相続問題への情熱。省庁時代の経験を活かして / 田阪裕章弁護士(田阪法律事務所)
相続問題に精通する田阪弁護士。省庁から法曹界へ転身し、複雑な相続案件に尽力。使途不明金など難しい問題にも粘り強く取り組み、依頼者の納得を追求。本インタビューでは、独自のアプローチと豊富な経験に基づく相続への取り組みについてお伺いしました。
弁護士を志したきっかけを教えてください
弁護士を志したきっかけは、2001年の中央省庁の再編と、司法制度改革でした。司法制度改革では、規制緩和によって社会が事前規制型から事後救済型へと移行すると考えられていました。当時、私は郵政省(現在の総務省)で働いていたのですが、私が担当していた許認可も事後の届出制へと規制緩和がなされました。役所の業務は大きく変わり、事後の救済、特に裁判所による解決の重要性を強く感じました。
同時期にロースクール(法科大学院)が設立されることもあり、裁判所の役割が増大していく流れの中で、法律の専門家としての役割に大きな魅力を感じました。
元々法学部出身であり、社会を支えている法律の制度を学びたいという理由から、法律に興味がありました。大学卒業後に弁護士ではなく郵政省に入ったのは、90年代から続く日本の経済不況の中で、通信の改革が行われるべきタイミングだと思ったからです。当時の通信は電話回線による低速なものしかなく、ここに社会の需要を感じ、郵政省での勤務を選びました。
郵政省では、NTTの電話回線・光ファイバーを他社に解放させる業務を担当し、それを実現したことで、通信分野での改革に自分の中で一区切りがつきましたので、次のステップとして弁護士を目指すことにしました。
弁護士としてのキャリア
弁護士としてのキャリアは、大手企業の顧問を務める法律事務所から始まりました。大阪の老舗の事務所で、大企業の顧問業務や医療関係の訴訟、特に医療過誤の案件を多く手掛けました。
この時期に扱った案件の中には、長年にわたって対応している案件もあります。当時は医療過誤の病院側の訴訟や、道路・鉄道などのインフラ関連の案件も多く、非常に多岐にわたる経験を積むことができました。
その後、事務所からは独立して仕事をしていましたが、徐々に相続案件の取扱いが増えていきました。特に印象深かったのは、高齢者の方が預貯金の管理を任せていたところ、勝手に出金されたという使途不明金の案件です。こういった案件は、出金のリストアップから始まり、膨大な資料を整理して論争していかなければならないため、長引くことが多く、手間がかかります。私は、公務員のときから膨大な資料には慣れてきていましたので、普通であれば苦痛に感じるような量の資料でも、逆にやりがいを感じることができました。
令和6年1月には、相続分野に徹底して取り組むため、田阪法律事務所を立ち上げました。相続の中でも使途不明金などの複雑な問題に対して、徹底的に調査したうえで、幅広い解決策を提供することを心がけています。
現在の強み・注力している分野
現在の強みは、相続案件における徹底した調査と分析です。
普通の弁護士ならある程度のところで妥協するかもしれませんが、徹底的に調査して、出来ることはトコトンやるという姿勢で取り組みます。
依頼者の方から見ても、やり尽くしたと思えるまで取り組み、これ以上はもう無理というところまでやりきることで、事件終了後、依頼者の方には区切りを付けてもらい、将来に向かって人生を送ることの出来るよう手助けをします。このようなアプローチは、専門家としての責任を果たすために重要だと考えています。
今後の取り組み
今後も相続分野に注力し続けるとともに、遺言や信託といった揉めないための対策にも力を入れていきます。相続は早めの相談と準備が大変重要です。依頼者が安心して相続を迎えられるよう、しっかりとサポートしていきます。
また、相続案件においては、依頼者が納得できるまで徹底的に取り組む姿勢を維持し、信頼される弁護士であり続けたいと思っています。
先生が取り組んでいるIT化、DXを教えてください
IT化とDXの推進にも力を入れています。FAXの送受信をPDF化するなど、事務作業の効率化を図り、全ての書類をPDF化していきます。
また、IP電話を導入して、机上の固定電話をPCやスマートフォンに置き換えていき、効率的な業務運営を実現していきます。これにより、依頼者とのコミュニケーションが円滑に行える環境を整えています。
記事を見ている方へ一言
相続に関する相談は早めに行うことが大切です。
特に生前対策は後回しにされがちですが、早期にしっかりと準備することが揉め事を防ぐ鍵となります。
きっかけがないとなかなか相談しにくいと思いますが、ぜひお気軽にお問合せください。
弁護士情報
弁護士名:田阪 裕章(たさか ひろあき)
所属弁護士会:大阪弁護士会
事務所名:田阪法律事務所
事務所住所:〒530-0003 大阪市北区堂島1-1-5 関電不動産梅田新道ビル4階
平成11年3月 京都大学法学部卒業
平成11年4月 旧郵政省(現総務省)入省
平成14年3月 総務省退職
平成16年4月 京都産業大学大学院法務研究科(ロースクール)入学
平成19年3月 同修了
平成19年11月 最高裁判所司法研修所(司法修習生)
平成20年12月 司法修習修了・弁護士登録(大阪弁護士会)
大阪市消費者保護審議会委員(元)
大阪武道振興協会監事(現)
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