離婚前にやってはいけないこと+離婚前にしておくこと10選!
離婚前にしておくこと10個をまとめて紹介していきます。離婚は、非常に精神的にも肉体的にも疲れる作業が多いという話を聞きますね。一時の感情だけでなく、真剣に冷静な頭で離婚を考えている人は、もう少し先の離婚をスムーズに進めるためにやっておく事まで考えられるとその疲労を減らす事が出来そうです。
離婚前にやってはいけないこと
離婚を考える理由は人それぞれですが、勢いで離婚すると、思わぬ不利益と被ることになります。ここに挙げたことは特に気をつけてください。
感情的に離婚を切り出す
感情的になって行動することは避けるべきです。感情的な争いによって相手が反発して離婚しづらくなることが考えられる一方で、あっさり離婚を認められた結果、離婚後の準備が追いつかないこともあり得ます。
相手が夫婦ではなく他人になってしまうこと、親権を失ってしまうこと、経済が苦しくなること、住居を失ってしまうことなど、さまざまなリスクがあるので密かに準備をして、離婚しても生活できる状況が整ってから離婚を切り出しましょう。
なお、離婚を切り出したからといって、慰謝料や養育費などの離婚条件について法的に不利になるわけではありません。
証拠不十分のまま法的な争いをする
どのような被害についても、立証責任は、それを主張する側(原告)にあります。
例えば、配偶者の不貞行為を発見した際、怒り心頭になって問い詰めると、相手が一時的に認めたとしても、後日否認に転じる可能性があります。その結果、法的な争いになった際に証拠が不十分となり、自身が不利な立場に立たされることもあります。
その他にも、配偶者の財産隠しのせいで受け取れる財産分与額が減る場合もあれば、あなたの方がDV・モラハラを受けたにも関わらず、配偶者の連れ去り・あなたの置き去りによって親権を失う場合もあります。
相手を訴え、権利を勝ち取りたいなら必ず証拠を集めましょう。
再婚したい相手と不貞行為をする
再婚を考える前に、まずは現在の離婚問題を解決することが重要です。
すぐ再婚できるようにと新しい恋人を見つけて不貞行為をすると、有責配偶者と認められ、相手の合意なしで離婚できなくなってしまいます。
離婚が認められるまでは不倫をせず、すでに不倫をしている場合には弁護士に相談することをお勧めします。
夫婦円満なのに蒸発する
法定離婚事由を作るために別居をすることが有効な場合もあるでしょう。しかし正当な理由もないのに突然姿を消す(蒸発する)と、同居義務に違反したとして有責配偶者になる恐れがあります。
離婚の前に別居する場合も相手と話し合ってください。
弁護士以外に法律相談する
離婚についての法律相談を受けられるのは弁護士だけであり、他の士業が法律相談を受け、法律問題を鑑定した場合は非弁行為に当たる可能性があります。
離婚の悩みを相談する相手に制限はありませんが、法律相談だけは気をつけましょう。
ちなみに、離婚について人を選ばずに話すと望まない形で拡散されることがあります。世間にも相手にもバレないよう気をつけましょう。
離婚前にしておくべき10のこと!
