう。

正確な情報とアドバイスを得ることで、後に残る金額が増えるだけでなく、経済的なダメージを最小限に抑えることができます。

5-2.手続きを一任できる

弁護士に依頼する最大のメリットは、手続きや交渉をすべて一任できる点です。弁護士は、過払い金返還請求のプロフェッショナルであり、手続きの流れを熟知しています。面倒な書類の作成や金融業者とのやり取りを代行してくれるため、自分で進めるよりもスムーズに処理を進められるでしょう。

特に、金融業者との交渉が難航した場合、弁護士が間に入ることで、専門的な法的知識に基づいた主張を展開することができ、より良い結果に繋がる可能性が高まります。

弁護士に依頼する場合、費用が発生しますが、それでも依頼する価値は大いにあります。依頼することによって得られる安心感や、取り戻せる過払い金の金額が増える可能性を考慮すると、弁護士のサポートを受けることは、結果的に大きな利益となるでしょう。

5-3.取り戻せる金額が増える可能性がある

弁護士に依頼することで、取り戻せる過払い金の金額が増える可能性もあります。個人で金融業者に返還請求を行うと、業者側が全額返還を渋ったり、部分的な返還を提示してくることが少なくありません。それに加えて業者側の提示が適切、妥当なものなのかを判断するのは困難です。

しかし、弁護士が代理として交渉に参加することで、業者が全額返還に応じるケースが増えます。結果的に、弁護士費用を差し引いたとしても、自分で請求を行うよりも手元に残る金額が多くなる可能性があります。

5-4.時間と手間を節約できる

弁護士に依頼することで、時間と手間を大幅に節約することができます。過払い金返還請求は、正確な計算や、金融業者との煩雑なやり取りが必要であり、日常の業務や生活の中で進めるのは非常に負担が大きいものです。

弁護士に依頼すれば、これらの作業をすべて任せることができるため、安心して結果を待つことができます。

5-5.裁判になっても安心できる

万が一金融業者が過払い金の返還に応じず、裁判に発展した場合でも、弁護士がいれば安心です。裁判は、書類の準備や証拠の提出、法廷での主張など、多くの準備が必要で、一般の方にとっては非常にハードルが高いものです。

しかし、弁護士は裁判のプロフェッショナルであり、すべての手続きや主張を代行してくれます。裁判に進むことで過払い金を取り戻すチャンスを逃さず、適正な金額を確実に取り戻せるようサポートしてくれるでしょう。

6.まとめ

リボ払いで過払い金が発生するケースは多数あり、特に過去に高金利で借り入れをしていた場合は、過払い金を取り戻すチャンスがあることを知っておくべきです。しかし、過払い金請求を自分で行おうとすると、手続きが煩雑で専門的な知識が必要なため、ミスを犯してしまうリスクも高まります。

例えば、取引履歴の確認ミスや引き直し計算の誤りがあると、適正な金額を取り戻せず、将来の大切なお金を無駄にしてしまうかもしれません。適切な手続きを踏まないことで金融業者との交渉が難航することもあるでしょう。さらに、金融業者からの圧力や拒否に対して適切な対応ができず、泣き寝入りしてしまう可能性もあります。

過払い金返還請求を弁護士に依頼することで、こうした手続きの煩雑さから解放され、交渉や裁判などの困難な状況でも安心して対応することができます。弁護士に依頼することで取り戻せる金額が増える可能性も高くなり、弁護士費用を差し引いても結果的に手元に残る金額が多くなることが期待できます。

弁護士のサポートを受けることで、将来に向けた前向きな一歩を踏み出すことができます。ぜひ、弁護士に相談して、過払い金を取り戻し、明るい未来を手に入れましょう。

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