話し合いができない夫の心理や話し合いのポイントを解説
夫婦生活を続けていると、お互いの意見の食い違いから衝突したり不測の事態に遭遇することもあるでしょう。それにもかかわらず、夫と話し合いすらできないという問題が、離婚に発展する大きな原因になり得ます。
この記事では、話し合いができない夫が何を思っているのか、その心理を理解し話し合いのコツやポイント、話し合いができないときに試して欲しい方法などについて解説します。
話し合いができない夫に悩む妻は多い?
話し合いができない夫にも様々なタイプがいます。
どのタイプでも、話し合いができないという結果は同じですが、タイプ別に見ることで解決の糸口が見えてくるかもしれません。
逃げたり誤魔化したりして向き合わないタイプ
「話があるんだけれど」と妻が切り出すと、「風呂にはいるから後にしてくれ」「今日は疲れているから明日にしてくれ」などと、すぐに言い訳をして逃げ出してしまう夫。
このようなタイプの夫は、話題を変えて問題から逃げようとしていることが多くあります。何か触れられてはいけない、後ろめたい問題を抱えている可能性もあるでしょう。
黙り込んで意見交換ができないタイプ
こちらが話を始めると、決まって黙り込んでしまうタイプの夫。
普段から無口なので、その沈黙がただ単にコミュニケーションをとるのが苦手なのか、めんどくさいと思っていることも多いでしょう。
あるいは、無言という抗議であるのか、もしかしたら、話し合うほどの問題ではないと考えているのかもしれません。
感情的になり怒り出すタイプ
話し合いを始めると、決まって感情的になり怒り出す、怒鳴る、キレるタイプの夫。
一見、横暴にも見えますが、実はこのタイプの男性は小心者が多いことも。また、プライドが高い人にもこういったタイプが多いでしょう。
妻の指摘が自分への非難であると受け取り、怒りをあらわにすることで自分自身を防御している可能性もあるでしょう。
話し合いができない夫は何を考えている?その心理について
話し合いができないことには、通常は何らかの原因があるはずです。その原因さえ理解すれば、話し合いを始めることもできるでしょう。
ここでは、話し合いができない夫は何を思っているのか、その心理について見ていきます。
意見の交換をするのが苦手である
女性に比べて無口な男性は多くいます。
女性にとって、なんでも心の中で思っていることを明け透けに話せるのが仲のよい証拠と思う人も多いでしょう。
しかし、男性は感情を露骨に表したり、思っていることを明け透けに話すことが苦手と思う人も多くいます。口で言うより行動で示す、と思う男性もいるでしょう。
妻からの話は攻撃だと思い込んでいる
話し合いができない夫には、妻からの話は自分に対する不平不満であり、攻撃でしかない、と決めつけている人も多くいます。
「ちょっと、どうするの?」「なんでしてくれないの?」「この前いったでしょ?」
このような発言をしていませんか?
