離婚の切り出し方に迷う…円満に解決したいあなたへ
「離婚したい。」そう決意した後に悩むのは、「離婚の切り出し方」、そして「タイミング」ですよね。どうすればスムーズに離婚を実現できるのでしょうか?今回は離婚を切り出すタイミングと上手な切り出し方をまとめました。
「離婚したいけど、相手が応じてくれるかわからない」
「できるだけこちらに有利な条件で離婚したい」
「親権は自分に欲しい」
そんなお悩みをお持ちの方は、弁護士に相談することでさまざまなメリットがあります。
弁護士に相談・依頼するメリット
・そもそも離婚が認められるかや離婚の条件などのアドバイスをもらえる
・養育費や慰謝料など、自分にとって有利な条件で離婚できる
・相手との交渉を代理で行ってくれる
・離婚に必要な書類を不備なく作成できる
・精神面のサポートもしてくれる
カケコムでは、あなたにあった弁護士を見つけるサービスを提供しています。
離婚を切り出すと良いタイミング
離婚の切り出し方で大切なのはタイミングです。
例えば喧嘩の最中は互いに感情的になっているので離婚話をすすめるタイミングとしては最悪です。感情が高ぶって「離婚だ!」と言いたくなることもあるとは思いますが、その後の条件を決める話し合いが上手くいかないことは目に見えていますのでやめましょう。
夫の退職が近い場合は気をつけて
夫の定年退職のタイミングで離婚しようと考える人も多いでしょう。ですが、離婚を進めるのであれば”退職後”よりも”退職前”の方が、財産分与で妻側にメリットがあります。
退職金は支払われる前であってももらえる見込みがあれば財産分与の対象となりますが、退職後では生活費として目減りしていってしまうためです。
不貞を理由に切り出すなら証拠を集めてから
不貞行為を理由に離婚をしたい場合は、証拠が集まった時点で離婚を切り出しましょう。裁判所での離婚が認められやすくなることはもちろん、慰謝料の請求もできる可能性があります。
まだ尻尾が掴めていない状況で離婚を切り出すことで、相手方が警戒して不貞の証拠が掴めなくなり、不貞慰謝料がもらえないなど不利な結果になるリスクがあります。
長期間の別居があると離婚しやすくなる
長期間の別居があり、その最中に一度も連絡を取り合っていない場合等は、裁判所によって夫婦関係が破綻していると判断されます。そのため、長期の別居があれば裁判まで離婚話が長引いても最終的には離婚できる可能性が高いです。
そのため、長期間の別居があり、離婚したいという思いがあるなら、離婚話を切り出してみても良いでしょう。
子供がネックで離婚を切り出しづらい時は
離婚を切り出したいと思っても、未成熟の子供がいる場合には、「今離婚してしまうと子供に精神的ダメージを与えてしまうのではないか?」「離婚後の養育費や養育環境等の現実的な問題を解決できるのか」等のお悩みが出てくることかと思います。
子どもの成長に合わせて離婚を進めよう
子どもの成長速度はその子どもによって異なるため「子どもが何歳になるまでは離婚しない方がいい」と断言することは難しいです。個々の子供の性格や置かれている状況を踏まえることが大切となります。
実際に離婚をするタイミングはもちろん、離婚のための話し合いの内容を子どもとどの程度共有するのかという点についても考える必要があります。
子供が傷つくから離婚しない、離婚しようとしていることを隠す、というだけでなく、成長した子供がどう受け入れるのかを見極めながら離婚の準備を進めましょう。
また、子供の成人や学校卒業など、離婚するタイミングについても子供の成長を踏まえて話し合いましょう。
【関連記事】子供が成人するまで離婚しない方が良い?熟年離婚のメリット・デメリット
上手な離婚の切り出し方・気をつけること
離婚を切り出すタイミングを考えたところで、次に大切なのは離婚の切り出し方です。出来るだけ後々のトラブルに発展しないように下記のポイントを押さえて切り出しましょう。
感情的にならず、淡々と伝える
離婚の切り出し方で大切なのは相手の悪い部分をまくし立てるのではなく、冷静に淡々と「なぜ離婚したいのか」を伝えることです。なぜなら、事実を伝えることで、離婚というゴールに行き着くのを早めることができるからです。
例えば、感情的に「あなたのことが嫌いになったし、一緒に居てもしょうがないから離婚しよう」と伝える場合と、「あなたが家庭に無関心だから離婚しましょう。なぜなら家事はすべて自分任せだし、子供の世話を一度も代わってくれたことはなかったよね?夫婦である必要がないと思うんだけど、どう思う?」と事実から主張を整然と伝える場合、どちらのほうが納得しやすいでしょうか。
