訴訟と企業法務のエキスパート,四大事務所出身弁護士の独立とその強み / 玉城 光博 弁護士 (東京駅前法律事務所)
早くから法律の世界に興味を持ち、その道を歩んできた玉城弁護士。法律の広がる世界と人々の人生に深く関われることに魅力を感じたという。大手法律事務所で長年の経験を積んだ後、独立を果たし、その弁護士人生をさらに深化させていらっしゃいます。弁護士を志したきっかけからキャリアの進展、独立の決断、今後の展望について伺いました。
弁護士を志したきっかけ
弁護士を志したのは高校1年生の時でした。文理選択の際、医師である両親から資格を持って仕事をすることを勧められました。その時、医師と比べて弁護士の方がより広い世界を見ることができるのではないかと考えました。そして何よりも、人の人生に深く関わることができる点に魅力を感じました。
弁護士になってから、その実感はさらに強まりました。弁護士の業務範囲は広く、M&Aなどの書類作成業務も多いため、全ての業務が人の人生に深く関わるというわけではありませんが、特に、訴訟に関わると1〜2年の付き合いが続くことが多く、クライアントと深い関係を築くことができ、やりがいを感じています。
弁護士としてのキャリア
知的財産法に興味があり、大学院でも専攻していたため、その分野の専門家と共に働くことでさらに学びたいと考えていました。私が入所した坂井三村法律事務所には裁判官経験者で知的財産専門の弁護士の先生が在籍しており、その方から学べることが大きな魅力でした。
入所後すぐに事務所は外資系にシフトし、弁護士の人数も70〜80人ほどに急増しました。私は知財や訴訟の経験を積んだ後、事業再生やM&Aなどの分野にも携わるようになりました。
その後、事務所がアンダーソン・毛利・友常法律事務所と統合され、私のキャリアはさらに広がりました。
独立のきっかけ
実は最初から独立を目指していたわけではありません。むしろ、チームで一緒に働くのが好きなタイプでした。しかし、アンダーソン・毛利・友常法律事務所に所属している中で、弁護士歴が10年を超え、子供が3〜4歳になった頃からワークライフバランスについても考えるようになりました。プライベートの時間を確保することで心に余裕ができ、仕事のパフォーマンスも向上すると感じたのです。また、それまで大手の法律事務所に所属しながらも、特定の分野に偏らず、様々な分野の業務を長年経験することができたことから、独立しても幅広い業務をこなせる自信がありました。そこで、独立に踏み切ることにしました。
今の強み・注力している分野
私の強みは、四大法律事務所で培った豊富な経験とノウハウにあります。
特に、四大法律事務所出身の弁護士で数年で独立する人は多いですが、10年以上所属した後に独立するケースは少ないです。当事務所にご依頼いただければ、四大法律事務所と同等のクオリティのリーガルサービスを提供できる上に、コストも抑えることができます。
四大法律事務所ではパートナーが案件を取り、アソシエイトに担当させることが一般的ですが、私はそれを一人で行うため、小回りが利き、迅速な対応が可能ですし、価格も抑えられます。
最近では、大手法律事務所と顧問契約を結んでいる大手企業が、セカンド顧問として私に依頼するケースが増えてきました。複数の弁護士が関与する必要のあるM&A案件などは大手事務所に任せ、日常的な法律相談や弁護士一人でも対応できる訴訟などは当事務所に依頼する、という使い分けをされています。日常的な法律相談なども大手事務所に依頼していると、あっという間に顧問料を超えてしまう上に、時間もかかってしまいます。それに対し、当事務所では、顧問料の範囲内でスピーディーに対応することが可能です。これは多くの企業にとって有益な方法だと考えています。
また、中小企業や個人事業主の方、または個人の方で、四大法律事務所と同じレベルのリーガルサービスを受けたいと思っているものの、四大法律事務所に依頼できるほどの資金力がないという方はたくさんいます。当事務所は、そういった方々に、一般的な相場の弁護士費用で、四大法律事務所出身の弁護士として可能な限り高いクオリティのリーガルサービスを提供しています。
先生が取り組んでいるIT化、DX
現在、訴訟の記録をクラウドで管理することは当然のことと考えています。
さらに、AIを活用した翻訳システムを契約しており、英文の契約書にも対応できるようにしています。これを利用することで、90%程度の精度で自動翻訳を完了させることができ、あとは確認作業を私が行うという流れで業務ができるため、以前のように1から翻訳する必要がなくなりました。また、DXとは違いますが、私は中国語もできるので、そのような案件にも対応可能です。
最近は契約書チェックのシステムも増えてきましたが、契約の背景や相手の属性を理解した上でのアドバイスも非常に重要だと考えているので、全ての業務をIT化・DX化することはまだ厳しいと感じています。
記事を読んでいる方へひとこと
弁護士を選ぶ際の基準は難しいかもしれませんが、弁護士の世界は大工の世界に似ています。良い棟梁のもとに弟子入りし、書籍などでは得られないノウハウを何年もかけて身につけ、そうして初めて独立に辿り着く。一昔前まで、弁護士は、最低10年は修行する必要があると言われていました。したがって、弁護士を選ぶ際は、どういった事務所でどれくらい経験を積んだのか、弁護士のバックグラウンド、経歴、職歴をよく確認することをお勧めします。ぜひお気軽にご相談ください。
弁護士情報
弁護士名:玉城 光博(たまき みつひろ)
所属弁護士会:東京弁護士会所属
事務所名:東京駅前法律事務所
事務所住所:東京都中央区京橋1-3-2 モリイチビル
略歴:
2002年 東京大学法学部(法学士)
2003年 旧司法試験合格
2004年 早稲田大学大学院法学研究科(知的財産権法専攻)(法学修士)
2005年 最高裁判所司法研修所修了(58期)・弁護士登録(東京弁護士会)・中華人民共和国上海市 東華大学留学
2006年 坂井・三村法律事務所 入所(統合により、ビンガム・坂井・三村・相澤法律事務所(外国法共同事業)を経て、現アンダーソン・毛利・友常法律事務所)
2016年 東京駅前法律事務所 開設
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