「依頼者の懐に飛び込み、寄り添う心で守る」加藤 聡 弁護士 / 二ツ橋平和法律事務所
依頼者との信頼関係を大切にし、懐に飛び込んで寄り添う加藤聡弁護士。そんな加藤弁護士に弁護士を志したきっかけや独立の経緯を伺った。
弁護士を志したきっかけを教えてください。
実は、もともと検察官を目指していました。小学生の頃、いじめを受けたことで、「言葉や行動が人に与える影響の大きさ」に気づきました。そして、傷つけている側の多くが、「自分の言動に責任を感じていないこと」にも気づいたんです。加害者の更正をサポートできる仕事がしたいと思い、検察官を目指すようになりました。
しかし、司法試験を受験する少し前、70歳を超える法科大学院の前研究科長で、現役の弁護士の先生から激励のお電話をいただいたんです。最初は「なぜ私のような者を」と疑問に思いましたが、その方の「若い人、後輩を育てたい」という教育者としての姿勢に深く感銘を受けました。
これをきっかけに一念発起し、同じように人を育てる弁護士になろうと決意しました。検察官から弁護士へと目標は変わりましたが、人を大切にする根本的な思いは変わっていません。
弁護士としてのキャリアについて教えてください。
大学の法学部に入学、3年制の法科大学院(ロースクール)に進学し、平成26年に司法試験に合格しました。その後、新麹町法律事務所に入所し、約10年弱の経験を積んできました。現在は渋谷で独立開業し二ツ橋平和法律事務所を経営しております。
新麹町法律事務所を選んだ理由は、先ほどお話した法科大学院の前研究科長が所属されていたことや、大学の先輩でもある複数の弁護士が後輩の指導に来てくださっていたことが大きいですね。
キャリアの中で特に印象に残っているのは、先輩弁護士から学んだ「依頼者ファースト」の姿勢です。負け筋の案件でも、依頼者が納得できる形で進められる方法を模索する姿勢に、大きなやりがいを感じました。
独立のきっかけを教えてください。
渋谷で開業した理由には、個人的な思い入れと地域への貢献意識が大きく関わっています。
実は私は渋谷区の富ヶ谷出身なんです。この地域には深い愛着があります。富ヶ谷は元々「二ツ橋」という名前で、二つの川が合流する場所に二つの橋がかかっていたことから「二ツ橋」と呼ばれるようになったと言われています。
まるで、離れた人と人とを繋ぐような地名や文化に魅力を感じ、その名と意義を残したいと思い、「二ツ橋」の名を冠した事務所をつくって、弁護士として活動したいと考えました。
また、渋谷という街は常に変化し、新しいものを生み出す活気に満ちています。この環境で「街の弁護士」として活動することで、地域の発展に法律の面から貢献できると考えました。特に、ITやスタートアップ企業が多い渋谷の特性を活かし、新しいビジネスモデルや技術に関する法的サポートを提供したいという思いもあります。
さらに、地域に根ざした活動を通じて、法律を身近に感じてもらいたいという願いもあります。渋谷の街に住む人々が、気軽に立ち寄れる法律事務所を目指しています。「困ったときはあそこに行けば大丈夫」と思ってもらえるような、地域の人々に寄り添う存在になりたいんです。
独立して事務所を開くことで、後輩の弁護士の就職口を増やすこともできます。東京では弁護士の就職が難しくなっているので、若い弁護士の活躍の場を作りたいという思いもありました。
渋谷という地域への愛着、地域発展への貢献、そして若手弁護士の支援という複数の思いが重なり、渋谷での開業を決意しました。依頼者一人一人に寄り添いながら、同時に地域社会全体の法的ニーズにも応えていける事務所にしていきたいです。
現在の強みや注力している分野を教えてください。
主に刑事事件と労働事件に注力しています。特に労働事件では、交渉だけで解決できるケースも増えてきました。
私の強みは「懐に入る」能力だと考えています。
依頼者の希望をできる限り実現できるように、丁寧に聞取りを行い、法的観点から提案をします。逆に、実現が難しいときは、率直に、難しいことを伝え、どうして難しいのかを説明します。胸襟を開くことで、依頼者との信頼関係を築いてきました。このコミュニケーション能力と寄り添う姿勢が、私の武器になっていると感じています。
その一方で、対立する相手方との関係では、その言い分を予測して、隙をついた的確な反論をするようにしています。
また、新しいことへの挑戦精神も私の特徴です。例えば、一部執行猶予制度が始まった際には真っ先に取り組みましたし、公判廷で被告人を名前で呼ぶなど、従来の慣習にとらわれない対応を心がけています。
その分野に注力している理由は何でしょうか?
刑事事件に注力しているのは、加害者に寄り添い、更生のきっかけを与えることが自身の使命と感じているからです。小学生の頃に抱いた「加害者の更正の力になりたい」という思いが、今も私の胸にあります。加害者の更正の力になるためには、私自身の人格の陶冶が不可欠で、日々、自己研鑽に励んでいます。
もちろん、冤罪事件では全力で戦い、依頼者の権利を守ります。公判廷で無罪を訴えたことも、1度や2度ではありません。
労働事件については、弱い立場に置かれがちな労働者の権利を守り、公平な職場環境づくりに貢献したいという思いがあります。不当解雇、セクハラやパワハラなど、多くの労働事件を扱ってきました。
逆に、会社の代理人となって、職場環境を乱すような方と対峙したこともあります。
新しい取り組みに挑戦するのは、法律の世界でも常に進化が必要だと考えているからです。依頼者の利益のために最善を尽くすには、最新の知識や手法を取り入れることが重要です。
先生が取り組んでいるIT化、DXについて教えてください。
IT化やDXには積極的に取り組んでいます。具体的には、以下のような取り組みを行っています:
1. X(旧Twitter)での情報発信:弁護士名で登録し、法律に関する情報や事務所の活動などを発信しています。これにより、潜在的な依頼者とのつながりを作るとともに、最新の法律問題に関する情報収集も行っています。
2. LINEでの相談受付:LINEを活用することで、依頼者とのやりとりがよりスムーズになりました。気軽に相談できる環境を整えています。
3. オンライン面談:場所を問わず相談ができるよう、オンライン面談を導入しています。遠方の方も気軽にご相談ください。
これらの取り組みにより、依頼者の方々が相談しやすい環境を整えるとともに、業務の効率化も図れています。
最後に記事を読んでいる方へひとことお願いします。
法律問題は、早めの対応が何より大切です。多くの方が、問題が煮詰まってから相談に来られますが、そうなると証拠が不足していたり、解決策が限られてしまうことがあります。
ですので、少しでも気になることがあれば、早い段階でご相談ください。「こんなことで相談してもいいのかな」と躊躇する必要はありません。お茶を飲みに来るような感覚で、気軽にお話しできればと思います。
オンラインや電話での相談も受け付けていますので、どうぞお気軽にご連絡ください。皆様の悩みに寄り添い、最適な解決策を一緒に見つけていきたいと考えています。法律の力で、より良い社会づくりに貢献していきたいと思っていますので、どうぞよろしくお願いいたします。
弁護士情報
弁護士名:加藤 聡(かとう さとし)
所属弁護士会:第二東京弁護士会
事務所名:二ツ橋平和法律事務所
事務所住所:東京都渋谷区富ヶ谷1丁目35番地11号 バース富ヶ谷3階
略歴:
修習期:68期
高 校:大成高校
大 学:創価大学法学部
大学院:創価大学法科大学院
2015年:弁護士登録
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