弁護士として、市議会議員として、母として、手が届く人たちを笑顔にしたい/守田文美弁護士(弁護士法人リーガルジャパン)
2011年に弁護士になり、京都で弁護士としての第一歩を踏み出した守田先生。その後はタイや東京でも過ごし、2018年に地元山口県下松市へ。2022年には下松市議会議員に初当選し、現在は弁護士・議員として仕事をしながら、二人の子どもを育てる母親として忙しい毎日を送られています。弁護士を目指した理由、そして政治家になった理由などもお話いただきました。
弁護士を目指した理由とこれまでについて
これまでの経歴について教えてください。
山口県下松市出身で高校まで山口県内で過ごし、立命館大学に進学しました。大学4回生(4年生)に上がるときに飛び級で立命館大学法科大学院(ロースクール)に入学し、弁護士になったのは2011年1月です。京都での生活が長く知り合いが増えたこともあり、そのまま京都市内の法律事務所に就職しました。
弁護士になってから結婚したのですが、2014年に夫の転勤でなんとタイに行くことになったんです。
それで弁護士登録は一旦抹消してタイに行き、2016年に帰国しました。帰国後は、夫の勤務地である東京で約2年暮らし、2018年に下松市に戻ってきました。
帰国後、すぐ弁護士業に復帰されたのですか?
いえ、タイにいた間のブランクがありましたし、子どもも小さくフルタイムで働ける状況ではなかったので、3年ほど法律事務所の事務員として働いていました。
それで復帰できる自信がついたので、2019年1月に弁護士として再登録して弁護士法人リーガルジャパンに入って現在に至ります。
弁護士法人リーガルジャパンは、私がいる徳山事務所以外にも広島事務所と東京事務所があります。徳山事務所の弁護士は私のみですが、法人全体で6名の弁護士が所属しています。
また2022年に山口県下松市議会議員に初当選し、現在は市議会議員としても活動しています。
多彩なご経歴で驚きました。順番にうかがっていきたいのですが、まずは弁護士になろうと思った時期やきっかけを教えてください。
弁護士を目指したのは高校3年生のときに、進路を決めるタイミングでした。
幼い頃から、「人を助ける仕事をしたい」という想いはあったんです。
もちろん人を助ける仕事は世の中にたくさんありますが、当時の私がイメージできたのは医療従事者か弁護士だったんですね。ただ体力に自信がなかったので医療従事者は難しいだろうなと。
一方、ちょうどロースクール制度ができるタイミングで、以前に比べて弁護士になりやすくなると言われていました。
「それなら私も弁護士になれそうだ」と思って、弁護士を目指しました。そこからは迷うことなく法学部とロースクールに進み、無事に司法試験に合格できました。
議員になろうと思った理由や活動内容
2022年に市議会議員になられたとのことですが、以前から政治家になろうと思われていたのですか?
いえ、全くです。政治に対する考え方が変わったのは、今思うとタイでの生活がきっかけでした。
タイの方は日本人にすごく似ていて、日本に対して友好的です。
ただ日本人との大きな違いは、政治参加への熱心さです。普段は温厚な人たちが、選挙では本気で喧嘩するくらいなんですよ。
一方日本人は、以前は私もそうでしたが、政治への関心が本当に低いですよね。そういうところは、日本の変わるべきところだと感じました。
立候補を考え始めたのは、第二子が生まれたときです。
一人目は男の子なんですが、二人目は女の子でした。
私自身が女性として生まれ、弁護士という資格があるのでまだよいほうですが、それでも色んな場面で男性との格差を感じてきました。また弁護士として活動する中で、女性が不利に扱われる場面もたくさん見てきました。
ですから娘が生まれて、「この子が苦労するような世の中ではいけない、そのためには政治を変えるしかない」と思い始めたんです。
問題意識は持っていても、じゃあ自分が政治家になろうという方は多くないと思いますが、先生はどうしてなろうと思われたのですか?