毎回、話し合いが始まるたびに、こうした言葉を投げつけられていると、自然と話し合いの場から離れてしまうことになるかもしれません。
妻の意見を聞こうと思っていない
そもそも妻の意見を聞こうと思っていない夫も存在します。
このようなタイプの夫は、妻を話し合いの相手と認識していないため、何を言っても会話が成り立ちません。
妻は夫の後ろを黙ってついてくるもの、と昭和の亭主関白な風習が身について育った人には、妻が自分に意見すること自体、あってはならない、と思っています。
夫婦喧嘩をしたくない
会社では企業戦士として働き、家に帰ってまで妻と話し合いなどしたくない。家庭はあくまでも安らぎの場であって、癒しを得たい。
このように思っている夫は、話し合い=夫婦喧嘩と捉え、夫婦喧嘩をしたくないがために話し合いをしないという考えを持っています。
冷静な状態ではなく感情が先に出ている
話し合いを始めようとすると、すぐに怒り出し冷静な状態ではいられなくなる夫もいます。
このようなタイプの夫は、常日頃からストレスを抱えており、話し合いの場をストレス発散の場に切り替えようとします。感情を爆発させることで、自分自身をコントロールしているのです。
夫と話し合いをする際に押さえておきたいポイント
話し合いができない夫であっても、家庭生活の中には話し合って決めなければならない問題もあります。
あなたが本気で話し合いをしたいのであれば、いつもの日常の中での会話としてではなく、その重要度をきちんと夫に伝えなければなりません。
話し合いのできない夫と話し合いをするためのポイントを紹介します。
事前に話し合いのテーマや時間を確認しておく
重要なことを話し合いたい場合には、いつ、どのような話をしたいのか、話し合いのテーマを事前に夫に伝えることが重要です。
「〇月〇日何時から、子どもの進路のことで話し合いたい」「来週の日曜日の夕方、義理のお母さんの施設入所のことで話し合いをしたい」
と、話し合いのテーマと時間を具体的に夫に伝えましょう。
夫のほうでも、それまでの間にテーマに対する解決策を考えてくれるかもしれません。
伝達手段や場所を変える
話のできない夫と話をするためには、話す方法や場所を変えてみることをおすすめします。
特に、自宅以外の場所で子どもや義理の両親のいない2人になれる場所なら、会話中に邪魔されずに会話がしやすくなります。
日常の中での会話ではなく、2人のために特別な時間を過ごすことも大切です。ゆっくりとくつろぎながら会話をしたいのであれば、2人で食事に出かけるのがよいでしょう。
雰囲気の良いレストランでゆっくりと食事をするだけでも、心は落ち着くものです。あなたが落ち着いて話せば、相手も落ち着いて話を聞いてくれるようになるでしょう。
話し合いの答えを出す期限を決める
話し合いをしなければならない問題には、期限までに決めなければならない、というものも多いでしょう。
例えば、受験を控えた子どもの問題、あなたの転職や再就職の問題、親族の介護問題など、日常生活の中では、解決策を決めなければならない問題が日々出てきます。
こうした場合には、事前に話し合う内容や日時、いつまでに答えを出さなければならない、と答えを出す期限を決めて、夫に伝えるようにしましょう。
重要な問題であることを、そもそもわかっていない夫も多くいるのが現状です。
話し合いのゴールを決める
話し合いができない夫と話をするためには、なんについての話し合いであるのか、どこをめざすのか、予め話し合いのゴールを決めておくことが重要です。
金銭がかかる問題や家族の将来にかかわるような問題であっても、話の切り出し方によっては、全く違った方向に話し合いが進んでしまうことも多々あります。
話し合いの目的を最初に言わないと、夫もなんの話し合いなのかわからずにイライラするばかりです。話し合いの目的とゴールを自分で認識しておくだけでも、会話の方向性は変わってきます。
否定せず意見交換の場とする
話し合いができない夫と話をするためには、まずは相手の意見を否定せずに話が終わるまで聞いてみることが大切です。
話を切り出したところで、「そうじゃない」「違う」「でも」「だって」と始めてしまうと相手もこれ以上話を続けても無駄と思うでしょう。
まずは、相手の話に耳を傾けてみる。最後まで話を聞いてみる。そして、あなたの意見を言う、という会話の基本的なルールに従っているのか、確認してみましょう。話し合いがスムーズに進むかもしれません。
感情的にならないよう気をつける
男性のみならず、女性でも話し合いがエスカレートしてくると、どうしても感情的になってしまうものです。ましてや、話し合いができない夫と話をするだけでも一苦労です。
しかし、話し合いのできない夫と話し合いをしたいのであれば、できるだけ感情的にならずに冷静に話を進めるように努めてみることも大切です。
