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兄弟や家族の借金を返済する義務はある?現役弁護士が解説

兄弟の借金がある場合でも、原則はあなたに返済義務はありません。しかし、例外的に返済義務が発生するケースもあります。今回は、兄弟の借金の返済義務があなたに発生するのはどんなケースなのかや、返済義務が発生した場合の対処法等を現役弁護士が解説します。

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「兄弟や家族が借金をしていて、自分に被害が及ばないか心配」
「兄弟や家族の借金の返済を手伝いたい」
というお悩みを抱えている方は、一度弁護士に相談されることをおすすめします。
弁護士に相談することで、下記のようなメリットを得られる可能性があります。

Point

借金返済のためにした方が良いことについて、アドバイスをしてくれる。
・債務整理をする場合は、煩雑な手続きや交渉を代理で行ってくれる
・些細な悩みや疑問についても、丁寧にアドバイスしてくれる。

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兄弟や家族がした借金を返済する義務はあるのか?

兄弟や家族がした借金をあなたが返済する義務はあるのでしょうか?返済する義務がないケースとあるケースを解説します。

基本的には返済義務は発生しない

兄弟や家族が借金をしたとしても、基本的には、借りた人以外には返済する義務は発生しませんですから、兄弟や家族が、借りた本人に代わって、支払う義務はないのです。

例外的に返済義務が発生する場合もある

しかし、例外的に兄弟や家族が返済する義務を負う場合もあります。

典型的な例は、保証人になっている場合です。これは、家族だから返済するというよりも、保証人になっているので、「保証人」として返済する義務を負うということになります。

もう一つの例は、借りた人が亡くなった場合です。この場合は、相続人となる家族が、返済する義務を相続するので、支払う必要があります。ただし、この場合返済する金額は、借金全額ではなく、各相続人の相続分に応じた金額になります。

兄弟や家族が借金をしていることで家族に及ぶ可能性のあるリスクとは?

兄弟や家族が借金をしていることで、家族にどんなリスクが及ぶ可能性があるのでしょうか?

家族に取り立てがくる可能性がある

家族が借金をしていて、その借入先がいわゆる闇金である場合には、自宅にまで取り立てが来るという可能性もあります

万が一そのようなことになった場合、その場で返済しないで、取り立てに来た人に帰るよう告げてください立ち去らない場合は、警察に電話するという方法もあります。

そして、もしも闇金から借りてしまった場合には、すぐに弁護士に相談したほうがよいでしょう。

借り主の財産が差し押さえられる可能性がある

借りたお金を返済できない場合は、借りた人の持っている不動産や動産、預貯金口座や給与債権が差し押さえられることがあります。

不動産が差し押さえられて競売にかかれば、家族は住居を失ってしまいます。動産の強制執行はあまり数は多くないのですが、自動車が差し押さえられてしまった場合、家族も利用することができなくなります。

預貯金や給与債権が差し押さえられれば、本来得られるはずの収入が得られないので、当然家族の生活にも大きな影響を及ぼします。

亡くなった兄弟や家族の借金を相続したくない場合はどうすればいい?

それでは、亡くなった兄弟や家族が借金をしていて、それを相続したくない場合は、どのうような手段を取ると良いのでしょうか?

期間内に相続放棄を行う

借金(債務)を相続したくないという場合には、相続放棄をする方法があります。

相続放棄とは、財産も債務もすべて受け継がないという制度で、はじめから相続人とならなかったとみなされます(民法939条)。

(相続の放棄の効力)
第九百三十九条 相続の放棄をした者は、その相続に関しては、初めから相続人とならなかったものとみなす。

出典:民法

相続放棄は、自己のために相続の開始があったことを知ったときから3か月以内に、被相続人が亡くなったときの住所地を管轄する家庭裁判所に、申述(申立てること)する方法で行います(同法915条1項、938条)。