もちろん、どちらも反論が可能です。ただし、感情論の場合は単に「罵り合い」に発展するだけの場合が多く、互いの人格否定の応酬に陥り、問題解決から遠のきます。これに対し、事実は「実際に夫婦間に発生した問題」に関する議論に持ち込むことができ、”いかにお互いが夫婦として合っていないか”という議論が可能です。
相手に流されないことも大切
事前に話す内容や提示する条件を決めておいても、夫がその通りに話を受け入れてくれるとは限りません。逆に、相手側から思いも寄らない提案をされ、そのまま流されてしまうという可能性も大いにありえます。
話し合いに際しては、予期せぬ提案をされる心構えをしておき、相手に流されてしまわないよう意識しましょう。
1日で決着しようとしない
離婚の切り出し方で重要なポイントとして、短期決着を期待しすぎない、ということが挙げられます。もし離婚を切り出した時に話し合いに応じてくれないようであれば、また別の機会で話し合いの時間を設けましょう。
離婚話は相手にとってまさに「寝耳に水」という可能性もあります。そうでなくても離婚は簡単に決められる問題ではありません。自分が悩んでいるときに、「早く早く」と急かされると、余計に思考力が低下して結論まで時間がかかる、といった経験はありませんか。離婚も同様です、早くしたいからこそ、相手に考える時間をあげるようにしましょう。
ひとまず切り出したら、お互いが冷静になるためにも、途中で話を区切って改めて話し合いを重ねる、ということをおすすめします。
伝える手段を適切に選ぶ
離婚を切り出すというと、自宅で顔を合わせて直接話をするイメージが強いですが、必ずしも口頭だけに手段を限る必要はありません。
相手と顔を合わせるとうまく話せないのであれば、LINEやメールといった電子メッセージを利用するのも有効です。文章でのやり取りなら相手の発言を見返しやすいので、口頭だと相手のペースに流されてしまいそうな人も、冷静さを失わずに進められます。
また、直接伝えるのが難しい場合には、どちらかの親族や友人に中立的な立場として間に入ってもらい代わりに伝えてもらうのもいいでしょう。
弁護士を活用する
離婚の切り出し方として弁護士に相談・依頼をすることで、離婚に対する本気度が相手に伝わります。
また相手と会いたくない場合にもぜひ活用されることをおすすめいたします。例えば、夫のDVやモラハラがあったり、原因はさておき顔も見たくない状況でも、弁護士を通じて話をしてもらえば相手に会うことなく離婚交渉を進めることも可能です。
弁護士に頼んだ場合、弁護士がいる時点で第三者目線が入るので、交渉が感情的になって長期化するのを防ぐこともできます。また、弁護士は専門知識だけでなく、交渉に関する経験も普通の人に比べて豊富なので、夫婦だけで交渉するよりもスムーズに離婚が実現する可能性が高まります。
一人での交渉が不安であったり、相手と会いたくない理由がある場合は弁護士に相談して、交渉を代理してもらうべき状況かどうかも含めて検討してもらいましょう。
離婚を切り出す時に役立つ例文
離婚をどう切り出すべきか迷っている方のために、参考にしてもらえるような離婚の切り出し方を紹介します。
離婚したい理由を正確に伝える
「ここ数年は毎日喧嘩ばかりで、この先一緒に生活していく自信がありません。離婚したいと思っています」
「子育てに協力してほしいって何度言っても何も変わらないから、正直しんどい。離婚するのが一番いいんじゃないかと思ってる」
「価値観の違いがストレスで、結婚生活が苦痛になってる。新しい生活に向けて、お互い協力して離婚を進めていきたい」
相手の意見を聞く意思があることを伝える
「ずっと考えてきたけど、やっぱり離婚するのが家族のためだと思う。もちろんあなたの意見も聞いて、今後のことをきちんと話し合いたい」
「離婚した方が二人のためになると思っていますが、ひとりでは決めかねています。あなたが結婚生活についてどう思っているのか聞かせてもらえない?」
提案の形で伝える
「子供も大きくなったし、私たちの将来についても改めて考えていい時期だと思ってるんだけどどう?別々の道を歩んでいくという可能性もあるんじゃないかな」
「別居を始めてからもう2年が経つけど。今後関係が変わらないのであれば離婚という選択肢もあると思っています」
離婚というワードは出さずに話し合いの場を設ける(メール・LINEなど)
「今後の生活について大切な話をしたいと思っています。家以外の場所で話し合いのできる時間をつくってもらえませんか?」
離婚を切り出しづらい場合はどうすれば良い?
