被害届とは?告訴・告発との違いは?被害届が不受理の場合はどうすれば良い?弁護士が解説
被害届とは、警察に対して自分が受けた被害を届け出る書類のことです。原則被害届は受理されなければなりませんが、実際は不受理となるケースもあるようです。今回カケコムでは、被害届の意味や告訴告発との違い、被害届を出した後の流れ、不受理となった場合にどうすべきかを解説します。
もし被害届をより確実に受理してもらいたかったり、被害届が不受理であったため告訴に切り替えたい場合は、弁護士へ相談し、サポートしてもらうことをおすすめします。
弁護士へ相談することで下記のようなことを実現できる可能性があります。
・受理されやすいような被害届の書き方をサポートしてもらえる。
・被害届以外の適切な対処法をアドバイスしてくれる。
・告訴の手続きをしてくれる。
できるだけ早めに弁護士へ相談し、行動していくことが重要です。
下記のボタンから、お早めにご相談ください。
被害届は必ず受理されるのか
被害届の提出を受けた警察官は、犯罪捜査規範第六十一条一項にて、必ず受理しなければならないと規定されています。
第六十一条一項 警察官は、犯罪による被害の届出をする者があつたときは、その届出に係る事件が管轄区域の事件であるかどうかを問わず、これを受理しなければならない。
しかし、犯罪捜査規範は、「警察官が犯罪の捜査を行うに当つて守るべき心構え、捜査の方法、手続その他捜査に関し必要な事項を定めることを目的と」して定められたものです(犯罪捜査規範第一条より)。あくまでも警察内で定められた規範というわけです。
そのため、実際には被害届の受理をしない場合も多々あるようです。
被害届の不受理率は25%も
実際、2019年11月30日にYahooニュースに掲載されたニュースによると、実情は被害届が受理されないこともあるようです。
11月21日、法務省への要望書提出の前に行われた院内集会では、東京で性暴力被害者支援を行う「SARC東京」が、警察へ同行支援したケース242件(144人)中、被害届の不受理=25%、不起訴=5.5%、有罪判決=2.7%という結果を語りました。
出典:Yahooニュース「支援団体「被害届の不受理が25%」 実態を明らかにして性犯罪刑法改正の議論を」
被害届が受理されないケースとは
続いて、被害届が受理されない可能性があるケースについてご紹介します。
警察が扱えない民事事件であると判断されたケース
警察は、民事不介入です。原則、刑事事件のみを扱うため、個人と個人の問題や、個人と会社の問題等、私人の問題を扱う民事事件には介入ができません。
そのため、被害届を提出する際には、犯罪ではない単なる民事事件ではないかを事前にしっかりと確認しておくことで、被害届を受理してもらえる確率が上がるでしょう。
事件性や犯罪性がないと判断されたケース
前述した通り、警察が取り扱う事件は刑事事件となる場合のみです。
そのため、被害届の内容に事件性や犯罪性がないと判断できる場合には、被害届を受理してもらうことは難しいといえるでしょう。
また、事件性や犯罪性が認められる場合でも、それが極めて軽微である場合には、こちらも同様に受理してもらえない可能性があります。
それでは、このように被害届を提出したにも関わらず受理してもらえなかった場合、どう行動すれば良いのでしょうか?
被害届が受理されなかったらどうすれば良い?
被害届を警察に提出しても受理されなかった場合、下記のような手段を取ることが有効でしょう。一度検討してみてください。
告訴に切り替える
万一被害届が受理されなかった場合は、告訴に切り替え、告訴状を提出するのも一つの手段です。
告訴をした場合、それを受けた司法警察員は告訴状等を速やかに検察官に送らなければなりません(刑事訴訟法第二百四十二条)。
第二百四十二条 司法警察員は、告訴又は告発を受けたときは、速やかにこれに関する書類及び証拠物を検察官に送付しなければならない。
出典:刑事訴訟法
この点が、被害届を提出した際と異なり、告訴を受けた警察が早く捜査に取り掛からなければならない理由になり得ます。
そのため、告訴に切り替えることも効果的でしょう。
弁護士へ相談する
もし被害届をより確実に受理してもらいたかったり、被害届が不受理であったため告訴に切り替えたい場合には、弁護士へ相談し、サポートしてもらうことをおすすめします。
弁護士に依頼することで、受理されやすいような被害届の書き方をサポートしてもらえたり、被害届以外の適切な対処法をアドバイスしてくれたり、告訴の手続きをしてくれる可能性があります。
また、警察に被害届を受理してもらうことを諦めた場合にも、弁護士に依頼することで犯人の特定から示談交渉まで行ってくれたり、例えば詐欺被害等があった場合には犯人に返金請求を行ってくれる場合があります。
カケコム登録弁護士なら、初回の相談を無料で受け付けていたり、オンライン相談を受け付けている場合があるので、少しでもお悩みの方はぜひ一度ご相談ください。