離婚を決意するときは夫と妻でこんなに違う!決意したら考えるべきことも解説
離婚を決意する瞬間とは、どのようなときなのでしょうか?実は「ある日突然離婚を切り出されたけれ、相手が言う離婚の理由が自分にはさっぱり理解できない」「それって離婚するほどのこと?」といった気持ちを持つ方は、少なくありません。異性間で考え方や感じ方が異なり、お互いの気持ちが理解できないということは珍しくないようです。そこで本記事では、女性と男性がそれぞれどのような理由で離婚を考えるのかご紹介します。
離婚を決意する瞬間、裁判所によると…
離婚を迷ってもなかなか決意できないという方は少なくないと思われます。
日経xwomanのアンケートによると、離婚を考えたことがある人は全体の8割ほどで、かつ険悪な状態となっている夫婦は、およそ4人に1人という回答が示されています。
しかし、離婚を決意し実際に行動を移すにはそれなりの理由が必要です。「離婚調停を申し立てた動機の司法統計(令和2年度)」のデータを参照し、男女別に多い申立理由をご紹介します。
妻の申立理由
- 性格が合わない
- 生活費を渡さない
- 精神的に虐待する
- 暴力を振るう
- 異性関係
夫の申立理由
- 性格が合わない
- 精神的に虐待する
- 異性関係
- 家族親族と折り合いが悪い
- 性的不調和
妻が離婚を決意するとき
女性と男性の離婚を考える時にはどのような違いが出てくるのでしょうか。
まずは、妻が離婚を考える時を見ていきたいと思います。
性格の不一致
何と言っても離婚の理由の一番は、昔も今も「性格の不一致」です。
これと言ってハッキリとした相手に落ち度が無い場合、それでもなんとなく相手と一緒にいられないと思ってしまうのがすべてこの性格の不一致に当たるからです。
恋愛中は楽しい事に隠れて見えなかった相手の嫌な部分が見えて来たという事もあります。
特に女性が性格の不一致を感じるのは子供が出来てからが多くなっています。
女としての感情よりも母性が上回り、育児に対する意見が夫と食い違った時に離婚を考える人が多いのです。
家庭内暴力
男性でも口が達者な人もいますが、多くの男性は「男は黙って……」というタイプの人が多いようです。
言いたい事も言えず、ストレスが貯まると暴力に訴えて自分の意志を通そうとする男性も多いようです。
言葉では女性に勝てないからというのは只の言い訳で、どんな場合でも暴力は許される事ではありません。
妻が離婚を考える時に暴力を振るわれた時があがっているのもうなづけます。
一度でも暴力をふるわれたら、また暴力をふるわれるのではないかと思ってしまい、何もない生活でもおどおどと暮らさなくてはいけなくなってしまいますね。
家庭を顧みない
妻は家事があるので、なかなか家から出る事が出来ません。
男性は外で仕事をしているので、家庭に嫌な事があると妻が居ない家庭の外に逃げようとします。
時には一人になってストレスを発散させたい事もあるでしょうが、それが度を越すと「家庭を顧みない」と思われ、妻が離婚を考えるようになってしまいます。
女性も息抜きに外出する事もあるでしょうが、男性ほど頻繁に外で息抜きをする事も出来ません。
そんな時、同じ夫婦なのにという男女差を感じて、強い不満を抱いてしまう事になるのですね。
不倫
妻側の不倫も問題になる事がありますが、それでもまだ数は男性の比ではありません。
男性は仕事と称して外で自由に出来る時間が多く取れるのも、このような男性側に不貞行為が増えてしまう原因のひとつなのではないでしょうか。
配偶者の不倫は、男女関係なく「バカにされた」「自分というものがありながら」と強い憤りを感じます。
離婚を考える時として、不倫は決定的なきっかけになります。
浪費癖
釣りや自動車といったお金のかかる趣味、ギャンブルにハマってしまうなど、男性側の浪費癖の話を耳にします。
収入に見合ったお小遣いの範囲で趣味やギャンブルをする事はかまいませんが、家計に影響してしまうような浪費癖は、生きていくのにも困ってしまいますね。
夫が家計に入れる金額が減れば、妻の負担が増える事になります。
これなら自分ひとりで生活した方がまだ楽だと思ってしまい、離婚を考える妻もいるのです。
夫が離婚を決意するとき
妻が離婚を考える時だけでなく、夫側、男性が離婚を考える時もありますね。
ここからは夫が離婚を考える時を見ていきます。
性格の不一致
男性側も、離婚を考える一番の原因は性格の不一致でした。
例えば、毎日の生活習慣さえも、それまで全く違った環境で暮らしてきた二人には、意見の食い違いの原因になる事もありえます。
食事の時間について妻から細かく指定される、日曜日の過ごし方、片付けに対する考え方。
