正義を追求する弁護士の使命と挑戦 / 戸舘 圭之 弁護士(戸舘圭之法律事務所)
戸舘圭之弁護士は、現在、戸舘圭之法律事務所を運営し、刑事事件や労働事件など人権擁護に力を注いでいます。今回は、弁護士を志したきっかけやこれまでのキャリア、袴田事件弁護団に所属する弁護士としての冤罪に対する思い、そして今後の展望についてお話を伺いました。
弁護士を志したきっかけ
私は、父が元裁判官であり弁護士でもあったことから、自然と法律に興味を持つようになりました。
静岡大学人文学部法学科に進学しましたが、当初は本格的に弁護士になるつもりはありませんでした。
しかし、大学在学中に袴田事件再審弁護団の弁護士から話を聞く機会があり、「袴田事件」の存在を知りました。
無実の罪で長年服役していた袴田巌氏の事件を知り、「こんな理不尽なことは現実に起こり得るのか」と強く感じ、冤罪事件や刑事事件に携わりたいと思うようになりました。
弁護士としてのキャリア
弁護士としての第一歩を踏み出す際、私は代々木総合法律事務所を選びました。
事務所との面談で「袴田事件に取り組みたい」と伝えたところ、歓迎してもらえたことが決め手でした。この事務所は、伝統的に労働者の権利や公害事件など、人権擁護に積極的に取り組んでおり、私にとって理想的な環境でした。
代々木総合法律事務所に在所中は、幅広い民事事件に携わる機会を得ると同時に、ホームレス支援や生活困窮者へのサポート活動にも積極的に参加しました。
特に「新宿七夕訴訟(新宿区ホームレス生活保護裁判)」では弁護団事務局長として活動するなど、人権派弁護士としての道を確立していきました。
その後、自立し、自分の信念を持って活動するために独立を決意し、戸舘圭之法律事務所を設立しました。
袴田事件の弁護団としての思い
袴田事件に関わる中で、日本の刑事裁判の問題点を痛感しました。
無実であるにもかかわらず逮捕されることが日常茶飯事であり、人質司法や不当な勾留が蔓延している現状に強い危機感を抱いています。
そのため、勾留理由開示という手続に注目しております。憲法が保障しているにもかかわらず年間400回程度しか行われないこの手続きを積極的に活用し、不当な勾留を減らすために努力しています。
「不当な勾留を減らすためには、勾留理由の開示を当たり前にすることが必要だ」と考えています。この活動を通じて、日本の刑事司法における透明性と公正さを追求しています。
今後注力していきたい分野・売り出したいサービス
最近、比較的取り扱うことが増えているのが学校に関する案件です。
私自身、教育に対する関心も高く、大学では教職課程を履修し、教育実習も経験しました。具体的には、学校で働く教職員の労働問題や、生徒が学校から停学・退学を受けた際の対応、いじめ被害への対応などを扱っています。
これまで学校とのトラブルは避けるべきという風潮がありましたが、弁護士が介入することで紛争解決がスムーズになると考えています。保護者や生徒が学校との交渉で弁護士の力を借りることをぜひ検討してほしいと思います。
先生が取り組んでいるIT化・DX
私は、SNSの活用や、依頼者とのコミュニケーションをLINEで行うことで、迅速な対応が可能になりました。
また、オンライン相談も積極的に導入しており、コロナ禍をきっかけにZOOMでの相談が増え、遠方の方にも対応できるようになりました。IT化やDX(デジタルトランスフォーメーション)にも積極的に取り組んでいます。
しかし、直接会うことの重要性も感じており、状況に応じてハイブリッドな対応を行っています。これにより、依頼者の多様なニーズに柔軟に応えています。
相談者の方へひとこと
最後に、相談者の皆さんにメッセージを送ります。どんなに難しいと思うような問題でも、ぜひご相談ください。
他の弁護士に断られた案件でも、なんとかなる場合もあります。あきらめずにお気軽にご相談いただければと思います。
友人知人からは、私は比較的おおらかで物腰柔らかいタイプの人間と言われています。緊張せずに話しやすい雰囲気を心がけていますので、どうぞお気軽にお声がけください。
弁護士情報
弁護士名:戸舘 圭之(とだて よしゆき)
所属弁護士会:第二東京弁護士会
事務所名:戸舘圭之法律事務所
事務所HP:https://www.todatelaw.jp/
事務所住所:東京都千代田区麹町2丁目12番13号LYNX麹町7F
経歴:
1999年 東京都立豊多摩高等学校卒業
2003年 静岡大学人文学部法学科卒業
2005年 司法試験合格(司法修習現行60期)
2007年 弁護士登録(第二東京弁護士会、登録番号36117)代々木総合法律事務所に入所
2014年 戸舘圭之法律事務所開設
日本弁護士連合会刑事法制委員会副委員長
青年法律家協会弁護士学者合同部会副議長
ブラック企業被害対策弁護団副代表
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