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自己破産するとiDeCoはどうなる?

自己破産すると、それまで積み立ててきたiDeCoはどうなってしまうのでしょうか?本記事では、自己破産するとiDeCoはどうなるのかについての他、iDeCoのメリットについても解説していきます。

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iDeCo(個人型確定拠出年金)とは

iDeCo(イデコ)とは個人型確定拠出年金の通称で、確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金のことをいいます。

長寿国である我が国では、老後の資金計画は重要な課題で、通常の年金に加えた老後資金の構築が必要となります。

iDeCoは、掛金を自分で運用して資産形成をする私的年金で、様々な税制上の優遇措置が用意されています。

毎月掛金を支払って運用し、60歳になったら、一時金として・年金として・一時金と年金の組み合わせによって支払いを受けて、老後資金とすることができます。

自己破産すると確定拠出年金はどうなる?

自己破産をすると掛けているiDeCoはどうなるのでしょうか。

自己破産をすると、差し押さえが禁止されているもの以外については差し押さえられて債権者に配当されるのが基本です。

差し押さえ禁止とされているのは、生活に必要最低限の、住環境や仕事に必要なものや、99万円までの現金などがこれにあたります。

公的年金を受け取る権利については、差し押さえることができるとすると、生活に大きな影響を与えることになるので、差し押さえができません。

しかし、私的年金については、単なる金融資産という評価がされており、差し押さえの対象となります。

ではiDeCoはというと、私的年金ではあるものの、確定拠出年金法32条1項において、差し押さえることができないとされています。

そのため、自己破産をしても原則として受け取ることが可能です。

確定拠出年金法32条1項(受給権の譲渡等の禁止等)

給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。

税金の滞納などがある場合

iDeCoについては、原則として差し押さえをすることができません。

ただし、これには重大な例外があります。

確定拠出年金法32条1項但書は「ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。」としています。

「国税滞納処分」とは、要は税金を滞納した場合の差し押さえをいいます。

この場合には、iDeCoであっても差し押さえが可能となります。

借金があって返済ができなくなっているときには、とにかく税金は払って、借金については早めに自己破産をしてしまうことが望ましいといえます。

自己破産すると財産はどうなる?

ここまでiDecoについてのみお話をしてきましたが、そもそも自己破産をすると財産はどうなるのでしょうか。

自己破産手続きは、基本的には債務者の財産をお金に換えて、債権者に配当をした上で、残った債務について免責をするものです。

ただし、債務者が生活できなくなるような財産の没収を認めるものではないので、生活に必要な財産は持っておくことが可能です。

債権者への配当に回す財産のことを「破産財団に属する財産」と呼び、債務者が自己破産をしても持っておけるものを「自由財産」と呼びます。

破産財団に属すると判断された場合、裁判所から選任される破産管財人に引き渡す必要があるので、そのまま持っておくことはできなくなります。

なお、住宅ローンが払えなくなったときの住宅・ローンで買った自動車・クレジットカードで買ったブランド品や貴金属といったものについては、支払えなくなった場合に債権者が売却をしてしまえる担保権(例:不動産の場合は担保権の1種である抵当権)が付けられる場合が多いです。

これらの財産は返済が滞ったときに担保権者である債権者に引き揚げられることになります。

iDeCoを始めるメリット

iDeCoを利用する場合にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

特に、個人事業主などが利用するメリットがあるかについても考えてみましょう。

iDeCoは経営者・個人事業主の破産対策に最適

起業をする、すでに起業されている会社に役員として参画などする場合には、どうしても会社がうまくいかなくなることを考えて置かなければなりません。

会社がうまくいかなくなった際には、会社が借金をするにあたって代表者個人が連帯保証人となります。

そのまま会社の業績が悪化すると、個人で会社が負うべき分の借金を負うことになります。

これを任意整理や個人再生で支払える方はそう多くありません。そのため多くのケースで自己破産をすることになります。

iDeCoを掛けていれば自己破産をしたとしても税金の滞納がなければ差し押さえられないので、経営者・個人事業主にぴったりの資産形成方法といえます。

iDeCoは老後資金としても安心

iDeCo本来の目的である老後資金をつくることができるというメリットは大きいです。

昨今は人生100年時代といわれ、65際を過ぎてから何十年も生活していく必要があります。

その生活にあたって、公的年金の給付だけでは不十分であることが多く、多くの人が退職金や貯金など、老後の蓄えを公的年金とは別に行う必要があります。

iDeCoは、この老後資産をつくるのに適した制度といえます。

経営者・個人事業主以外でも、病気や怪我で働けなくなったときに備えて検討しておくことをお勧めします。

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天野弁護士からのメッセージ

iDeCoは税制上の優遇措置などメリットが多いです。民間保険会社と年金保険契約をする前に、検討されてはいかがでしょうか。

まとめ

このページでは、自己破産をするとiDeCoはどうなるのかについてを中心にお伝えしました。

自己破産手続きをすると、生活に必要最低限の資産を除いては、お金に換えられて債権者に配当がされます。

私的年金は配当の対象になるのが基本ですが、iDeCoは法律によって特別に差し押さえが禁止されることになっています。

ただ、税金の滞納に対しては差し押さえ対象となります。

年金だけでは足りない老後資産の構築をするにあたって、安全性の高いものといえるので、是非利用を検討してみましょう。

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