どれも取るに足りないささいな事ですが、それが積み重なり口論が多くなればうんざりしてきて、離婚を考える時もあるのです。
精神的暴力
腕力の強さでは女性は男性には勝てないですね。
女性が何とか自分の意見を相手に納得して欲しい時は、言葉で訴えます。
あまりにも必死に自分の意見を通そうとしてしまうと、その言葉は相手の事を考えられない言葉の暴力にもなってしまいます。
そんな時に夫は「こんなに怒られて一生送るのはうんざりだ」と離婚を考える事になってしまうようです。
妻の不貞
男性の不倫も離婚を考える時としてあげられていましたが、女性側も不倫が原因で夫から離婚を言い渡される事も増えてきたようです。
不倫は男女関係なく、された側のショックは大きいものです。
何よりも、夫婦には「配偶者以外の異性と性的行為をしてはいけない」という決まりがあります。
相手が不倫をしたとわかった時点で離婚を考えるのは当然の流れですね。
セックスレス
女性にも性的欲求はありますが、男性よりも直接的に不便を感じる事はありません。
家事や育児が忙しくて性交渉どころでなく、性的欲求も減ってくると感じる女性も少なくないでしょう。
これに比べ、男性は女性に比べ性交渉の回数を重視する傾向にあります。
SAGAMIが行った調査では、「ご自身のセックスの頻度が少ないと答えた方へ。もっとセックスをしたいと思いますか?」という質問に対し、「セックスしたいと思う」と回答した男性は75.9%、女性は37.6%となりました。(参照:ニッポンのセックス2018年度版)
夫婦間のセックスレスは男性にとっては重大な問題なのです。
更に不倫も許されないとなれば、離婚を考える時としてセックスレスが続く事も十分にありえる事ですね。
妻の親族と折り合いが悪い
配偶者の親族との問題は嫁姑問題をはじめとする、女性の方が多い気がしますが、意外と男性側の方が配偶者の親族問題で離婚を考える時が多くなっています。
これは高齢になってくればくるほど、夫の肩に妻の両親の介護問題がのしかかってくる事によるものです。
自分側の両親も心配しなければいけないのに、なぜ妻の両親の面倒まで?と納得いかない人が多いのではないでしょうか。
単に親族が嫌いという問題だけではなく、老人介護の問題という社会的にも大きな問題による物となっています。
思い当たる状況があれば、いち早く弁護士に相談し、どのような法的問題が発生し得るか・どのように対応すべきかを確認するのも一つの手です。
本格的に離婚を考える前にやるべきこと
相手への不満が爆発し、本格的に離婚を考えるまえにやるべきことを紹介します。
離婚が本当に一番いい方法であるとは限らないため、離婚はあくまでも最終手段としてとっておき、その前に色々と手を尽くしてみてください。
まずは夫婦で本音で話し合う
まずは夫婦で本音で話し合うことが大切です。
離婚の原因は相手との価値観のズレや、性格の不一致など多岐にわたります。
不倫や暴力などの明らかに相手が悪いという状況じゃなければ、本音で話し合って妥協点を見つけることで、離婚せずに済むかもしれません。
一度本音で話し合い、お互いの不満をぶつけて解決策を編み出してみてください。
一度別居生活をしてみる
離婚前に別居生活をするのも効果的です。
結婚中は毎日顔を合わせることになるので、細かいイライラや不満が募ってしまい、それが爆発して離婚につながります。
別居をすると、相手がいない状況で自分がどう感じるかを確認できるので、関係性がいい方向に進むことも考えられます。
すぐに離婚をしてしまうのではなく、別居を挟んでみると良いでしょう。
また、長期間の別居がある場合は、夫婦関係が破綻していると認められ、裁判となった場合でも離婚が認められやすくなる傾向があります。
そのため、別居中に「やっぱり離婚したい」と決意した場合も離婚に踏み出しやすくなるので、一度別居生活をしてみると良いでしょう。
離婚後の生活をシミュレーションしてみる
離婚後の生活をシミュレーションすることは非常に大切です。
離婚をするとなると、単純に世帯収入が下がり、生活がうまくいかなくなる可能性があります。
また共同で使っていた家具や家電、家や車などもすべて分割する必要があるため、新たに揃えるとなると出費がかかりますよね。
収入がどちらかに偏っている家庭だと、離婚するだけで生活ができなくなってしまうこともあるでしょう。
しっかりと離婚後の生活をシミュレーションしてみることは、今後の生活を豊かにするためにも重要です。
離婚を決意したら考えるべきこと
それでは、もし離婚を決意したら、どんなことをすべきでしょうか?
