70年以上続く伝統を受け継ぎながら、自分らしい弁護士を目指して / 後藤慎平弁護士(後藤法律事務所)
お祖父様の代から続く法律事務所にて、お父様とともに弁護士を続けている後藤先生。代々続けてきた企業法務や学校法務に注力するとともに、新たな分野にも挑戦されているそうです。代々続く法律事務所の中で、どのようなことを考えていらっしゃるかもお尋ねしました。
弁護士を目指した理由とこれまでについて
これまでの経歴について教えてください。
東京都内で生まれ育ち、2016年に弁護士になって当事務所に入所しました。
当事務所の前身は、母方の祖父である萩原平弁護士が1953年に設立した萩原法律事務所になります。その事務所に父である後藤邦春弁護士が入所し、1989年に萩原・後藤法律事務所となりました。そして2002年に後藤法律事務所となり、現在に至ります。
代々弁護士でいらっしゃるのですね。弁護士になろうと思ったのもお祖父様やお父様の影響でしょうか?
そうですね。今でも記憶にあるのですが、幼稚園のときのある出来事がきっかけで、将来は自分も弁護士の道へ進もうという感覚が芽生えました。もちろん、祖父や父の実際の仕事を見ていたわけではないので、弁護士がどういう仕事なのかはわかっていませんでしたが。
現実的に弁護士になることを決断したのは、大学を選ぶ際に自分の進路を考えたときだったと思います。
弁護士になってすぐにお父様の事務所に入られたのは、どういった想いだったのでしょうか?
他の事務所に就職して、ある程度経験を積んでから後を継ぐという選択肢も一応ありました。ただ父もある程度の年齢になっていたので、弁護士として父から学べる期間はそれほど長くないかもしれないと思い、最初から父の事務所に入ることにしました。
父は弁護士になる前は裁判官として15年働いていました。裁判になれば最終的に判断するのは裁判官ですから、裁判官的な思考や着眼点というのはとても重要です。それを父から学べる意義は大きいと考えていました。
幸いにも父はまだバリバリ仕事をしていますので、今でも弁護士として多くのことを学ばせてもらっています。
現在の業務について
注力している分野を教えてください。
個人・法人からのご依頼に幅広く対応しておりますが、使用者側の代理人として労働問題と学校関係に力を入れています。
会社や学校を経営する上で、労務問題をはじめ様々な問題が発生するものですが、そういった問題をできるだけ速やかに解決することで、経営資源を本来投下すべき経営マターに集中することができます。それは、単にその企業の利益を守るというだけでなく、従業員の方々、そのご家族、取引先などの幅広い関係者の利益が守られることも意味し、ひいては社会全体がよくなっていくと信じております。
また、学校関係については、代々当事務所が学校法人などの顧問を務めているご縁があり、また、教育事業は未来の社会を支える人材を育成する非常に重要な事業ですので、微力ながらお力添えしたいと考え力を入れています。
労働関係や学校関係では、どのようなご相談が多いでしょうか?
問題社員への対応、顧客・生徒側からの苦情対応、学校内でのトラブル、法改正への対応など、本当に様々なご相談があります。
使用者側の代理人として労働問題を取り扱う際に心がけていることは、経営サイドの意向を尊重するためにも、労働者の自尊心や感情をないがしろにしないということです。労働問題がこじれると法廷闘争が5年~10年かかることもざらにありますが、そこまでこじれる要因の1つには労働者の自尊心や感情をないがしろにしたことにあると考えているからです。
一般の民事事件は、突き詰めれば金銭の問題に収斂し、お金の問題で解決することが多いですが、労働紛争は、単なる金銭の問題に留まらず、労働者の全人格的な闘争に至ることもある特殊な紛争類型です。何をするにしても、配慮や誠意があるか否かで人の受け止め方というのは天と地ほどの差が生まれますから、経営サイドの意向をできるだけスムーズに実現するためにも、このような点に注意を払うようにしております。
仕事をするうえでのポリシーを教えてください。
当たり前の話ではありますが、一つ一つの案件に対して、丁寧に取り組むことです。例えば、訴訟でいえば、どの書面にどういった主張が書いてあり、どの証拠にどんなことが書かれているのか、きちんと頭に入れておくということです。
裁判期日で何かを聞かれた際に資料をいちいち見ないと答えられないようではダメだ、という父からの教えがあり、意識するようにしております。
依頼者とのコミュニケーションで意識していることを教えてください。
メールにはできる限り即日返信するなど、レスポンスを早くすることは意識しています。弁護士からのレスポンスが早ければ、その分依頼者は早く判断したり行動できるからです。
また、法律用語は独特で分かりにくいこともありますので、かみくだいて、できるだけ依頼者に分かりやすい表現にすることも意識しております。
先生の強みや特徴を教えてください。
祖父や父が築いてくれた信頼のおかげで、多くの企業や学校の仕事をさせていただいており、一般民事とは少し毛色の違う案件を多く経験させていただいておりますので、そこで得られた経験は強みだと思います。例えば、社会の耳目を集めた事案の調査委員会の委員を務めさせていただいたこともあり、非常に貴重な経験を得られたと考えております。
また、教育事業に積極的に関わっているところも特徴だと思います。具体的には、主体的学びを育てることを目的とした社団法人の理事、杉並区の学校運営協議会の委員も務めさせていただいております。
その他、公職として、国交省が主管の中央建設工事紛争審査会の特別委員なども務めさせていただいております。
先生が取り組んでいるIT化について教えてください。
案件に関する資料は基本的にデータ化して、「弁護革命」というソフトで見ています。弁護士業務に特化したソフトなので、非常に使いやすいです。生成AIも、業務に生かせる方法を模索しています。私は、無駄を極力省いて効率化できるところは徹底的に効率化したいという性格なので、最新のツールは色々と試してみることにしています。
今後について
今後の目標などをお聞かせください。
祖父と父が築いた信頼がありますが、その信頼だけでこの先もずっと依頼をいただけるほど甘くないことは自覚しています。ですから、これからも人間性や弁護士としての実力を高めていきたいと思っています。
また、具体的なトラブルが起こる前にご相談いただき、より多くのトラブルを防げるようにしたいですね。究極の目標としては、法律相談に限らず、経営者の方から「この人に相談すると安心する・前向きになれた」と思っていただけるような存在になりたいです。そのためには法律知識だけではなく、経営など様々な分野の知識が必要ですし、なにより人間力が必要になると思っています。
相談を考えている方へ一言お願いします。
なにかお困り事やトラブルがあったら、早めにご相談ください。特に人事労務関係は、一度こじれてしまうと裁判沙汰になりがちですので、早めにご相談いただき、適切に段取りを進めていくことが重要だと思います。
当事務所では、企業や学校関係はもちろん、その他の法人や個人の方からのご相談も受け付けております。
弁護士情報
弁護士名:後藤 慎平
所属弁護士会:第一東京弁護士会
事務所名:後藤法律事務所
事務所HP:https://goto-law.net/
事務所住所:〒166-0015 東京都杉並区成田東4-31-3
経歴:
東京都出身
2016年 弁護士登録、後藤法律事務所入所
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