国際仲裁の専門家が語るグローバルな法務支援 / 堀江 純一 弁護士(アドバンテージ・パートナーシップ外国法事務弁護士事務所)
国際的な視点と豊富な経験を持つ弁護士が、オーストラリアでの日系企業支援と法務の実情を語る。物理学から法学へのキャリア転換、異文化への挑戦、そして飛行機操縦士資格取得など、多彩な経歴を持つ堀江純一弁護士にお話しをお伺いしました。
弁護士を志したきっかけを教えてください
実は大学時代には上智大学で「物理学」を専攻していました。当時の日本は、GHQ支配下の影響がまだ色濃く残る時代で、幼い頃から国際的な視点を持つことの重要性を強く感じていました。
そんな中で上智大学にはアメリカ軍人向けのメリーランド州立大学の分校があり、私は自ら望んで、そこで1年ほど学ぶことを選択しました。
そこからグローバルで勉強をすることに重要性を感じた私はその後、フィリピンにも留学し、さまざまな文化や価値観に触れました。
オーストラリアで弁護士として働いている理由は何ですか?
高校時代にオーストラリア人の家庭教師がいたことがきっかけで、この国に強い興味を抱くようになりました。
日本を出て、オーストラリアで会計と法律を学ぶためにサザン・クイーンズランド大学とニューサウスウェールズ州法務省法学大学院に進学しました。外国での学びは日本語で学ぶのに比べて2〜3倍の労力がかかりますが、私は努力することが好きな性格で、挑戦を楽しんでいました。
また、オーストラリアに来てからは友人の勧めで飛行機の操縦士の資格を取得するための勉強も始め、定期輸送機操縦士の資格を取得しました。この経験も、自分の限界を超えた挑戦ができる環境に身を置くことの大切さを教えてくれました。
現在注力している分野について教えてください
私が現在専門としている分野は、国際仲裁、国際調停、コーポレート及びM&A、労働法及び人事関連法、知的財産権、航空法など多岐にわたります。
特に国際商事仲裁には力を入れています。
国際商事仲裁とはどのようなものですか?
国際商事仲裁は、2国間で契約を結ぶ際、紛争が発生した場合どのように進めるか、という取り決めで、裁判所ではなく民間の仲裁機関が紛争を解決するプロセスを指します。この手続きはとても柔軟で、当事者間の合意によって手続きやルールが決定されます。
また、多国籍企業間の紛争に対応できるように設計されているため、迅速に解決されることが多く、非公開で行われるため機密性が高いのも特徴です。
さらに、紛争の分野に精通した専門家が仲裁人として選ばれるため、専門的な知識を活かした公平な判断が期待できます。
仲裁の流れとしては、まず当事者間で仲裁合意を結び、仲裁人を選定し、証拠提出や審理を経て、最終的に仲裁人が判断を下します。この判断は多くの場合、迅速かつ専門的に行われ、当事者にとって大きなメリットとなります。
オーストラリアでの弁護士活動を通じて、どのような顧客サポートを提供していますか?
私の顧客の多くは日系企業で、オーストラリア市場に進出する際の法的支援を提供しています。オーストラリアは人口が増加しており、経済も成長しているため、ビジネスチャンスが豊富です。しかし、現地の法律やビジネス慣行を理解せずに進出すると、失敗に終わるケースも少なくありません。そこで、私の国際的な視点と現地での経験を活かし、企業が直面する法的課題を解決し、成功に導くサポートを行っています。
特に食品メーカーやレストラン業界、化学薬品業界など、成長が著しい分野での事業展開においては、法的な助言が不可欠です。例えば、現地の労働法や知的財産権、環境規制など、各種法規制に適応するための支援を行っています。また、国際商事仲裁においても、企業間の紛争解決を迅速かつ円滑に進めるためのサポートを提供しています。
最後に、記事を読んでいる方へ一言お願いします
オーストラリアでのビジネス展開は多くの可能性を秘めていますが、その成功には現地の法制度やビジネス環境を深く理解することが不可欠です。
私のように国際的な視点を持ち、現地での経験を積んだ弁護士にぜひご相談ください。皆様のビジネスの成功を全力でサポートいたします。オーストラリアでのチャレンジを共に乗り越え、未来を切り拓いていきましょう。
弁護士情報
弁護士名:堀江 純一(ほりえ じゅんいち) / オーストラリア国弁護士
事務所名:アドバンテージ・パートナーシップ外国法事務弁護士事務所
国際仲裁弁護士/国際調停人
国連国際取引法委員会豪州支部上級会員
国際商業会議所本部仲裁・調停委員
国際仲裁不正防止対策本部委員
NSW州弁護士会調停人
オーストラリア国弁護士
日本弁護士連合会外国法事務弁護士
ニュージーランド国法廷弁護士
オーストラリア国公証人
公認会計士
英国中小企業診断士
弁護士会監査人
定期輸送機操縦士
気候変動に関する政府間パネル(IPCC)専門家
G20ビジネス・サミット2022メンバー
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