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不倫って悪いこと?不倫はなぜ悪いのか判例を交えて解説|慰謝料の減額方法も紹介

一般的に浮気や不倫は悪いこととされています。しかし、なぜ不倫や浮気は悪いことなのでしょうか?人が人を愛する気持ちは止めることができません。今回は、なぜ不倫や浮気が悪いことなのか、不倫や浮気をしてしまっている場合、どうしたら良いのかについて、ご紹介したいと思います。

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不倫は悪いことなのか

そもそも不倫は悪いことなのでしょうか。

芸能人が不倫をするとテレビやネットでは批判が起こります。

また、不倫や浮気は離婚事由となり、慰謝料が発生するのも確かです。

このような観点から考えると、当たり前ですが、不倫や浮気は社会的に悪いこととみなされているようです

しかし、なぜ不倫や浮気が悪いこととされているのか、具体的な理由を考えたことはあるでしょうか。

それらを知ることで、不倫により権利を侵害させる対象が存在することや、近代的な社会通念のあり方が見えてきます。

どうして不倫は社会的に悪いことだとされるのか

なぜ、現代において不倫や浮気は社会通念上悪いこととみなされているのでしょうか。

そこには不倫にまつわる歴史が関係しています。

不倫が悪いと言われる理由(1) 宗教上の問題

不倫と浮気は様々な宗教においても、悪いこととされています

キリスト教では、「淫姦してはいけない」との教えがモーゼの十戒にあります。

また、仏教では、五戒の中に「不倫をしてはいけない」旨の教えがあります。

さらに、イスラム教では、不倫に関しては石打ちの刑が適用されることがあり、最悪の場合、不倫した人は死刑となります。

これらのことから、不倫が多くの宗教で悪いことと考えられているのがわかります

不倫が悪いと言われる理由(2) 一夫一妻の問題

日本においても、明治以降は一夫一妻制が世間に浸透しました。

不倫と浮気はこの一夫一婦制に抵触するものです

こういった現代における一般常識と照らし合わせても、不倫は馴染まないものなのです。

その結果、不倫は悪いこととみなされるようになりました。

不倫が悪いと言われる理由(3) 民法上の問題

民法第770条第1項第1号には、配偶者の不倫や浮気が離婚事由になることが明示的に定められています
第七百七十条 夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。

このように、法律に明示的に規定があることも、一般的に不倫や浮気が悪いことと見なされている理由となるでしょう。

近代国家において法律はとても強い力を持つものです。

現在は不倫や浮気が刑罰の対象にこそなっていませんが、不倫や浮気は民法上の離婚事由となるのです。

このことから、不倫は悪いことと見られるのですね。

不倫の犯罪性については下記の記事で詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

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不倫が悪いと言われる理由(4) 刑法上の問題

過去、日本においても不倫が刑事罰の対象となっていた時期がありました

当時、旧刑法183条により、夫のある女性の不倫は姦通罪として厳しく処罰されました。

日本においては、1947年(昭和22年)の日本国憲法制定と同時に姦通罪はなくなりましたが、現在でも、アメリカの一部の州、フィリピン、イスラム圏で不倫は刑事罰の対象です。

最悪の場合、死刑とする法律もあります。 

不倫が悪いと言われる理由(5) 倫理や道徳上の問題

不倫や浮気が悪いこととされる理由には様々なものがありますが、それら全てに共通する根本的な考えとしては、他人のものをとってはいけない、自分がされて苦しいことは他人にもしてはいけないという倫理や道徳上の意識があります。

