理屈ではなく「依頼者の気持ちや感情、納得感」を大切に / 林 正和 弁護士 / ベーグル法律事務所
ドラマをきっかけに法曹界に魅了され、心理学から法律の世界へと転身。そして今、離婚事件を中心に依頼者一人ひとりに寄り添い対応する林正和弁護士。事務所名の「ベーグル」という柔らかな響きのように、優しい印象の林弁護士に、法曹界に飛び込んだきっかけから、今後の展望までお話をうかがいました。
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弁護士を志したきっかけを教えてください。
きっかけは、学生時代に見た「ビギナー」というドラマでした。2000年頃の司法修習生が舞台のドラマで、法律について仲間と議論しながら、答えを見つけていく姿に魅力を感じました。
実は大学受験では法学部に合格することができず、文学部に入学することとなり、当初は臨床心理士を目指していたんです。しかし、法学部の授業も受けているうちに、やはり法律の世界で働きたいと思うようになり、法学部へ編入しました。
法律の世界は、答えが1つではないことが魅力的です。数学なら答えは1つですが、人のトラブル解決には必ずしも1つの答えがあるわけではありません。
法律の理屈ではこうだけど、本当にそれで良いのか。目の前にいる依頼者の方にとっての最適解は何か。そういった答えのない問いについて考えることが、私にはあっていたのだと思います。
これまでのキャリアについてお聞かせください。
早稲田大学法科大学院を卒業後、2016年にソレイユ法律事務所に入所しました。個人の方を相手にする仕事がしたいという思いがあり、離婚などの一般民事事件を多く扱うソレイユ法律事務所を選びました。
約3年間の経験を積んだ後、2020年に独立し、ベーグル法律事務所を開設しました。
独立は入所時から視野に入れていました。大きな事務所に所属し続けるのではなく、自分のキャラクターで依頼者の方と向き合っていきたいという思いがありました。
現在注力されている分野を教えてください。
主に離婚などの家事事件を中心に取り組んでいます。また、前職でのご縁から、医療法人の運営に関するトラブルや、小規模企業の紛争、個人間のトラブルなども対応しています。
その分野に注力されている理由は何でしょうか。
離婚事件では、弁護士と依頼者との相性が非常に重要だと感じています。例えば、借金の回収なら「1円でも多く取れる弁護士が良い」という基準が明確です。
しかし、離婚事件は単にお金の問題だけではありません。長年の不満や様々な思いをどう解決していくかも重要です。
また、刑事事件なら無罪を勝ち取ることで評価される部分がありますが、家事事件の「一流」とは何かを考えると、必ずしも徹底的に争うことが良いわけではなく、すぐに和解すれば良いというわけでもありません。
依頼者の方が最も納得する解決に導くことが大切で、一人ひとり最適解が異なります。そこには弁護士としての個性が大きく関わってくると考えています。
事務所の強みについて教えてください。
小規模事務所ならではの弁護士による一貫した対応を心がけています。私が相談を受け、私が依頼を受け、全て私が担当する。
大手事務所のように複数の弁護士や事務員で分担するのではなく、全て私が一貫して担当することで、依頼者の方に安心感を持っていただけると考えています。これは大きな強みであり、今後も大切にしていきたいポイントです。
また、理屈の正しさだけでなく、理屈では説明ができない気持ちや感情、納得感などを大切に対応をしています。人ですので、どうしても理屈では説明ができないもやもやした気持ちもあるかと思います。
弁護士というと世間一般では「理屈っぽい」「論理的に物事を考える」というイメージもおありかと思いますが、理屈だけの対応にならないように心がけています。
先生が取り組んでいるIT化、DXを教えてください。
セキュリティ対策を徹底した上でデータのクラウド管理を導入し、どこからでもアクセスできる環境を整備しています。また、紙での管理を極力減らし、PDF化を進めています。打ち合わせもウェブでの対応を増やすなど、業務のデジタル化を進めています。
一方で、AIの活用については慎重に検討しています。特に訴状や答弁書の作成補助などは、データの取り扱いや漏洩リスクの観点から、現時点では導入を控えています。
戸籍データのAI処理など、効率化できる部分は多いと感じていますが、守秘義務との兼ね合いを慎重に見極めていく必要があると考えています。
今後の取り組みの展望についてお聞かせください。
現時点では事務所の規模を大きくするつもりはありません。10人規模の大きな事務所を作るよりも、個々の依頼者に寄り添った対応を続けていきたいと考えています。
また、40代、50代になった時に、弁護士以外の仕事にも挑戦してみたいという思いもあります。法律の専門性を活かしながら、新しい分野にチャレンジすることで、さらなる成長ができればと考えています。
最後に、記事を読んでいる方へメッセージをお願いします。
人に言えない悩みを抱えている方は多いと思います。相談したからといって、必ずしも依頼しなければならないわけではありません。
まずはお話を聞かせていただき、私がお役に立てるのであれば嬉しいですし、他の弁護士の方が適任であればそちらをおすすめすることもあります。
人に話すだけでも気持ちは楽になることが多いものです。友人や家族に話しにくい場合は、弁護士やカウンセラーなど、専門家かつ第三者に相談することをおすすめします。
ストレスを溜め込んで体調を崩してしまうのが最も避けたい事態です。早めのご相談をお待ちしています。
弁護士情報
弁護士名:林 正和 弁護士
所属弁護士会:東京弁護士会
事務所名:ベーグル法律事務所
事務所住所:〒160-0022 東京都新宿区新宿2-5-12 FORECAST新宿AVENUE6階
略歴
2006年 長野県立長野吉田高等学校 卒業
2011年 國學院大學法学部 卒業
2014年 早稲田大学法科大学院 卒業
2015年 司法試験合格
2016年 弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 入所
2020年 弁護士法人丸の内ソレイユ法律事務所 退所
ベーグル法律事務所 開設
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