「あなたが感じた違和感を大切にして欲しい」三輪 記子 弁護士 / 三輪記子の法律事務所
大学時代に映画監督・林海象氏から「弁護士になれ」との一言を受け、外交官志望から弁護士の道へ進んだ三輪 記子 弁護士。弁護士としては幅広い案件を手掛け、特に家事事件から企業法務まで対応しています。また、テレビの出演を通じて、法律と社会問題との関係などについての理解を深める活動も行い、法曹としての専門知識とメディアでの影響力を融合させ、社会との橋渡し役として、法的思考の重要性を広めることに力を注いでいます。そんな三輪弁護士にお話をお伺いしました。
弁護士を志したきっかけを教えてください。
実は、大学時代に進路を見失って迷走していた私を見かねて、映画監督の林海象さんが「ふさこ、弁護士になれ」と言ってくれたのがきっかけです。大学入学当初は、私は外交官志望だったのですが、大学に入ってから国家レベルの大きな視点で物事を考えるのは自分に向いていないと痛感しました。
海象さんが私に弁護士が向いていると言ってくれた理由は面白いんです。飲み屋さんで、私がどんな酔っ払いの話でも真剣に耳を傾け、共感する姿を見て評価してくれたんです。それから「目の前のことをちゃんとできない人が国家の話をしても・・・な」という考えに至りました。
弁護士としてのキャリアについて教えてください。
2010年12月に弁護士登録をして、2017年9月半ばまで京都で活動していました。私の弁護士としてのキャリアは「ノキ弁」スタートで、実質的には1年目から独立開業のような状態で仕事をしていました。
当時は弁護士の就職難の時代で、1年目から独立開業のような状態でしたので本当に苦戦しました。ただ、その時期に幅広い分野の案件を扱えたのは良い経験になりました。民事はもちろん、刑事事件(国選)も担当しました。
2017年9月に東京に移りました。東京への転居は、2015年に結婚し子供が生まれたことがそもそものきっかけです。結婚時には、夫が東京から京都に引っ越してきてくれたのですが、夫のキャリアを考慮して、東京での生活を選択しました。
今の強み・注力している分野について教えてください。
私は本当に「何でも屋さん」です。家事事件が多いのは確かですが、企業の顧問業務も行っています。ただ、私自身の考え方として、弁護士業もテレビの仕事も、求められてやるものだと思っています。自分がやりたいことをやるのではなく、依頼されたことにこそ意義があると考えています。
ですので、特定の分野に注力しているというよりは、どんな依頼でも受け入れる姿勢を大切にしています。これは多くの弁護士に共通する考え方だと思います。お声がけいただかなくなったら仕事ができなくなるので、基本的にはどんな案件でも対応することを必ず検討しています。
その分野に注力している理由を教えてください。
実は、私はもっと企業法務や社外取締役、社外監査役などの仕事をしていきたいと考えています。これには理由があります。
個々の離婚事件や不倫事件、相続などの家事事件などを扱う中で、日本のジェンダーギャップが非常に深刻だと感じています。弁護士の世界も、起業家や経営の世界も、まだまだ男性中心社会です。このような状況を変えていくためには、企業のガバナンスや意思決定の場に関わっていく必要があると考えています。
特に懸念しているのは、この30年間で日本のジェンダーギャップがほとんど改善されていないことです。例えば、東大法学部に進学する女性の比率は30年前とほとんど変わっていません。世界の多くの国々がジェンダーギャップが改善している中で、日本だけが停滞しているといっても過言ではありません。
私自身、2022年に第二子(女の子)を出産しましたが、この子が大きくなったときに今のままの日本社会では非常に大変だろうと危機感を持っています。もちろん、ジェンダーギャップの解消は女の子だけのためではなく、他の子達にも必ず良い影響があると考えています。特定の属性の人を安易に差別する社会では多くの人が生きにくいと思うからです。ですので、ジェンダーギャップの解消に向けて、企業法務や社外役員の立場からも関わっていきたいと考えています。
事務所の強みを教えてください。
事務所の強みは、幅広い分野に対応できる柔軟性だと思います。京都時代から様々な案件を扱ってきた経験を活かし、家事事件から企業法務まで幅広く対応しています。
また、メディア出演の経験を通じて得た知見も、依頼者の方々にとって有益だと考えています。社会の動向や法律問題に対する一般の方々の認識なども把握しやすい立場にあります。
