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「難しい案件ほどやりがいを感じます」緻密な戦略で、依頼者が後悔しない解決を / 河野 佑宜 弁護士(こうの法律事務所)

幼い頃から口喧嘩が強かったこともあり、弁護士を目指したという河野弁護士。依頼者が後悔しない解決を目指して、依頼者の本当の希望を見極め、解決に向けて力強く前に進めることを意識されているとのこと。今後の展望なども伺いました。

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いざって時のために
手のひらに弁護士を!

――弁護士になろうと思ったきっかけ教えてください。

2つありまして、1つは、中学3年生のときです。高校を選ぶにあたって自分の将来を考えたとき、漠然と医者か弁護士になりたいと思ったんです。なにか具体的なきっかけがあったわけではないのですが、漠然と格好良いというイメージがあったんだと思います。

ただ医者は、テレビで手術シーンを見たときに血を直視できなかったので、自分にはムリだと早々に諦めました。他方で弁護士は、幼い頃から口喧嘩で負けたことがなかったので、向いているんじゃないかと思いました。

 

――口喧嘩が強かったというのが弁護士らしいですね。記憶に残っているエピソードはありますか?

友だちと口喧嘩することもありましたが、小学5年生と中学2年生のときに教師と口喧嘩して、最終的に教師に謝ってもらったことが印象に残っています。

私は決して反抗したいとか論破したいわけではないんです。ただ筋が通らないことが許せないタイプで、筋が通らないと思えば、相手が大人だろうと遠慮なく思ったことを言っていました。今思うと、面倒な子どもだったと思います…。あとは価値観を押し付けられるのも嫌で、自分の価値観を押し付けようとする相手にも、かなり抵抗していました。相手の価値観も尊重するので、私の価値観にも踏み込まないでほしいという気持ちが強いんでしょうね。

 

――そういった性格は、今も変わっていませんか?

そうですね、基本的には変わってないです。ただ弁護士はあくまでも依頼者の代理人として仕事をするので、依頼者のためにならないと思えば戦略的に引きます。一方、「ここはギアを入れて闘うべき」というときは、私の元々の性格が生きてきます。

一口に弁護士といっても、人間ですからタイプも違います。ですから、相性が合う弁護士に依頼するのが一番だと思います。

 

――弁護士になろうと思った2つめのきっかけも教えてください。

2つめは大学院のときです。当時は就職氷河期で、バイト先の先輩が就活がうまくいかない様子を目の当たりにして、やっぱり資格が必要だと痛感しました。それで弁護士になろうと思って勉強を続けていたのですが、いまひとつ本気になりきれなかったんです。

そんな中、エクスターンシップといって、短期間ですが法律事務所で仕事を体験する機会がありました。そのときに弁護士の仕事をはじめて間近で見て、「やっぱり弁護士になりたい」と思い、そこから本気で勉強しました。エクスターンシップ先の先生は若くして他界されたのですが、その先生のおかげで高いモチベーションを保つことができて、今でも感謝しています。

 

――弁護士としてのキャリアを教えてください。

2007年に弁護士になって、京都市内にある「中隆志法律事務所」に就職し、2015年に独立して「こうの法律事務所」を開設しました。独立当時は弁護士は私一人だったのですが、現在は3名体制です。

弁護士業務だけでなく、弁護士会の活動にも力を入れています。弁護士会というのは全都道府県に置かれている団体で、弁護士はどこかの弁護士会に必ず所属します。私は京都弁護士会に所属していて、長年広報委員会の委員長などを務め、2021年度の京都弁護士会副会長も務めました。

後進の指導として、2008年から現在まで立命館大学ロースクールでゼミも持っていて、2015年からは立命館大学法学部の非常勤講師も務めています。

 

――実際に弁護士になってみて、いかがでしょうか?

弁護士になる前は、ドラマなどの影響もあって華やかなイメージもありました。ただ実際になってみると、思ったより地味で泥臭い仕事だなぁと感じています。ドラマのように法廷でやり合うようなことは基本的になくて、デスクに座ってコツコツ書面を書いたり、依頼者と打ち合わせをしたり、色んな場所に移動することが仕事の大半です。

 

――注力している分野を教えてください。

特にどの分野に力を入れたいということはなく、いわゆる「マチ弁」として個人・法人のお困りごとに幅広く対応しています。分野単位ではなく、より難しい、より弁護士としての力量が試される案件に興味があります。

 

――弁護士として、どういったことを大切にされていますか?

「依頼者が後悔しない解決をする」ということを大切にしています。

そのためにも、依頼者の本当の希望を見極めて、それを実現するために全力を尽くすようにしています。というのも依頼者は、自分が本当は何を望んでいるかわかっていなかったり、無理だと諦めていることが多いんです。

 

――なにか具体的なエピソードはありますか?

たとえば以前、ある男性から離婚について相談を受けました。その男性は、最初は妻に親権を渡すことを前提に考えていたのですが、とても悔しくて悲しそうな顔をされていたんです。それで色々お話を聴いてみると、本当は子どもたちと生活したい、だけど仕事の都合で十分に面倒を看られないので、やむを得ず親権は譲るつもりでいるとわかりました。ところがさらに話を聴いてみると、工夫次第で十分子どもの面倒を看られることがわかったんです。それで、依頼を受けて親権を争うことにしました。

もし表面的な希望を真に受けて、親権を譲ることを前提に方針を立てていたら、きっと依頼者は後悔したでしょう。

 

――弁護士として経験を重ねたことで、以前と変わったことはありますか?

