家事をしない妻と離婚できるのか?認められる場合があります!弁護士が解説
【家事をしない妻と離婚したい】という旦那さんもいらっしゃるのではないでしょうか?今回は家事をしない妻との離婚について掘り下げていきましょう。そもそも離婚できるのかや、慰謝料はどうなるのか等について、弁護士が分かりやすく解説します。
「妻がまったく家事をしないため離婚したい」
などのお悩みがある方は、ぜひ一度弁護士への相談をご検討ください。
弁護士に相談することで、下記のようなメリットを得られる可能性があります。
・あなたが抱えている離婚理由で奥さんとの離婚ができそうか判断してくれる。
・離婚のために証拠が必要な場合には、法的に有効な証拠についてアドバイスをくれる。
・相手との交渉を代理で弁護士が行ってくれる。
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家事をしない妻と離婚したい、、そのとき夫が取る行動とは?
家事をしない妻ともう離婚したい…。
家事をするからと結婚後に専業主婦になった妻。しかしいざ結婚したら家事をしない。
また、妻の方が圧倒的に帰宅も早いのに、まったく家事を手伝ってくれない。
それでは家事をしない妻と離婚したいときどうすれば良いのでしょうか?
まずは家事をしないことが離婚理由に該当するか考えてみましょう!
今すぐ家事をしない妻との離婚に踏み切りたい・・・という人はまずは一度離婚問題に強い専門家に”早め”の相談をすることをオススメします。
家事をしない妻と離婚できるの?重度の場合認められる場合があります!
家事をしない妻との離婚は認められる可能性があります。ただしいくつか条件がありますので、基本的なポイントを見ていきましょう。
(1)協議離婚に離婚事由はいりません
離婚をする際、まずは夫婦で話し合うことになります。このとき2人で離婚について合意すればあとは離婚届にサインして提出して離婚が成立します。
なので、どんな理由であっても夫婦で合意さえすれば離婚できることになります。
「あなたが家事をしないから離婚したい」と伝えて、相手が「わかった」と言えば離婚成立です。
しかし実際そんなうまくいかないのが現実でしょう。離婚話を切り出しても相手から「離婚したくない」と言われた場合は、どうすれば良いのでしょうか?
(2)妻が離婚したくないと言ったら
離婚協議でどちらかが離婚に合意しなかった場合、協議離婚は成立しません。つまり妻が離婚したくないと言ったら離婚は成立しないのです。
その場合、次のステップとして家庭裁判所に離婚調停を申し立てることになります。調停でも話がまとまらない場合は離婚裁判を起こすことになります。
離婚裁判で離婚を認めてもらうために必要になるのが、民法770条1項にある離婚事由と呼ばれるものです。
離婚事由には、
- 配偶者の不貞行為があったとき
- 配偶者から悪意で遺棄されたとき
- 配偶者の生死が3年以上不明のとき
- 配偶者が重度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき
- その他婚姻を継続し難い重大な事由が存在するとき
の5つがあり、いずれかに該当しないと裁判所は離婚を認めてくれません。
詳しくは、妻が離婚してくれない場合はどうすればいいの?妻が離婚してくれない理由とケース別の対処法を参考にしてみてください。
それではもし離婚裁判を起こし、妻と離婚しようとしたとき、「家事をしない」ことは離婚事由になるのでしょうか?
(3)「家事をしない」は離婚事由になるのか?
