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弁護士15名の事務所を率い、弁護士歴約35年を迎えてわかったこと/近藤 早利弁護士(第一中央法律事務所)

弁護士として約35年、弁護士15名が所属する法律事務所を共同経営されている近藤先生。長年に渡り第一線で活躍してきた秘訣、司法研修所の教官を務めるなど多くの方と接してわかった「よい弁護士」など、非常に興味深いお話をお聴かせいただきました。

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弁護士を目指したきっかけから現在までの歩み 

これまでの経歴について教えてください。

明智光秀の出身地という説もある岐阜県恵那市明智町出身で、大学は一橋大学法学部に進学しました。1990年に弁護士になり、2001年に仲間と共同で第一中央法律事務所を設立しました。設立当初は弁護士6名、司法書士1名、スタッフ3名でしたが、現在は弁護士15名、司法書士1名、顧問1名、客員弁護士1名、さらに多くのスタッフが所属する事務所に成長しました。

弁護士会や政府の委嘱を受けた仕事も色々経験しましたし、司法修習といって司法試験合格後に研修を行う期間があるのですが、その民事弁護教官も足掛け4年務めました。

弁護士を目指したきっかけ教えてください。

大学は法学部を選んだのですが、その時点で弁護士になろうとは思っていませんでした。大学卒業が1983年で、当時は日本が上り調子でした。周囲を見渡すと一流企業と呼ばれる会社に就職する人が多かったです。ただ私には大企業で働く自分のイメージがつかめず、自分で働き方を決められる仕事しかできないと思ったんです。それで、いわば消去法で「弁護士ならフリーランスに近い働き方ができるかな」と思い弁護士を目指すことにしました。

幼い頃から弁護士を目指していたわけではなかったのですね。

それが、そうともいえるし、そうでないともいえるみたいなんです。というのも弁護士になった後に実家を整理していたら、小学3年生のときに書いた作文が出てきたんです。なにげなく見てみると、えん罪事件の話とともに「弁護士になる」って書いてあったんですよ。そんなことを書いた記憶は全くないので驚きました。結果的にこうして弁護士になっているので、地下水のように自分の中にずっと流れていたのかもしれませんね。

それと私は、小学5年生の3学期と6年生の丸一年間、肝炎を患って入院していたんです。友だちと会えなかったり、外で遊べないといった辛い状況の中で、ある種のマイノリティを経験しました。入院中は大部屋だったので、市会議員など色んな大人もいて、社会の色んな話を聞かせてもらったことも、その後弁護士を目指したことに影響しているかもしれませんね。

司法試験の勉強は大変でしたか?

当時は、司法試験は、毎年志願者が2万人、合格者は約500人、合格率2%前後という時代です。正直試験を甘く見ていたところもあって何度か落ちてしまい、28歳で合格し、当時妻のお腹には長男がいました。年齢的にはちょうど合格者の中間辺りで、合格したときは喜びもありましたがホッとした気持ちが強かったですね。

約35年の弁護士人生でわかったこと

約35年に及ぶ弁護士人生を振り返って、どう感じられますか?

一言で言うと、あっという間でした。同じ時期に弁護士になった仲間も、口を揃えてそう言います。

もうダメだと思う日もある、またやっていこうと思う日もある。そんな思いで、なんとか1日1日過ごしてきました。大きな案件を任せていただいたり、依頼者にとても喜んでいただいたこともあれば、天狗になっていた時期もありましたし、うまくいかず落ち込んだこと、ひどい肺炎になったことなど、紆余曲折ありました。

大変なことも多い中、長年弁護士を続けられた秘訣はありますか?

自分で仕事を選んで、好きな時間に好きな場所で、嫌な相手に媚を売ることもなく仕事ができたので、特に独立してからは精神的な辛さが少なかったことでしょうか。もちろん仕事をする上で大きなプレッシャーを感じ、悩み、苦しみ、働きっぱなしで肉体的に大変なことは日常茶飯事でした。それでも自分で選んだ道だったので、誰かにやらされているという感覚は全くありませんでした。その上依頼者から感謝もされるので、自分にはもったいないほどよい仕事に恵まれたと、今は思っています。

多くの弁護士経験、人生経験の中で、改めて先生が大切にされていることを教えてください。

簡単に言うと、直感に従う、体の声を聴く、ということでしょうか。たとえば、馬の合わない人と仕事はしない、体が嫌がる仕事は無理して受けないということです。

もちろん、あれも嫌これも嫌ということでは仕事になりませんから、その分、やると決めた仕事には全力で取り組んできました。

そして色んな経験をして思うのは、手を抜かない、準備をおこたらない、依頼者にきちんと報告するといった基本が大切だということです。

突飛なことをしても、だいたいうまくいきません。仮にうまくいっても一時的で、持続可能性がありません。結局、当たり前のことを徹底するということに尽きると思いますね。

これまで多くの弁護士を見てきたと思いますが、先生が思う「よい弁護士」は、どういう弁護士でしょうか?

万人にとってよい弁護士はいないと思います。相談者・依頼者が求めるものと弁護士が持っているものの組み合わせと相性が大事だと思うので。

ただその中でも、議論の核心をつかめる人、相手の立場や社会常識をわきまえて言語化できる人、そういったことができる人はよい弁護士だと思います。

「キャッチボールをすると野球の実力がわかる」というのと一緒です。短いファックスやメール1通でも、核心を捉えたリズミカルなやりとりができること。そのベースにあるのは、結局基本がどれだけできているか、当たり前のことをどれだけ真剣にやっているかということじゃないかと思います。

それは生まれつきの才能みたいなものなのでしょうか?