(相続の承認又は放棄をすべき期間)
第九百十五条 相続人は、自己のために相続の開始があったことを知った時から三箇月以内に、相続について、単純若しくは限定の承認又は放棄をしなければならない。ただし、この期間は、利害関係人又は検察官の請求によって、家庭裁判所において伸長することができる。
 
(相続の放棄の方式)
第九百三十八条 相続の放棄をしようとする者は、その旨を家庭裁判所に申述しなければならない。
出典:民法

相続放棄は、債務を相続しないので借金を支払わなくて良くなるのはメリットですが、財産も受け継げないのがデメリットです。

3か月以内に放棄するか決められない場合や、調査をしてから決めたいが3か月以内に調査が終わらなそうという場合は、「相続放棄の申述期間の延長」を家庭裁判所に申立てることができます。ただ、この手続きは相続放棄の申述と同様の書類が必要なので、手間はかかります。

なお、相続人が相続放棄をした結果、別の家族が相続人となる可能性も出てくることは頭にいれておいたほうがいいかもしれません。

借金だけを相続したくない場合は限定承認を行う

借金だけを相続したくないという場合は、限定承認という方法もあります。

限定承認とは、相続によって得た財産の限度でのみ相続した債務を弁済するという留保つきの相続で(同法922条)、相続放棄と同じく3か月以内に家庭裁判所に申述する方法で行います(同法924条)。

(限定承認)
第九百二十二条 相続人は、相続によって得た財産の限度においてのみ被相続人の債務及び遺贈を弁済すべきことを留保して、相続の承認をすることができる。
 
(限定承認の方式)
第九百二十四条 相続人は、限定承認をしようとするときは、第九百十五条第一項の期間内に、相続財産の目録を作成して家庭裁判所に提出し、限定承認をする旨を申述しなければならない。
出典:民法

債務が多い場合でも相続した財産の範囲内で返済すれば済むのが、限定承認のメリットです。

一方、手続きをするには、相続人全員が限定承認の手続きをしなければならないこと、「公告」という官報に掲載する手続きや、個別の債権者に「催告」という手続きをしなければならないこと等、手続きが煩雑であることが大きなデメリットといえます。

弁護士に相談する

弁護士に相談して最終的な解決策を決めるという方法もあります。

相続放棄をするにしても債務金額や財産の調査をするべきですし、債務によっては時効が成立していて時効の援用により返済義務がなくなる可能性もあります

また、債務が少ないから相続を承認して相続財産から支払うという場合でも、他の相続人の協力が得られない場合は、実際に相続財産を現金化し支払うまでに時間がかかってしまうこともあります。

弁護士に相談することで、現状の把握と、ベストと思われる解決策の提案、さらには相続放棄の手続を代わりにしてもらうということもできるので、安心と時間短縮を手に入れられます。

兄弟や家族の借金を整理したい場合の対処法は?

もしあなたが兄弟や家族に代わって借金の整理をしたい場合は、下記のような対処法を取ることをおすすめします。

債務整理を行う

債務整理を行い、兄弟や家族に代わって借金を整理するのも一つの手段です。

債務整理には、任意整理、破産、民事再生等の種類があり、借り入れの状況や、どのような返済計画であれば返せそうなのか等によって、適切な手段が異なります

弁護士に相談した場合、弁護士からどの方法が適切そうかのアドバイスを受けたあと、そのまま債務整理の手続きや交渉を依頼することができる可能性もあります。

ただ、家族が依頼しても弁護士は受任できないので、かならず借入れた本人が相談に行き、弁護士に依頼する必要があります。

また、支払うことが本当に借入れた人のためになるのかも考える必要があります。借入れるに至った原因はなんだったのか、家族が支払ってくれるからいいかと再び借り入れをしてしまう可能性はないのか等、本当に良い解決なのかを考える必要があると思います。

弁護士は多角的な視点からアドバイスします。ぜひ一度ご相談ください。

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