離婚後の生活資金を貯める
離婚を決意したら、離婚後の生活資金を貯め始めましょう。
住居を出る場合は引っ越しの初期費用や家賃等が必要となってきます。そして一人で暮らすための生活費は必要です。子供がいる場合には子育ての費用も払えるようにしなければいけません。
専業主婦の場合であれば仕事を探しましょう。パートタイマーよりはフルタイムの方が望ましいですが、子供の状態など家庭の事情を考慮しながら仕事を選びましょう。収入が足りない場合は各種手当の申請もご検討ください。
離婚時に受け取れるお金を確認しておく
離婚の際、配偶者にお金を請求できる場合があります。
財産分与
財産分与は共有財産を配偶者と分け合う制度で基本的には2分の1に折半します。現預金の他にもお金になるものは財産分与の対象となります。
専業主婦でも財産分与をしっかり受け取ることができます。
共有財産とならないものとして特有財産があります。こちらは結婚前に築いた財産のことで財産分与の対象になりません。
また、別居していた場合には婚姻費用を請求できる可能性もあります。
慰謝料
不貞行為や暴力があった場合、精神的苦痛に対する損害賠償、つまり慰謝料を請求することができます。不貞行為に関わる慰謝料の相場は80万円〜300万円ほどです。
ただし、法的に慰謝料を認められるためには客観的な証拠が必要であり、かつそれが離婚原因であることも立証しなければいけません。
年金分割
厚生年金の納付記録を夫婦で分割します。合意分割と3号分割の2種類ありますが、どちらも年金事務所での手続きを忘れずに行いましょう。
また第3号被保険者は離婚後国民年金に加入します。
子供について考えるべきこと
子供がいる場合はさらに以下の論点が加わります。子供の幸せに配慮することが大切です。
親権
親権者を決めなければ離婚できません。親権者は母親になる場合が多く、父親が親権者となる場合にはそれ以上の準備や立証が求められます。
養育費
養育費は子供のために払われるものです。配偶者への思いとは別の論点で考えましょう。養育費は子供が自立する年齢まで支払います。養育費の妥当な金額は、裁判所が示す養育費の算定表を参考に決めましょう。
面会交流
親権を持たない親にとって面会交流は大切な問題です。面会交流の頻度や方法をしっかり決めておくと離婚後に揉めるリスクが減ります。
弁護士に相談してみる
離婚前にお互いで話し合ったり、離婚後のシミュレーションをしていたりしても「離婚したい」と感じるのであれば、まずは弁護士に相談してみてください。
離婚にはお金の問題が大きく付きまとうので、法律に詳しい弁護士を介さないと大きく損をしてしまう可能性があります。場合によっては相手に同意されず話し合いが平行線になってしまうこともあるでしょう。
相手の言いなりにならず、対等に話を進めるためにも、弁護士の力は必要不可欠です。
離婚時の財産分与や養育費、慰謝料についての取り決めで、今後の生活が大きく変わります。
まずは弁護士に相談をして、ちゃんと生活が成り立つのかを考えてから、離婚の話を進めてみてください。
まとめ
男性と女性の離婚を考える時は、上位は似たものもありますが、ハッキリと考え方の違いがわかるものもありましたね。
これは、お互いに「相手が大きな問題だと思っている事を理解できない」という事を示しています。
こんな状態で話し合いをしたとしても、ずっと平行線になってしまいそうです。
そんな時は、離婚問題に強い弁護士の助けを借りてみてはいかがでしょうか?
離婚するしないではなく、話し合いをまとめてくれる第三者として、間に冷静な判断をしてくれる第三者がいる事が重要になってきます。