そんなことはありません。個人の特性や向き不向きはありますが、トレーニングや経験によって磨かれます。若手弁護士のいわばコーチとして、また、司法研修所の教官として多くの人を指導してきた経験からも、そう思います。

事務所について

事務所の特徴や強みを教えてください。

当事務所にはベテラン・中堅・若手まで15名の弁護士が所属しており、年齢や性別のバランスもよいところは特徴でもあり強みでもあります。分野としては企業法務に力を入れていますが、個人からのご相談も多く、幅広い分野に対応できます。重度の難聴の弁護士もいますが、ITツールを駆使して、まったく健常者の弁護士と遜色ない仕事をしています。女性弁護士も多く、フレックスタイムや在宅勤務をかなり自由に認めて、育児・家事と仕事を高いレベルで両立してもらえるように配慮しています。司法書士も所属しておりますので、登記などもワンストップで対応できるところも強みですね。事務所に長年蓄積されたノウハウはもとより、外部の専門家を含めたネットワークもありますので、とにかく当事務所にご相談いただければなんとかなるという自負はあります。

大きな事務所を経営されていますが、組織を運営するうえで心がけていることを教えてください。

弁護士にせよ、職員にせよ、性別・年齢を問わず、一個の人格として尊重するということ。任せきりにして担当者が疲弊しないように、案件にはチームで対応し、負担や苦労は分散する。行き詰まった時には愚痴、不満などを言い合える環境作りに配慮すること。押しつけられ仕事で働き過ぎにならないよう、目配りすることなどでしょうか。要するに、私自身が「こうされたら嫌だなぁ」ということを押しつけないこと、「こうしたいな、こうだったらいいな」と思うことはできるだけ認めるということでしょうか。

あと、共同経営者(パートナー)との関係では、お互いの性格やスタイルを尊重して、よい意味で目をつぶったり、苦手な部分を補い合えるようにしてきました。

その結果、これまで作ってきた仕組みがうまく回っているので、今はマネジメント面で苦労を感じることはありません。

先生が取り組んでいるIT化について教えてください。

今ではメールやメーリングリストの活用は当たり前ですが、当事務所では、まだインターネットが十分普及していなかった時代から積極的にIT技術を使っていました。現在はGoogle Workspaceを使ってメール、タスク、スケジュール管理の連動やデータの共有、オンラインミーティングなどを行っています。

案件に関する資料は基本的にデータ化して、弁護革命というツールを使ってパソコン上で見ています。これによって事件処理の効率化やスピードアップができましたし、リモートワークも実現できました。

弁護士業務には文献調査が必須なので、LEGAL LIBRARYというサービスも使っています。

事務所内外の連絡手段としては、チャットツールを使ったこともあるのですが、結局メールが一番便利というところに落ち着いています。

あとは、聴覚に障害のある弁護士を中心に、音声認識アプリは大活躍しています。

こうしたツールを駆使して、いつでも、どこでも仕事ができるような、また、楽に効率的に、質の高い仕事ができるようなIT環境作りを心がけています。

個人的には、音声入力も活用しています。

今後について

今後の展望をお聞かせください。

私自身は、健康な状態で働けるのはあとどれくらいかなと意識するような歳になりました。いままでもそうでしたが、時間に追われ、私生活を犠牲にし、ストレスが溜まるような仕事はなるべく避けたいと思っています。そのうえで、私に合った仕事を継続的に受注すること、いままでどおり働きやすい環境を整備する役割を果たしていきたいと思っています。

事務所全体として、この先も長く続くように体制を整えていきたいですね。

相談を考えている方に向けてメッセージをお願いします。

なにか不安や悩みを抱えているのであれば、とにかく一度相談してみることをおすすめします。相談料だけなら決して高くありませんし、無料相談が可能な場合もあります。

そして相談するときは、登場人物の関係図を書いたり、起きたことを時系列で並べて書いたり、資料を整理するなど、できる限り準備をしたうえで臨むことをおすすめします。弁護士の了解を得て、事前に資料を送って読んでもらうというのも効果的です。相談に行ったはいいが、案件の概要を伝えるだけで、持ち時間が終わってしまった、ということにならないように、相談者の真剣さを相談前から伝えるように心がけてください。当然弁護士も真剣に応えざるを得なくなります。

当事務所でも相談を受け付けておりますので、お気軽にご連絡ください。

 

弁護士情報

弁護士名:近藤 早利(こんどう さとし)
所属弁護士会:東京弁護士会
事務所名:第一中央法律事務所
事務所HP:https://1ch-law.com/
事務所住所:〒100-0006 東京都千代田区有楽町二丁目10番1号 東京交通会館4階(413区)

経歴:
岐阜県恵那市明智町
1977年(昭和52年)私立東海高校卒業
1983年(昭和58年)一橋大学法学部卒業
1988年(昭和63年)司法修習生(第42期)
1990年(平成2年)4月 弁護士登録(東京弁護士会入会)、東京青山法律事務所入所
1995年(平成7年)下河辺・近藤法律事務所設立
2001年(平成13年)第一中央法律事務所設立

 

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