家事をしないことそれ自体が離婚裁判で離婚理由として認められることはありません。
しかし、家事をしないことによって夫婦関係がもはや修復不可能なほど破綻している場合は、民法770条1項5号にある離婚事由の一つである「婚姻を継続し難い重大な事由」として認められる場合があります。
この婚姻を継続し難い重大な事由があるかどうかについては、これまでの夫婦生活全般を見て裁判所が総合的に判断することになります。
例えば、
- 専業主婦であるのに家事を全くしないため夫が怒ったら、妻が実家に帰ってしまい長期間別居状態である
- 掃除をしないせいで夫や子供の健康に著しく悪い影響を与えている
と言うような状況がある場合や証拠がある場合には、婚姻を継続し難い重大な事由があるとして離婚が認められる可能性があります。
反対に、
- いつも晩酌するのを知っているのにビールを冷やしていなかった
- 掃除の仕方が気にくわない
- 料理が口に合わない
と言うような一方的な理由では、離婚は認められにくいと考えられます。
同じようなケースについては、【酒癖が悪い夫に離婚は突きつけられるのか!?】酒癖の悪い夫VS妻の骨肉の争いも参考にしてください。
家事をしない妻との離婚を悩んでいるなら別居をしてみる
家事をしない妻と離婚をしたいと考えているけれど、もしかしたら離婚をして後悔してしまうかもしれないといった場合や、相手に自分の本気度を伝えて反省をしてもらい場合などには、一度別居してみるというのも一つの手です。
別居をすることで、離婚後の生活がシミュレーションできて、離婚しても自分ひとりで生活していけるという自信をつけることができるかもしれませんし、相手があなたの本気度を察して努力して家事をするようになるかもしれません。
しかし、何年にもわたり別居を続け、その間一度も連絡を取っていない場合には、夫婦関係が破綻しているとみなされ、裁判上でも認められる離婚理由となってしまうため、その点は注意しておきましょう。
離婚に向けて別居をしたいという場合には、下記の記事を参考にしてみてください。
家事をしない妻と離婚するときに注意するべきことは?親権や慰謝料はどうなる?
家事をしない妻と離婚するとき、気をつけてほしいことがことがあります!
(1)父親が親権を獲得するのは難しい?
離婚をするときに考えなくてはいけないのが、子供の親権をどうするかです。離婚届には子供の親権者を記載する欄がありますので、20歳未満の子供がいる場合には親権者を決めなければ離婚が成立しません。
親権者を決める際も、離婚の手順と同様に話し合いで決まらなければ調停を申し立て、調停でも決まらなければ、家庭裁判所に白黒はっきり決めてもらうことになります。
家庭裁判所は、これまでの監護状況や生活環境、経済状況などを考慮して、子の福祉の観点から、親権者をどちらにするかを決めます。
そのため、あまりにも家事をしない妻の生活環境がひどく、今までもまったく子供の面倒を見ていない状況があり、子供を引き取るのが適切ではないと判断されれば、父親に親権が認められる可能性は高いでしょう。
しかし、親権者は母親に指定されることが多いです。そのため、イメージ的には父親が親権を獲得するのが難しいと考えている人が多いかもしれません。
もし父親側が離婚後により確実に親権を獲得したいなら、離婚問題に強い弁護士に相談することがベターでしょう。一度相談してみてはいかがでしょうか?また、親権を獲得するための条件については、下記の記事で具体的に解説しています。親権を獲得したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
(2)慰謝料と財産分与
家事をしない妻と離婚する場合、慰謝料については
- 問題にならない
- 妻が夫に支払う
の2つのケースが考えられます。
慰謝料とは精神的苦痛に対する損害賠償ですから、家事をしない妻のせいで夫が精神的苦痛を負ったとしたら慰謝料を請求できる場合があります。
しかし、夫が全面的に得をするのかというと、そうではありません。財産分与の問題があります。
財産分与とは、結婚期間中に夫婦2人で築いた財産を離婚時に半分ずつ分けようという趣旨の制度で、慰謝料とは全く別の概念になります。
ですから家事をしない妻と離婚する場合、いくら妻が悪いからと言っても、分与の対象となる財産はきっちりと離婚時に清算しなければならないのです。
財産分与についてより詳しく知りたい方は、下記の記事をご参照ください。
>>【関連記事】離婚時に知っておきたい「財産分与」|相場額や退職金の分与は?
家事をしない妻と離婚する場合に準備しておいた方がよいこと
家事をしない妻と離婚する場合、離婚後の住居はどうするのかやお金についてなど、いくつか考えておいた方が良いことがあります。
離婚のために準備をしたいと考えている方は、下記の記事で、必要となるお金周りのことや、その他に準備しておくべきものについて、一度確認してみてください。
>>【関連記事】離婚準備に必要なお金とは?離婚準備でしておくべきこと7つ
離婚についてもっと知りたい人にはこちらの記事もおすすめ!
まとめ
家事をしない妻と離婚するには、妻を納得させるだけではなく、親権やお金の問題など考えることはたくさんあります。もし話がこじれて裁判にまで発展したら、夫婦関係の破綻を客観的に証明しなければなりません。その分ハードルは高いと言えます。
家事をしない妻と本気で離婚したかったら、離婚問題に強い弁護士に相談することをオススメします。