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6年間のアメリカ留学経験を生かして英語案件に対応し、国際化する市民や社会起業家のニーズに応える/冨増四季弁護士(とみます法律事務所)

高校時代にアメリカへ留学し、スタンフォード大学を卒業。帰国後に司法試験に挑戦し、2005年に弁護士登録された冨増先生。語学力と海外経験を生かし、依頼者、相手方、事件関係者などと英語でコミュニケーションを取りながら相続・交通事故・刑事事件など事件類型を横断して対応されています。

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弁護士を目指した理由とこれまでの経歴

これまでの経歴について教えてください。

出身は三重県桑名市です。高校3年生のときシアトルの高校へ編入し、その後、スタンフォード大学を2000年6月に卒業しました。2005年に弁護士になり、京都市内の法律事務所に入所しました。2021年に独立して「とみます法律事務所」を開設し今に至ります。
 

高校生でアメリカ留学を決断するとはすごいですね。どういった理由から留学されたのでしょうか?

アメリカの大学に行こう!と決めたのは中学3年生のときです。挑戦と冒険を求めていたのだと思います。世界各国から優秀な学生が集まる場で、世界一流の教授陣のもと、自分がどこまで通用するか試してみたい。日本から飛び出して世界を見てみたい。そんな感覚だったと思います。

もともとはエンジニア志望だったと聞きました。どうして弁護士になろうと思われたのですか?

井の中の蛙でした。大学に入ってみると、私の力ではまったく太刀打ちできない天才たちが、同級生のなかに何人もいて挫けてしまいました。その後は、インド、ブラジル、南アフリカ、ニューヨークに3週間ずつホームステイしながら都市研究の単位がとれるプログラムに参加したり、キャンパス内で学生向け原爆展を企画したり、将来設計はあいまいなまま、まあまあ忙しく日々を過ごしていました。卒業の時期が近づいてきて将来を改めて考えたときに、様々な問題で困っている日本で暮らす外国人を助ける仕事をしたいと思ったんです。弁護士であれば法律の専門家として直接助けることができますし、英語を話せることや海外経験も生かせると思ったのです。

独立してご自身の事務所を開設されたのは、どういった想いからでしょうか?

以前所属していた事務所はとても自由で居心地もよく、素晴らしい先輩弁護士のもとで貴重な経験を積ませていただきました。もっとも、複数の弁護士が所属する事務所でしたから、国際性という自分の強みや個性が埋もれがちでした。そこで、英語を扱えるマチ弁としての仕事をさらに充実させたいと思い事務所を開設しました。

現在の仕事について 

現在注力している分野を教えてください。

英語案件の比重が大半を占めます。分野としては一般的なマチ弁のみなさんと同様に相続・交通事故・刑事事件など、幅広く取り扱っています。また日本人・外国人問わず、差別問題をはじめとした人権問題、いじめ・虐待・教育といった子どもに関する問題などにも力を入れています。それから、海外から京都にやってきた社会起業家のスタートアップへの顧問指導にも従事しています。児童福祉の実務経験と英語サービスを組み合わせて貢献できるところにやりがいを感じます。

英語案件で、通常と異なる配慮が必要となるのはどのようなところでしょうか。

依頼者が日本人であれば感じることのない言語や文化の壁。しかし、ひとたび英語案件となると依頼者の話を聴く、依頼者に対して説明する、依頼者と方針などを協議する、契約書の文案や準備書面を検討する、といったあらゆる場面で、その壁が立ちはだかるわけです。難解な法律用語や制度を正確かつわかりやすく伝えるためには、通訳にも相当の力量が求められます。そもそも、なにか連絡するたびに通訳を挟むのでは、依頼者、弁護士双方に時間的ロス、そして翻訳者には負担感が蓄積していきます。長時間の通訳対応では集中力が続かず、細かい誤訳や通訳もれが放置されてしまうこともあります。こうした蓄積が国選弁護人に対する感情的わだかまりや極端な不信感にまで発展してしまって、結局、私のところに私選依頼があったという事案もありました。

その点、私は英語のコミュニケーションを取ることに、心理的な抵抗のようなものはありません。むしろ、さまざまな英語に触れる機会を楽しいと感じています。打ち合わせのなかでもぱっと思いついた瞬間、受話器をとって世界の各都市に国際電話をかけてます。こんなふうに、依頼者や関係者と、すばやく的確なコミュニケーションを取れることは、大きな違いを生むはずです。

依頼者は日本人だけど相手が外国人という場合もあります。たとえば依頼者である妻は日本人、夫は外国人という離婚案件などですね。こうした事案でも、英語力は助けになります。過去のLINEのトーク履歴や、メールのやりとりなども英語のままで確認できます。そのニュアンス的なところも含め、正確に把握できることは私の強みです。

法律トラブルを解決するだけでも大変なのに、英語のコミュニケーションが絡むと一気にハードルが上がりますね。

そうなんです。特に、刑事事件、つまり外国人が犯罪を犯して被疑者・被告人になっている場合などでは、私だからこそお役に立てた、と感じることがあります。たとえば外国人が被疑者の場合、通常は通訳人と一緒に外国人が身柄拘束されている警察署などにいって話をしたり権利について説明します。ところが通訳人を挟むと、弁護士のほうも被疑者の側も言いたいことを十分伝えられない。また、被疑者の家族も英語しか話せない場合がほとんどです。さきほど述べたように、電話やメールでなにか一つ伝えるときに、ぱっと受話器を取れる、さっとメールを書けるという私の英語でのコミュニケーション力は、依頼者に言葉のストレスを与える場面を減らし、弁護人との信頼関係を築く助けにもなります。