「離婚を切り出したいけれど、気が弱くて直接は切り出せない…」といった場合は、どうすれば良いのでしょうか?
伝えたいことを紙に書いてそれを元に離婚話をする
もし離婚話を切り出しづらかったり、離婚話をするとなっても頭の中が混乱してしまいうまく話せなさそう…といった場合は、伝えたいことをまずは紙にまとめて、どのような順序で何を話すのかを決めましょう。
その紙を見ながら伝えるのも良いと思いますし、可能であれば相手により自分の強い決意が伝わるよう、ある程度話す内容を覚えておき、話すべきことを忘れてしまったら紙を見つつ話す、という手段もあります。
ご自身に合った方法で、ぜひ勇気を出して伝えてみてください。
手紙で伝える・メールやLINEで伝える
離婚話を切り出す勇気が出ない場合には、手紙を書いてそれを渡すことで伝えたり、メールやLINEで文章化して、何度か添削してから送信して伝えるという方法を取ることも可能です。
結局、直接面と向かって離婚話をすることにはなるかもしれませんが、その際には相手もその心づもりで話をしてくれるので、事前にLINE等で話を切り出しておくことは非常に意味があることでしょう。
弁護士に代理で伝えてもらう
弁護士に代理で配偶者に対して離婚話を伝えてもらうというのも、一つの手段です。
この場合、弁護士費用をネックに感じてしまうこともあるかと思いますが、今後ストレスを減らして平穏に自由に生きていけることなどを考えれば、安いものかもしれません。
もし弁護士費用に不安がある方は、弁護士へ相談をする際に見積もりを無料で出してもらうのが良いでしょう。
仮に離婚理由が相手の不倫やDV等の、あなたに精神的苦痛を与えるものであった場合等は、慰謝料を獲得できる可能性も大いにあります。
その際には、弁護士費用を差し引いてもプラスになる可能性が非常に高いため、その点も考慮しつつ、ぜひ検討してみてください。
離婚を切り出す準備
離婚話は、「離婚したい」という感情から始まる話ではありますが、感情的になってはいけません。感情が先行すると「細かい話は後で考えよう」「とにかく離婚できるならなんでもいい」という気持ちから長期的なリスクに目が行き届かないことも考えられます。まずは離婚に向けた準備を通じて心を落ち着けていきましょう。
離婚を切り出す前にやるべきことは以下の3つです。
- 離婚後の生活設計
- 確実に離婚できるか確認
- 相手の不倫が原因なら証拠収集
一つずつ解説していきます。
離婚後の生活設計
まずは生活の支出を確認しましょう。夫婦ふたりで生活していると、相手が支払っているために忘れていた費用があるかもしれません。例えばご自身の保険料は夫の口座から引き落とされていて、今の保険料がわからない、という状況はないでしょうか?また、税金の支払いなどもご自分の分はきちんと把握されていますでしょうか?