さらに、自分一人で全ての業務をこなしているため、依頼者の方々と直接コミュニケーションを取り、ニーズに合わせたきめ細やかなサービスを提供できることも強みだと考えています。
今後の取り組み・売り出していきたいサービスについて教えてください。
今後は、先ほど申し上げたように、企業法務や社外役員としての活動を通じて、日本社会のジェンダーギャップ解消に貢献していきたいと考えています。さらに、トークイベントや講演などで今までに培った自身の知見を多くの方と共有したいということも考えています。
また、私自身の経験から、年齢や学歴、キャリアの有無にかかわらず、個人の能力や可能性を正当に評価する社会の実現にも寄与したいと思っています。私は弁護士になるまでに時間がかかり、就職氷河期世代として厳しい状況も経験しました。そのような経験を活かし、多様な背景を持つ人々がチャンスを得られる社会づくりに貢献できるサービスを提供していきたいと考えています。
具体的には、企業向けのダイバーシティ&インクルージョン研修や、キャリアチェンジを考えている方々向けの法律相談など、社会の変革につながるサービスを展開していければと思っています。
最後に、これは私個人の考えですが、若さや学歴だけでなく、多様な経験や視点を評価する社会の実現が重要だと感じています。そのような価値観の転換にも、弁護士としての立場から貢献していきたいと考えています。
先生が取り組んでいるIT化、DXについて教えてください。
様々な取り組みを行っています。例えば、スケジュール管理にはGoogleカレンダーを、案件管理にはクラウドシステムを活用しています。これにより、どこにいても仕事ができる環境を整えています。
普段はトリプルモニターを使用していますが、外出先ではiPadとパソコンを組み合わせてデュアルモニター的に使用しています。また、外出先から事務局にPDF化の指示を出し、すぐに受け取って作業するといった仕組みも整えています。
これらのIT化や生産性向上の取り組みは、弁護士業務において非常に重要です。時間との勝負の面がある我々の仕事では、効率化は不可欠です。ただし、これらはあくまでも手段であって、目的ではありません。最終的には、クライアントにより良いサービスを提供することが目的です。そのために、常に新しい技術や方法を取り入れる柔軟さを持ち続けることが大切だと考えています。
相談者の方々の感覚を大切にし、そして必要なときには専門家の力を借りること。そして私たち専門家は、常に効率的かつ効果的にサービスを提供できるよう努力を続けること。この両輪があってこそ、より良い問題解決が可能になるのだと信じています。
最後に相談者の方へメッセージをお願いします。
違和感を感じたら、それを無視せずに向き合ってみてください。そして、その感覚を言語化するのが難しいと感じたら、私たち弁護士のような専門家に相談することをお勧めします。
私たちは、あなたの感じている違和感を一緒に紐解き、問題解決の道筋を見つける手助けをさせていただきます。あなたの感覚を大切に、そして必要なときには専門家の力を借りることを躊躇わないでください。
弁護士情報:
弁護士名:三輪 記子(みわ ふさこ)
所属弁護士会:第一東京弁護士会
事務所名:三輪記子の法律事務所
事務所住所:〒150-0001 東京都渋谷区神宮前4-23-10 ラルコバレーノ神宮前102
Xアカウント:https://x.com/bi_miwa
YOUTUBEチャンネル:https://www.youtube.com/@MiwaFusako_B
学歴:
1996年3月 私立同志社高等学校卒業
2002年年3月 東京大学法学部卒業
2009年年3月 立命館大学法科大学院卒業
経歴:
2010年12月 弁護士登録 京都弁護士会に所属
2017年9月 拠点を東京に移す
2021年3月 三輪記子の法律事務所を開設
所属委員会・学会等:
法教育委員会(第一東京弁護士会)
仲裁センター運営委員会(第一東京弁護士会)
犯罪被害者に関する委員会(第一東京弁護士会)
LGBT研究部会(第一東京弁護士会)
スポーツ法研究部会
日本スポーツ法学会
日本プロ野球選手会公認代理人
メディア出演/2024年6月現在:
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メーテレ「ドデスカ!+」レギュラー
朝日放送テレビ「newsおかえり」 レギュラー
読売テレビ「ミヤネ屋」不定期
読売テレビ「あさパラS」不定期
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