コロナ禍で自宅にいる時間が増えたとき、ふと「私の町の政治はどうなってるんだろう」とホームページを見てみたんです。そしたら市議会議員20名のうち女性はたった2名で、しかも若い方がほとんどいなかったんですね。
「これでは子育て世代の声や女性の声が反映されにくいだろう」と思って、じゃあ当事者である自分が議員になって、少しでも政治を変えるしかないと思ったんです。
市議会議員として、どういった仕事をされているのですか?
色々あるのですが、たとえば市民の方から「こういうことで困っている」「こういうことを実現してほしい」といった声を聴いて、それを市長に伝えて市政に反映していくことが大きな仕事の一つです。また、市の予算と決算を見ることも大事な仕事です。
もちろん市の判断だけではできないことや予算にも限りがあります。ただ議員になる前に想像していた以上に、福祉や子育てサービスなど市が自由にできることは多いんです。
ですから議員の活動次第で市の方針や予算配分にも影響を与えられますし、その結果市民の皆様の暮らしにも影響を与えられる仕事だと実感しています。
実際、私が提案したことや意見を伝えたことが市長の判断に組み込まれることもあって、市政に影響を与えられているという手応えを感じています。
弁護士としての経験が議員の仕事に生きていると感じることはありますか?
もちろんです。たとえば私の提案をきっかけに、犯罪被害に遭われた方やそのご家族を支援する犯罪被害者等支援条例ができました。これは、私が長年犯罪被害者支援に関わってきた経験が生きたものです。
それ以外にも弁護士として様々な立場の方とお話してきたおかげで広い視野で捉えられますし、難解な法律を正確に読めたり法制度を理解しているのも、弁護士としての経験があってこそだと思います。
現在の業務について
現在、弁護士として注力している分野を教えてください。
当事務所全体としては、企業法務を中心に、個人からのご依頼にも幅広く対応しています。私も複数の会社の顧問弁護士を務めていますし、離婚や相続といった個人からのご依頼も多いです。
先生の強みや特徴を教えてください。
「よく話を聴く」というところは強みだと思います。これは当事務所の代表である蓮見弁護士のモットーでもあり、より強く意識するようになりました。
相談に来られる方は、気軽に家族や友人にも話せない不安や悩みを抱えています。ですから、まずは自分の状況や気持ちを聞いてほしい、伝えたいという想いがあると思うんです。そこをないがしろにして法律の話ばかりすれば、相談者の不満が溜まると思うんです。
そこで私は、話をさえぎらない、価値観を押し付けないといったことはもちろん、「本当に言いたいことはなんだろう」「なにか力になれることはないかな」といったことを考えながら聴くようにしています。
弁護士の仕事でも議員の仕事でも、そしてプライベートでも、手が届く範囲の人たちに笑っていてほしいというのは自分の軸としてあるんですよ。そうなるように、自分ができることは可能な限りやりたいと思っています。
今後の目標など
今後の展望をお聞かせください。
今は、弁護士の仕事、議員の仕事、家庭がすごくよいバランスだと思っています。それは依頼者、当事務所の他の弁護士やスタッフ、家族など多くの方の協力や理解のおかげです。今後もよいバランスを保ちながら、より多くの人のお役に立ちたいと思っています。
相談を考えている方へ一言お願いします。
当事務所の弁護士は、非常に頼りがいがあって親しみやすい弁護士ばかりです。また、弁護士6名中4名が女性です。女性弁護士自体が業界的に少ないので、この人数は珍しいと思います。
当事務所は徳山だけでなく、広島、東京にも事務所がありますので、なにか不安やお困りごとがあれば、お近くの事務所へぜひご相談ください。
弁護士情報
弁護士名:守田 文美
所属弁護士会:山口県弁護士会
事務所名:弁護士法人リーガルジャパン
事務所HP:https://legal-j.jp/
事務所住所:山口県周南市平和通1丁目23 宮崎ビル2階
経歴:
・山口県下松市出身
・徳山高等学校卒業
・立命館大学法学部中退
・立命館大学法科大学院修了
・2011年 弁護士登録
・2019年 弁護士法人リーガルジャパン入所
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