何が言いたいかというと、じつは、嫌いになってしまっていても夫婦は経済的に助け合っていることが少なくない、ということです。例えば、先に挙げた税金や保険料の支払い、住宅ローンや家賃、食費や衣服代などです。
気持ちが先行して離婚後の生活をきちんと設計しておらず、後で離婚相手に助けを求める、なんてことになったら本末転倒です。離婚後にしっかり自立した生活を送れるよう、専業主婦の方であればまずは仕事を見つける、実家に戻れないか・援助してもらえないか相談する、収入と支出から逆算した家賃の家に住む、という準備をしていきましょう。
もし生活設計にすこしでも不安があれば、ファイナンシャルプランナーや、離婚問題に強い弁護士に話を聞いてもらうのも一つの手です。離婚後に辛い状況に陥らないように準備は入念に行いましょう。
確実に離婚できるか確認
離婚が成立する方法には大きく分けると3種類あります。1つ目は夫婦同士が合意して離婚する協議離婚、2つ目は家庭裁判所で調停委員という方に仲裁してもらう調停離婚、最後は裁判官に決定してもらう裁判離婚です。
日本の離婚の約9割が1つ目の夫婦同士が合意する離婚を行っています。ですが、あくまで「合意できた場合」に限られます。もし相手が離婚について納得しない場合は、調停や裁判に進むことになります。その場合、法律上の離婚原因があるかないかで離婚できるかどうかは左右されます。
なので、夫も離婚を受け入れてくれそうか、もしそうでないなら次の調停や裁判でも離婚が実現できそうか、考えてみましょう。法律で離婚が認められる理由についてはコチラの記事でも解説していますので、気になる方は参考にしてみてください。実際に調停や裁判までいかないとしても、法律上の離婚原因が存在すれば相手も承諾しやすくなるでしょう。
相手の不倫が原因なら証拠収集しましょう
離婚したい理由が夫の不倫の場合、離婚時に慰謝料を請求できる可能性が高いです。ただしそれには証拠が必要です。また、不倫は法律でも離婚が認められる理由に挙がっていますので、その意味でもきちんと証明できるようにしておくべきです。
不倫が伺える内容のLINEのやりとりであったり、不貞相手とラブホテルに入っていく写真、夫が自白した際の録音などが不倫の証拠としてあがります。証拠は複数あったほうが第三者から認められやすいので、なるべく多く集めるようにしてください。当然コストはかかりますが、調査の依頼なども選択肢に入るでしょう。
離婚を切り出した後の流れ
離婚を切り出すタイミングや切り出し方に気を付けていても、離婚に応じてくれなかったり揉めてしまうこともあります。そうなった時の対処法をお伝えします。
離婚を切り出したけど流されたら
唐突な離婚話で、パートナーがまったく離婚を予想していなかった場合、離婚の話を本気に捉えてくれないかもしれません。もしくは、軽く受け流されてしまう可能性もあります。
弁護士に依頼することで、本気で離婚を考えていることが伝わり、話し合いに応じてくれるケースも実は少なくないのです。
話し合いでまとまらなければ調停や裁判に
当事者同士の話し合いで決着がつかなければ、調停や裁判に移行することが出来ます。調停は家庭裁判所で調停委員という第三者を交えて話し合いが行われます。双方の主張を聞いた上で解決策を提示してくれます。もし調停でも夫婦の考えが一致しない場合、離婚裁判を起こすことになります。
調停や裁判の場合、「なぜ離婚するべきと言えるのか」を法律に照らし合わせて主張していく必要があります。当然ですが、それには専門的な知識が必要になりますし、彼らの心象も少なからず離婚交渉の結果に影響します。なので、早い段階から弁護士に相談をして、きちんと法律に照らして主張しているという印象を持ってもらい、自分に流れを引き寄せるようにしましょう。
離婚をするメリット・デメリットも改めて考えてみましょう
離婚には精神的に楽になれる等のメリットがある一方で、子供の親権や養育費はどうするのか?経済的に離婚後も生活していくことができるのか?等の不安も大きいと思います。
離婚を切り出す前に、まずはこのような離婚のメリット・デメリットをしっかり知り、納得した上で行動するようにしましょう。
【関連記事】離婚はしないほうが良い?|離婚のメリット・デメリット
離婚話をそもそも切り出すのか迷ったらどう考えるべき?
「そもそも離婚すべきなのか」「離婚後の生活が経済的に不安だ…」と思い、離婚を迷う方もいらっしゃるでしょう。
そのように離婚を迷っているけれど、勇気を出して離婚をしたいといった場合には、下記の記事を参考にされるのがおすすめです。勇気を出す方法が11も掲載されています。
【関連記事】離婚する勇気が出ない9つの原因と勇気を出す11の方法を弁護士が解説
離婚が決定したらしっかりと離婚準備をしましょう
離婚が決定したら、離婚後の生活のために様々なことを準備しておく必要があります。
下記の記事では、離婚後にやることリストを弁護士がわかりやすく解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
離婚をスムーズに実現するために、切り出し方とそのタイミングについて解説してきました。何度かお伝えしてきたように、離婚は感情が原因となって発生する問題でありながら、その実現のためには感情的になってはいけない、ということです。
しかしいくら大切であるとはいえ、これは簡単にできることではありません。「相手の顔もみたくない」「生理的に受け付けない」というように、一度嫌いになってしまった相手と冷静に交渉をする、というのはかなり精神を消耗することだからです。
少しでも不安なことや、いまの自分の状況で離婚が実現できるのか悩んでいるのであれば、一度弁護士に相談されることをおすすめいたします。