身体拘束されているだけでも不安なのに、さらに言語の壁があると非常に不安でしょうね。

確かに、これは外国で生活した経験がなければ想像しにくい部分かもしれません。警察・検察が身体拘束できる期間は法律上最長で23日間です。その間に起訴するかどうか決めるのが検察官の役割なのですが、弁護人としては、その期間内に、身元引受人の確保、被害者との示談、本国での経歴や社会的地位の説明、帰国の段取りなど、全ての手配をやりきることが求められます。検事からしても不起訴や略式で落としたいと考えている事案もあるわけです。ところが、例えば日本に住所のある通常の被疑者であれば不起訴で上司を説得できる事案でも、こと外国人被疑者となると、その一つでも欠ければ、担当検事としても公判請求せざるを得なくなってしまう。こういう緊迫した状況で、英語のコミュニケーションができる弁護人がつくと、検事からしてもありがたい存在に感じてもらえることが多いのです。捜査検事からすれば、この国際弁護士が英語力を駆使して、しっかり全ての調整の手配をやりきってくれる、そして依頼者との信頼関係、身元引受人との連絡体制も万全で、釈放後も帰国までのフォローから事後の報告まできめ細かく対応してくれそうだ、と。実際に、身柄拘束のタイムリミットが近付いてくると、検事の側から弁護人の私に、「本国に問い合わせて、○○のような資料をご準備いただけませんか?」「もう満期まで待たずに明日釈放までもっていきたい。航空券の予約をしてもらって、○○警察に身元引受人を出頭させる手配、冨増先生にお願いできますか?」などと頼ってきてくださるようなことがよくあります。

弁護士として、どういったことを大切にされていますか?

折にふれて、目の前の相手が大切なことを言っているんじゃないかと考えるようにしています。依頼者のみなさんは、法的に関係あること・ないことを区別せずに話されるのが普通です。そんなとき、弁護士としては「この話は関係ない」と聞き流したり遮ったりしてしまうことがあります。しかし、実は、そういったお話のなかに問題解決の糸口が隠されていたり、依頼者にとっては大切な本質的な部分があったりするわけです。弁護士の仕事は時間との闘いですので常にできるわけではないですが、なるべく先入観を持たず、目の前の依頼者のお話に耳を傾けるようにしています。

先生が取り組んでいるIT化について教えてください。

新しいもの好きということもあり、ChatGPTやPerplexityといった生成AIは積極的に活用しています。つい一年ほど前は、みらい翻訳、DeepLなども使っていましたが、すっかり出番が少なくなっていますね。

今後について

今後の目標などを教えてください。

私は、弁護士の仕事を通して、消防士のような役割を果たせることに魅力を感じているんだと思います。紛争という火を消す役目です。弁護士はどちらか一方の代理人として仕事をしますが、だからといって相手と激しく争うことが常によいとは限りません。依頼者の人生設計、あるいはその幼いお子さんなど家族の人生を長い目で見たとき、直近の法的紛争で勝ち切ることよりも、関係修復に向けて感情的なわだかまりを少しづつ和らげておくほうに意識を向けるべき案件もありますよね。

今後さらに国際化が進む中で、外国人が絡むトラブルも増えるはずです。異なる多様な価値感が、もめ事のなかでぶつかりあう場面が多くなるわけですから、当事者同士では解決できず司法の場へ数多くの事例が持ち込まれることになるでしょう。そうしたときに、日本の物差しだけ、日本の見方だけで一面的に事案を捉えるのでは、司法の紛争解決の力が十分に発揮されない。例えば、怒り心頭の当事者を説得し冷静さを取り戻してもらうような作用などです。こうした国際性を持つ事案において、私のような国際的なバックグラウンドを持つ弁護士のサポートを必要とする方々に届けていけるようにしたいですね。具体的には、さまざまな言語の壁を乗り越え、うまく弁護士とつながれるように、効果的な広報・発信を模索していきたいと思います。

相談を検討されている方へ

日本で生まれ育った日本人同士でさえ、世の中には数え切れないほどのトラブルがあります。そこに文化や言語の違いが重なってくると深刻な感情的な対立やもめごとへと発展することは珍しくありません。英語力を備え、さまざまな文化が衝突する狭間に身を置き、学生としてあるいは弁護士として見聞きし紛争解決にとりくんできた私の経験が生きる事案があるように思います。他の弁護士とは異なる事件の見立てや、解決の道筋を提案できることもあるでしょう。

外国からいらした方ご本人はもちろん、その周囲の方からのご相談にも対応できます。身の回りのトラブルで、何かしら不安や疑問があるようでしたら、ぜひ一度ご相談ください。

弁護士情報

弁護士名:冨増 四季 
所属弁護士会:京都弁護士会
事務所名:とみます法律事務所
事務所HP:https://attorney-english.kyoto/
事務所住所:京都府京都市下京区北町183-3 烏丸六条ビル402

経歴:
2000年 6月 Stanford University, B.A. Urban Studies(スタンフォード大学 都市研究専攻)卒業
2005年 弁護士登録(京都弁護士会)、鴨川法律事務所入所
2021年 とみます法律事務所開設

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