結婚しても苗字を変えないことはできる?苗字を変えたくない場合の3つの対処法を解説
「結婚しても苗字は変えたくない!」という女性は、実は少なくありません。苗字を変えるとなると、面倒な手続きが多くあったり、仕事に影響がでたりするため、大変ですよね。本記事ではそんな女性のために、結婚後の名字について詳しく解説いたします。
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内閣府の調査によると、結婚して苗字を変えることに対して「名字(姓)が変わったことで、新たな人生が始まるような喜びを感じると思う」と回答した人が41.9%いた一方で、「今までの自分が失われてしまったような感じを持つと思う」と回答した人が8.6%いました(複数回答)。
出典:内閣府 世論調査「婚姻による名字(姓)の変更に対する意識」
このように、結婚をしたことで苗字を変えることにネガティブな印象を抱く方もいますが、実際、結婚したら苗字を変えないことはできないのでしょうか?
結婚しても苗字を変えないことはできる?
原則、結婚をしたら夫婦同姓にしなければならないため、同じ苗字でない限り、夫婦のどちらかがどちらかの姓に変更しなければなりません。
これは、民法750条に定められています。
(夫婦の氏)
第七百五十条 夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する。出典:民法
しかし、戸籍上は苗字を変えて夫婦同姓を名乗らなければならなくても、実生活では苗字を変えずに生活していくことが可能な場合があります。
それでは、どのような方法を取れば、結婚をしても苗字を変えずに生活することができるのでしょうか?
結婚しても苗字を変えたくない場合の対処法
結婚しても苗字を変えたくない場合(1) 事実婚にする
結婚して苗字を変更したくないのなら、事実婚を選ぶのも良いでしょう。
というのも、事実婚であれば、結婚後も私生活だけでなく、戸籍上も苗字を変えなくても良いからです。
ただし、事実婚はまだ周囲の理解を得にくかったり、子供ができても非嫡出子になったり、配偶者控除が受けられないなどのデメリットもありますので、メリットとのバランスを見て慎重に判断する必要があります。
事実婚についてより詳しく知りたい人は、下記の記事をご覧ください。
>>【関連記事】事実婚の意味って?|メリット・デメリット・法律婚との違い
結婚しても苗字を変えたくない場合(2) 通称を使用する
結婚後に仕事などの理由で苗字変更をしないのなら、通称を使用する方法もあります。
通称を使用するメリットは、通常の結婚をするので子供が非嫡出子にならなかったり、配偶者控除などが受けられるという点です。
ただし、公的な書類やホテルの予約やクレジットカードのサインなどの際に通称を使うとトラブルになる可能性がある点は、デメリットになります。
結婚しても苗字を変えたくない場合(3) 国際結婚をする
結婚語に苗字を変えたくない場合には、国際結婚をするのもひとつの手段です。
というのも、国際結婚をすれば法的に結婚を認められつつ、夫婦別姓を実現できるからです。
国際結婚をした後は、住居の拠点となる国の制度を利用できるようになります。
結婚しても苗字を変えたくない場合(4) 選択的夫婦別姓が日本で認められるのを待つ
選択的夫婦別姓が日本で認められるのを待つというのも、結婚しても苗字を変えたくないという人の一つの選択肢です。
選択的夫婦別姓とは、夫婦が望む場合、結婚後の夫と妻それぞれの苗字を結婚前と同様のままにすることができるという制度です。
この選択的夫婦別姓が適用されたタイミングで結婚するのも良いと思いますが、法務省のHPよると、下記の通り、今結婚したとしても後々選択的夫婦別姓の導入が決まったあとに夫婦別姓を選択することができる可能性があります。
Q10 選択的夫婦別氏制度が導入される前に結婚した夫婦は,別氏夫婦になることができないのでしょうか。
A 平成8年の法制審議会の答申では,制度導入前に結婚した同氏夫婦は,一定期間内に戸籍法の定める手続に従って届け出る等の要件を満たすことによって,別氏夫婦になることができるとされています。
出典:法務省
そのため、近々日本人同士で正式な結婚をしたいと思っているけれど本当は夫婦別姓でいたいという人は、一旦は通常の結婚をして、結婚後は通称を使うようにし、選択的夫婦同姓が認められたら別姓の申請をするのもひとつの手です。
一旦夫婦同姓にする場合、どんな手続きが必要になるのかについては、下記で解説します。
結婚して苗字が変わったら必要になる手続き
結婚して、苗字が変わったら必要なことをまずは確認しておきましょう。
結婚後には、苗字変更においてあらゆる手続きが必要です。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(1) 印鑑を新しく作る
結婚して苗字が変わった場合には、印鑑を旧姓から新しい苗字に変える必要があります。
変える印鑑は、実印、認印、銀行印の3本です。
印鑑の苗字を変えなければ、苗字を変えるあらゆる手続きができませんので、まずは印鑑を準備することが大切です。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(2) 免許証の名義変更
印鑑を作り変えたら、次は免許証の名義変更を行いましょう。
免許証の名義変更は、最寄の警察署か運転免許試験場、運転免許センターで行えます。
結婚して苗字が変わった際の免許証の名義変更には新姓の印鑑、住民票などが必要なので、予め確認し、準備しておきましょう。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(3) 銀行口座の名義変更
結婚して苗字が変わったら、銀行口座の名義変更も行う必要があります。
その際にも、新しい姓の印鑑や免許証などの身分証明書が必要になるはずです。
振り込み口座などの名前が旧姓だと給与振り込みなども正しく行われないことがあるので、忘れないようにしてください。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(4) パスポートの名義変更
結婚後の苗字が変わってから忘れがちなのが、パスポートの名義変更です。
パスポートも、旧姓のままだと使用することができませんので、必ず名義変更を行ってください。
手続きは最寄のパスポートセンターで行いましょう。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(5) クレジットカードの名義変更
クレジットカードも結婚後に苗字が変わったら、名義変更をする必要があります。
クレジットカードの引き落とし口座も同時に名義変更をすることを忘れないようにしてください。
結婚後に苗字だけでなく住所など他にも変更がある場合には同時に手続きを行います。
まずは使用しているクレジットカード会社に問い合わせてみましょう。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(6) 公的医療保険関連の名義変更
結婚して苗字が変わったら、公的医療保険関連の名義変更も行う必要があります。
たとえば国民健康保険証や、持病がある場合にはそれに伴う医療証なども含まれます。
これらは手続きを行う機関が異なることがありますので、まずは役所に問い合わせてみるのが良いでしょう。
結婚して苗字が変わったら必要なこと(7) 仕事での使い分け
結婚して苗字が変わったら、仕事での使い分けを行う必要があります。
職場で結婚後の苗字変更に伴い姓を変えるのか、旧姓のまま使用するのかなどを考えなければなりません。
また、結婚後には名刺などの苗字変更が必要な場合もあるでしょう。
結婚しても苗字を変えたくない人のための3つの方法とはのまとめ
結婚後に苗字を変えたくないという人は、事実婚を選んだり、通称を選ぶなどの工夫をしてみると良いでしょう。
ただし、事実婚は法律婚と違い、様々な手続きが複雑となることが多いようです。
結婚後の夫婦別姓において、法律問題で困った際にはトラブルが大きくなる前に弁護士に相談することをおすすめします。
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