経験を積んだ分、解決までの見通しを立てやすくなりました。ご依頼いただく段階で、最終的にどういう解決に持っていくか考え、そのための手段を考え、手を抜くことなく実行していきます。

もちろん法律トラブルは相手のある話ですから、相手の出方次第で変わることや、予想外のことも起きます。ただ、「なるようになる」という甘い考えで場当たり的に対応することはありません。「なるようになる」というのは、一生懸命考え抜いて、やれるだけのことをやった上での話です。あくまでも、「結論を見据えて手段を考える」という連続性のある戦略を大切にしています。

もちろん依頼者にもしっかり見通しを説明しますので、依頼者からは「先生が言ったとおりになりましたね」と驚かれることも少なくありません。

 

――依頼者の希望通りの結果が出ないこともあるのでしょうか?

そうですね、100%勝てる弁護士はいません。依頼を受けた時点で劣勢というケースもありますが、同じ負けるにしてもダメージを少なくしたり、できるだけ良い形で終われるように努力します。

また、必ず依頼者の希望通りになるとは限らないからこそ、全力を尽くすことが大事です。弁護士が中途半端な仕事をしてしまうと、依頼者としては、「違う弁護士に頼んでいれば違う結果になったかも」と後悔が残りますよね。ですから、「あなたに頼んでダメなら諦めがつきます」と言ってもらえるくらい、全力でやっています。

 

――見通しを立てる段階で、依頼者の希望を叶えることが難しいとわかったら、どうされるのでしょうか?

正直に、難しいと伝えます。経験が浅い頃は自分の見立てに自信を持てないので、「やってみたらいけるかも」と考えてしまうこともありました。ところが今は自分の判断に自信を持っているので、私の考えをしっかり伝えるようにしています。

ただ意識しているのは、頭ごなしに「無理です」「難しいです」と言うだけでなく、「こういう方法があります」と代替案を示すことです。代替案を示せるからこそ、難しいと自信を持って言えるのでしょうね。

 

――やりがいを感じる瞬間を教えてください。

「自分だからこそできた」と思えるような解決ができたときです。たとえば法律的にすごく難しかったり、厳しい見通しから有利な解決に持っていったり、他の弁護士に断られた案件で良い結果を得られた場合などです。反対に、どの弁護士でも同じような結果が出るような案件は、私はあまりやりがいを感じません。

やりがいとは少し違いますが、尋問が好きです。ドラマとかでも証人の嘘を暴くみたいなシーンがありますよね。あそこまでドラマチックなことはありませんが、じっくり書面を書くのとは違うライブ感といいますか、弁護士としての力量が試されるところが好きですね。

 

――仕事の質を上げるために取り組んでいることはありますか?

法改正について勉強したり、法律に関する知識やスキルを高めるようにしています。また、あえて法律とは関係ないビジネス書、新書、小説なども読むようにしています。単純に面白いというのもありますが、弁護士が扱うトラブルは本当に幅広いので、相談を受けたときに色んな知識が役に立つんですよ。色んな分野の人の考え方や視点を知れたり、時間管理やタスク管理について学べるのも面白いですね。

 

――先生が取り組んでいるIT化について教えてください。

裁判自体のIT化が進んでいるので、そこに乗り遅れないように自分のスキルや事務所の環境を整えることは気をつけています。

今まで紙だった裁判書類などは、すべてデータ化して「弁護革命」というツールに入れてパソコン上で見ています。これによって、必要な情報を探す手間が大幅に減りましたし、作業が大幅に効率化されました。

連絡ツールとしては、依頼者とはメール、LINEなどを使いますし、事務所内ではChatworkをメインに使っています。依頼者との打ち合わせにはZoomを使うことも増えましたね。新しいツールなどは積極的に使いたいと思っているので、これからも色々試していきたいと思っています。

 

――今後の展望をお聞かせください。

以前所属していた事務所の所長も含めて、周りにはすごい弁護士がたくさんいて、自分はまだまだ未熟だと日々痛感します。その一方で、自分の弁護士としての力が上がっているのも実感しています。事務所を大きくしていきたいとか、特定の分野に特化したいという気持ちはないので、今やっていることを更に高いレベルでやれるようにしたいですね。

 

――相談者の方へ一言

弁護士に相談すべきかどうか迷う方は多いと思います。ただ一人で悩んでいても解決しないので、とにかく一度相談するのがおすすめです。その結果大したことないとわかれば心配が一つなくなりますし、弁護士に相談することで問題が大きくならずに済むことも多いです。とにかく、自分で判断できないと思った時点で一度ご連絡いただければと思います。

 

――弁護士情報

弁護士名:河野 佑宜(こうの ゆうき)
所属弁護士会:京都弁護士会
事務所名:こうの法律事務所
事務所HP:https://law-kouno.jp/
事務所住所:京都市中京区烏丸通夷川上る少将井町250ビルHANA7階

経歴:
2002年 立命館大学法学部 卒業
2004年 立命館大学大学院法学研究科 修了
2005年 司法試験合格
2007年 弁護士登録(京都弁護士会、登録番号36237)、中隆志法律事務所に入所
2015年9月 こうの法律事務所開設 

役職/活動実績:
2021年度 京都弁護士会 副会長
2015年度~2019年度 京都弁護士会 広報委員会 委員長
2019年度~2020年度 京都弁護士会 消費者サラ金被害救済センター運営委員会 委員長
2018年度~2020年度 京都弁護士会 消費者保護委員会 委員
2022年度〜 法律相談センター運営委員会 副委員長
2012年度~ 京都弁護士会 修習委員会 委員
2023年度~京都弁護士会 広報委員会 委員長
2022年度〜 日弁連公設事務所・法律相談センター委員会 委員
2008年~ 立命館大学大学院法務研究科 弁護士ゼミ講師
2015年~ 立命館大学法学部 非常勤講師

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