子連れ再婚後の離婚で気を付けるべきこととは?親権や養育費について解説
連れ子再婚したものの再び離婚してしまった場合、親権や養育費などはどうなるのでしょうか。連れ子再婚をした後、やむを得ず離婚する場合の手続き等について、分かりやすくご紹介します。
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子連れ再婚して離婚した場合の子供との関係は?
子連れ再婚後に離婚する場合、子供との法的関係はどうなるのでしょうか。
子連れ再婚では養子縁組がなされていることが少なくありません。親子関係は養子縁組の有無によっても変わってきますので、要注意です。
子連れ再婚後に養子縁組をしていない場合
子連れ再婚後に再婚相手と子供が養子縁組をしていない場合、元々親権者だった方がそのまま親権をもつことになります。
これは、再婚期間中も実親の単独親権だったわけですから、ある種当然のことです。再婚後離婚しても、子供を連れてきた親の単独親権が継続するだけです。
ただしこの場合、相手に子供の養育費を請求することはできません。養子縁組をしていない以上、再婚相手と連れ子には法律上の親子関係がないので、扶養義務もないのです。
子連れ再婚後に養子縁組をしていた場合
子連れ再婚後に再婚相手と連れ子が養子縁組をしていた場合、離婚する際はどちらが親権者になるのか決めなければなりません。これは民法818条2項により、連れ子と再婚相手が養子縁組をする場合、再婚相手と子を連れてきた親の双方が共同親権者となるからです。ですから、初めての離婚の場合と同様に、親権者を協議で決める必要があります。民法818条2項(親権者)
子が養子であるときは、養親の親権に服する。
またこの場合、再婚相手と連れ子が離縁をしない限り、再婚相手と子供に法律上の親子関係があるので、ご自身が親権者となった場合は、再婚相手に養育費の請求が可能です。
養子縁組を解消した場合
離婚前に養子縁組を解消している場合、離婚時に親権者を決める必要はありません。この場合、子供を連れてきた実親がそのまま親権者となるためです。
このように、離婚をする前に子供との養子縁組を解消しておくと、親権争いにならずに済むため、先に養子縁組の解消手続きをする人も中にはいます。
一般的に、子連れ再婚・養子縁組して離婚する場合には、養子縁組を解消するケースが多いです。養親子と言っても再婚する前は赤の他人同士ですから、離婚後も親子関係を続けるのは不自然だからです。中には、養子に対して性的な執着があって離縁に応じないというケースもまれにありますが、子供の福祉という観点からは言語道断と言うべきでしょう。
連れ子との養子縁組解消方法とは
子連れ再婚をし離婚する場合、連れ子との養子縁組を解消したいという方もいらっしゃるでしょう。ここからはその方法をご紹介します。
連れ子との養子縁組解消方法(1) 協議離縁
協議離縁とは、養子と養親間の話し合いで養子縁組の解消を行うことです。養子が15歳未満であれば、離縁後親権者となる実親と養親とで協議することになります(民法811条2項)。
民法811条2項(協議上の離縁等)
養子が十五歳未満であるときは、その離縁は、養親と養子の離縁後にその法定代理人となるべき者との協議でこれをする。
養子縁組の解消にお互い合意できたら、協議離婚届を作成し役所に届ければ、手続きは完了です。
連れ子との養子縁組解消方法(2) 調停離縁
離縁をする際に養子と親権者の間できちんとした話し合いをできない場合、もしくは話し合いが進まない場合は、家庭裁判所の調停手続きを利用することができます。その際、養子が15歳未満ならば法定代理人が離縁調停の申立てを行います。両者が養子縁組の解消に納得できたら調停成立です。
調停が成立すると、調停調書が作成されますので、その謄本を家庭裁判所に申請して取得し、役所に離縁届と調停調書の謄本を提出すれば、離縁手続きは完了です。なお、離縁届の提出は、調停成立後10日以内にしなければなりませんので、注意しましょう。
調停離縁のメリットとしては、調停委員という第三者を介して話ができること、つまり養親と養子が同席ではなく別席で話を進めることができます。裁判より費用が安く済むこともメリットのひとつです。
連れ子との養子縁組解消方法(3) 裁判離縁
調停をした結果話がまとまらない場合は、離縁裁判を行います。
調停離縁は自分たちで合意できる妥協点を探っていくのですが、裁判離縁では最終的に裁判官に結論を決めてもらうことになります。 ただし、判決が出る前に相手が離縁の要求を認めたり(認諾離縁)、和解して離縁が成立する(和解離縁)こともあります。
また、訴訟を起こす場合は、法律上下記にある離縁事由が必要になります(民法814条1項)。
民法814条1項(裁判上の離縁)
縁組の当事者の一方は、次に掲げる場合に限り、離縁の訴えを提起することができる。
- 他の一方から悪意で遺棄されたとき。
- 他の一方の生死が三年以上明らかでないとき。
- その他縁組を継続し難い重大な事由があるとき。
裁判で離縁が認められると判決書が自宅に送られ、そのまま2週間経過すると判決が確定しますので、裁判所に申請して確定証明書を取得しましょう。その後役場で判決書と確定証明書、離縁届を提出したら、手続き完了です。
子連れ再婚後に離婚したら、養育費はもらえる?
子連れ再婚後に離婚する場合、気になるのは養育費ですよね。子供の養育費は一体どうなるのでしょうか。
扶養義務があるのは養親と実父(母)
連れ子と再婚相手が養子縁組している場合、扶養義務は第一次的に養親(再婚相手)が負います。そのため養親への養育費請求が可能です。
しかし、一般的には離婚と離縁は一緒に行われることが多いです。連れ子と再婚相手が離縁した場合は、法的に親子関係が解消されますから、子供の扶養義務もなくなります。そのような場合は、実父(母)に養育費支払い義務がありますので、実父(母)への養育費請求(すでにもらっている場合は増額)を検討しましょう。
子連れ再婚後の離婚で親権・養育費にお困りなら弁護士へ相談を
子連れ再婚後に離婚する場合、親権や養育費に関してお困りなら弁護士に相談をするのが一番です。自分一人で悩まず、専門家の力を借りましょう。
弁護士の仕事は裁判だけではありません
弁護士の仕事は、何も裁判だけではありません。養育費の請求交渉などを行うのも弁護士の仕事です。
特に離婚後の養育費に関する取り決めは、お互いに冷静な判断ができなくなっているケースが多いです。離婚問題に強い弁護士を間に立てて話を進めれば、よりスムーズな解決が見込めます。
また、養育費の取り決めは今後の生活に関わる大切なことですので、言った言わないの争いを避けるためにきちんとした書面に残しておくことが必要不可欠です。できれば養育費の支払いが滞った場合に備え、迅速に強制執行(給料の差し押さえ等)できる「強制執行認諾文言付き公正証書」に取り決めをまとめておくと安心です。法律の専門家である弁護士に依頼すれば、このような書類作成も安心して任せられます。
後でトラブルになってからでは遅い?早めの相談が鍵 !
親権や養育費の取り決めは、協議で決着がつかなければ調停と裁判で問題を解決していくことになります。しかし、調停で自分の意見を調停委員に分かりやすくに伝えたり、自分が有利な立場で調停を進めるためには、法律の専門知識が必要です。
裁判になってから弁護士を探すのと、協議や調停の時点で弁護士に相談しているのでは、後者の方がより有利な結果で問題を解決することができる場合が多くあるのです。
後になって後悔しないためにも、なるべく早い段階からの離婚問題に強い弁護士への相談をおすすめします。