感情的にならずに冷静に話をするための方法として、客観的に物事を考えることを習慣にすることをおすすめします。
あなたがどうしたいか、だけではなく、夫はどうしたいのかを客観的に見ることにより、感情をコントロールしやすく、落ち着いた対応ができるようになります。
【ケース別】夫婦間でよくある話題ごとに話し合いのコツを紹介
ここでは、よくある夫婦間で話し合う必要のある話題について、具体例をあげながら話し合いのコツを解説します。
子供のことについて
子どもの問題や進路については、夫婦間で最も話し合う必要のある内容の1つです。
子どもが学校で問題を起こしたり、不登校やひきこもりになったりすることもあるでしょう。自分一人の子どもではないはずなのに、子どもの話になると妻に任せきりにする夫も多くいます。
また、子どもの進路についても、仕事を理由に子どもの希望や受験情報など全く興味を示さない夫も中にはいます。
子どもの問題については、どのようなことが問題になっているのか、できるだけ具体的な事実のみを夫に伝え、話し合いが必要であることを伝えることが重要です。
また、子どもの進路に関しては、まずは子どもと話し合い、ある程度の希望する将来、学力、通学時間、学費などをまとめて候補先を先に決めておくことも有効です。
子どもの受験情報をまとめて事前に夫に伝えることで、受験の可否の返答をするだけでも、話し合いのきっかけになります。反対するような場合には、なぜ反対するのか、理由をきくだけでも話し合いができるようになるでしょう。
夫の両親や家庭について
義理の両親や親族の問題に頭を悩ませる妻は、非常に多くいます。特に、話し合いができない夫であれば、なおさら、その両親や親族の問題をどう話してよいのか、路頭に迷ってしまいます。
こうした夫の親族とのトラブルの多くは、距離が近いことから起きてしまいます。中でも、夫の親族と同居している妻は、そのことが原因で離婚に発展するケースもあります。
まずは、同居、別居を問わず、できる限り距離をおく方法を考えてみましょう。物理的な距離感だけではなく、精神的な距離感をとることも必要です。
例えば、家にはいないようにする、自分の好きな習い事を始める、夫婦間のことを話さない、など、たとえ夫の親族に非難されても、具体的に距離を置く方法を考えて実践することが重要です。
考えがまとまったときに、夫に話してみましょう。反対する場合は、なぜ反対なのか、理由を聞くところから話し合いが始まります。
夫に直してもらいたいことについて
夫に直してもらいたいことを伝えるには、やはり、夫の何が問題なのか、あなたがどのように困っているのか、辛いのかを、具体的に伝えることが大切です。
例えば、「子育てに協力してくれない」「義理の両親の介護をしてくれない」「家事をしてくれない」では、夫のほうでも何をしてよいのか、わからないかもしれません。
特に、夫の行動を直してほしい、と直接伝えても、お前だって!と、思ってしまうかもしれません。夫の行動や性格を非難しても、水掛け論で終わってしまうでしょう。
もしも、「子どもを週に1回でもお風呂に入れてくれると助かる」「お義母さんを週末に施設に送迎してくれるだけでも嬉しい」「洗濯物は洗濯機に入れてくれるだけでも手間が省ける」など、何をどうすれば状況が改善されるのか、具体的に伝えることが大切です。
夫の不貞行為について
夫の浮気や不倫が疑われるときには、とかく感情的になり、責め立てるように非難してしまうこともあるでしょう。
男女問題は、結婚しているか否かを問わず、相手がどれくらい自分を必要としているのかを知りたい、知って安心したいと思うのが常だからです。
しかし、何よりも重要なのは、相手の気持ちを知って安心するよりも、自分がどうしたいのかを冷静に考え、知ることです。
たとえ、浮気や不倫の疑いがあっても、あなたが夫を必要としているのであれば、そのことを正直に夫に伝えることが大切です。
家族のイベントについて
年末年始に温泉旅行に行く、子どもの誕生会をする、など家族のイベントについてはどうでしょうか?もちろん、夫と話し合って決めたいのですが、夫は全く無関心。
そのような場合には、夫が参加できる範囲内の計画を事前に立ててしまい、予算や人数などを確認するくらいまでに準備してから話をすれば、すんなりと決まってしまうことも多いでしょう。
妻の悩みについて
妻の仕事について、夫と話し合いをしたい場合には、今後あなたの仕事がどれほど家事に影響を与えるのかを事前に計算してから伝えることが重要です。
妻が仕事をすることで、今と同じように家事を続けることができるのか、ということが夫の心配事になってくるからです。
あなたにとって仕事をすることの重要さ、経済的なメリットなどを上手く伝えながら話し合うことが大切です。
夫がどうしても話し合ってくれない時はどうする?