離婚前には不利になる行動は可能な限り避け、離婚後困らないための準備をしておきたいものです。こちらでは、離婚前からやっておくべきことを紹介します。
離婚後の住居を決める
離婚前にしておくことの最初に決めておかなければいけないのが、離婚後の住居についてです。
一人で生活していくにはお金はいくらあっても足りないくらいです。
しばらくホテル住まいなどという優雅な事をやっていては、あっという間に生活に困窮してしまいます。
離婚後の自分の収入と新しい家族の人数を考慮して、しっかりと落ち着ける住居探しをしておきましょう。
養育費の計算
子供をどちらが引き取るべきか考えたら、養育費の事も考えておきましょう。
基本的には引き取った側の収入に関わらず、もう一方の親から支払われるのが養育費です。
養育費については養育費の算定表を参考に決めることが良いでしょう。一方で養育費の支払いが難しい場合は実情に合わせた支払いができるような調整が求められます。
面会交流の調整
面会交流は親権を持たない親や子にとって重要な行事です。
どのくらいの頻度で会うか、どういった方法で会うかを考え、離婚前にしておくことリストに入れておきましょう。
財産調査
財産分与の話し合いは、調査も含めて一朝一夕で終わるものではありません。
共有財産の計算は離婚前にしておくことがおすすめです。
結婚した後に夫婦で購入した物は、どちらの名義であるかは関係なく、財産分与の対象となります。
自分が家を出る場合、どれを持って行きたいか、出来ればリストを作って、財産価値から半々に分けられるように決めておければ良いですね。
生活費の確保
離婚前にしておくことの中で大切なことに、離婚後の生活費のめどを立てる事があります。
一人で暮らすためには、収入がいくらあれば生活できるのか、家賃をいくらまで払えるのか、子供を引き取る場合は子供にどのくらいお金がかかるのか、思いつく限り書き出しておきましょう。
引越し費用や家具代など、離婚後の初期費用としては100万円ほど必要と考えられます。
養育費や、国からの母子家庭・父子家庭にもらえる手当なども調べ、しっかり生活費のたしにしていきましょう。
手当の他にも、市区町村によっては水道代の補助や医療費の補助などありますのでその調査も離婚前にしておくことで安心できますね。
配偶者の友人と連絡が取れるようにしておく
離婚する前に配偶者の友人の連絡先をなぜ聞いておく必要があるのかと言うと、離婚後に元配偶者と連絡が取れなくなる場合があるからです。
配偶者の会社での所属や上司の名前なども出来る限り調べて書き留めておきましょう。
離婚した後には、配偶者の友人とは連絡が取れなくなるでしょうし、離婚前にしておくことです。
出来るだけ話しやすい友人を選んで、電話番号やメールアドレスだけでも教えてもらえると良いですね。
離婚を切り出す原因・証拠の確認
相手に原因がある場合の離婚は、慰謝料請求が出来ます。
慰謝料が欲しい場合は、まず弁護士に相談して、その理由が慰謝料の発生原因になるか判断してもらい、必要な証拠があればそれを揃えてから、離婚話をはじめたいものですね。
配偶者が結婚生活を破綻させた証拠集めは、離婚前にしておく重要なことになります。
厚生年金の分割について(第3号被保険者)
婚姻期間が長期に渡っており、その間妻が第3号被保険者になっていた場合、厚生年金手当の分割請求が行えるというものです。
最高5割、婚姻期間の期間分だけ相手が受け取る年金から妻側へ年金が渡る仕組みです。
これも年金事務所に届け出る書類が必要になりますので、話し合いから書類作成までは弁護士を通した方が良いでしょう。
慰謝料、養育費、年金の分割はセットで行うと良いです。
仕事探し
扶養されている場合や、転居によって転職せざるを得ない場合は仕事探しをしておきましょう。子供がいて働きづらい場合についても、可能な限り収入源を作っておくことが望ましいです。
離婚した方が良いのかもう一度考えてみる
それでもまだ時間が余るようなら、時々「本当に離婚をした方が良いのだろうか」と冷静な頭で何度も考えてみましょう。
これは、離婚の前にしておくことであり、離婚の前にしか出来ない事です。
実際に離婚をしてみたけれど、ちっとも良くなかった。
考えすぎて悪い事はありませんし、離婚の前にしておくことで自分の中だけで解決する事があるかも知れません。
離婚についてもっと知りたい人はこちらの記事も合わせて読んでみてください
まとめ
色々と離婚前にしておくことが必要である事がわかりましたね。
これ以外にも、格式の高い家の場合は親族が出てきてもめる事もあるのではないでしょうか。
あくまでもここでお話した離婚前にしておくことは、一般的な離婚の前準備という事になります。
この他にも自分の立場で思いつく限り、離婚前にしておくことを増やしていくと良いでしょう。
ここまで何度も出てきましたが、離婚には専門家の助力があるとずいぶんと有利に事が進みます。
また、後で問題にならないよう正式な書類の作成も必要になってきます。
離婚を考えている人は、まずは離婚問題に強い弁護士に相談してみましょう。