これまでに紹介した方法を試してみても、夫がどうしても話し合ってくれない場合はどうしたらよいのでしょうか?
ここでは、いろいろと試してみたけれど、それでも話し合いができない夫とどう向き合えばよいのか、その打開策について解説します。
発言しないことを責めない
話し合いのできない夫でもどうにか話すように努めてみたけれど、それでも夫が口を開くことはなかった。落胆してしまっても無理はありません。
しかし、だからといって発言をしない夫を責めてみても何も解決しないでしょう。
そのような場合は、思い切って夫に期待せずに無関心になってみることも必要です。自分で自分を追い込んでしまい、話し合いをしなければいけない、と思い込んでしまうほうが悪循環になってしまうからです。まずは、少し距離をとり、自分を落ち着かせてあげることも必要です。
質問を具体的にしてみる
夫が話し合いができないのは、もしかして、話し合う内容がわからないために、話し合いがしたくなかったからかもしれません。
もう一度、曖昧な表現や漠然とした不平不満を言ってないか確認し、質問を具体化してみてください。
言葉で話し合うことができないのであれば、メールやライン、置手紙などで話し合うという方法もあります。用件だけを伝えるだけでも、問題が解決することもあるかもしれません。試してみてください。
相手が納得しないまま終わらせない
話し合いができない夫がようやく聞く耳を持つようになったのに、あなたが最後まできちんと伝えたいことを話すことができなければ、夫婦関係はさらに悪くなるばかりです。
夫が何も納得していないのに、そのまま話を終わらせてしまうことはできるだけ避けるようにしましょう。
どんなことが納得できないのか、なぜ納得できないのか、その理由をきくところから会話がスタートすることも多くあります。
強い言葉を使わないように気をつける
どれだけ頑張ってみても、依然として口を開かない夫に妻のほうがキレてしまうこともあります。泣き出したり、ヒステリックになったり、強い言葉でののしるようなことは極力控えましょう。
話し合いができない夫でも、あなた自身が余裕を持って自分の思うように生活をしていたら、夫のほうから話し合いを提案してくるかもしれません。距離をおいてみると、心にも余裕を持てるでしょう。
離婚の話し合いが進まない時は弁護士に相談を
話し合いのできない夫とどうにか話を進めるように努力してみたものの、どうしても埒が明かない、うまくいかない時には、離婚を考えることもあるでしょう。
離婚を考えるようになったときには、まずは弁護士に相談することをおすすめします。
話し合いのできない夫との解決策は、何も離婚ばかりではありません。夫婦仲を取り持つための調停手続きもあるので、相談してみるとよいでしょう。
離婚するときに話し合うべきこと
離婚を避けられないような事態になれば、子どもがいる場合には、親権、養育費、財産分与、また夫の不貞行為やDVがある場合には慰謝料の請求などについても話し合わなければなりません。
弁護士ができること
まずは、あなたが夫のどういうところに困っていて、どういう解決を望んでいるのか、あなた自身の話を弁護士に話してみましょう。
弁護士に話すことで、気持ちが整理され、客観的に物事をみられるようになります。
それぞれの状況に応じて、弁護士は解決策を提案します。無料で相談を受け付けている法律事務所もあるので、まずは相談することから始めることをおすすめします。
まとめ
夫婦生活を円満に進めるためにも、話し合いは非常に重要です。話し合いをしないことには、様々な家庭の問題を解決することはできないでしょう。
もしも、話し合いができない状態が長く続くようであれば、弁護士に相談してみることをおすすめします。
話し合いができない夫に疲れ果てているあなたが弁護士と話すをするだけでも、様々な気づきを与えてくれることもあります。一人だけで悩まずに、まずは行動することであなたの未来を変えることができるでしょう。