不倫はまさに他人の配偶者を奪う行為であり、自分がされたら苦しい行為なのですね。

不倫は悪いことか判例から見てみる 

では、実際の裁判において、不倫はどのように扱われているのでしょうか。不倫についての最高裁判決の例を見てみましょう。

「自然の愛情」不問判決

最判昭和54年3月30日民集33巻2号303頁の判決は、「夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持つた第三者は…、両名の関係が自然の愛情によつて生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し」ている旨を述べて、自然の愛情による不倫も一方の配偶者の権利侵害に該当すると述べています。
夫婦の一方の配偶者と肉体関係を持つた第三者は、故意又は過失がある限り、右配偶者を誘惑するなどして肉体関係を持つに至らせたかどうか、両名の関係が自然の愛情によつて生じたかどうかにかかわらず、他方の配偶者の夫又は妻としての権利を侵害し、その行為は違法性を帯び、右他方の配偶者の被つた精神上の苦痛を慰謝すべき義務があるというべきである。
最判昭和54年3月30日民集33巻2号303頁

好きになるのは仕方ないじゃないかとお思いの方もいらっしゃるかもしれません。

特に金銭を要求することもなく、逆に生活費等を支払うこともなく、自然な愛情から肉体関係を持つのは自然なことであり、悪いことではないはずだという理由ですね。

しかし、少なくとも法的にいえば、自然な愛情であるかないかでなく、不倫により夫婦生活の平穏を乱しているかが問題とされているのです

不倫を悪いことだと思いながら不倫してしまっている場合 

中には、不倫が悪いことだと感じながら不倫を続けている方もいるでしょう。そのような場合、どうすべきなのでしょうか。

不倫をやめられないなら離婚する

繰り返しになりますが、不倫は配偶者の権利を侵害することから悪いこととされています。

不倫相手や浮気相手を一人の人間として愛すること自体は悪いことではありません。

しかし、結婚している身の上で配偶者以外の人と肉体関係を持つことは悪いことなのです。

この線引きを理解し、不倫をやめられないなら慰謝料を支払い、配偶者と離婚しましょう

その上で、不倫相手を本気で愛したら良いのです。何にせよ、ケジメはつけなければなりません。

離婚しないなら不倫相手と別れましょう

では、不倫相手とは遊びで、配偶者と別れたくはないと思っている。

その場合は、きっちりと不倫相手と別れることをお勧めいたします

遊びの不倫で自分の人生、配偶者の人生、不倫相手の人生を壊すべきではありません。

バレていないのであれば、不幸中の幸いとしてきっちり別れ、不倫のことは自分の心の中にしまっておくべきです。

間違っても、酒の場で武勇伝として語ったりしないようにしてください。

また、 不倫が配偶者にバレてしまった場合、または良心の呵責により自ら配偶者に不倫の事実を伝えた場合は、誠意を込めて謝罪することが第一です

まずは言い訳をせず、誠心誠意謝罪するのです。

それができなければ、未来永劫、配偶者との間の信頼関係が回復することはないと思ってください。

不倫をしたのが貴方なのですから、配偶者のことを第一に考えてあげてください。

不倫がバレて離婚争いになったらどうすれば良いか

 

不倫がバレると、往々にして離婚争いになります。

離婚したいのか否かはさておき、離婚争いになったらまずは弁護士に相談しましょう。

はじめに、不倫がバレて離婚となる場合は、不倫をした貴方にとっては不利な離婚となることを覚悟してください。

慰謝料を取られるのはもちろん、周りの信頼をも失うことになるのかもしれません。

しかし、自分に不利な離婚は避けられないとしても、相手に不当な請求をされないようにすることや慰謝料の減額などできることはたくさんあります

そのためには、専門家である弁護士に相談する必要があります

不倫をしたことを第三者に話すのは気が引けるかもしれませんが、勇気を出してご相談いただければ、弁護士があなたの強い味方になってくれるはずです。

離婚をする場合は離婚後の生活についても不安が残ると思いますので、そのような些細なことも一度弁護士にお話してみてください。

不倫って悪いこと?不倫はなぜ悪いのか判例を交えて解説のまとめ 

このように、不倫は様々な側面から悪いことであると考えられているのが一般的です

不倫が悪いことであるのは、諸外国であっても変わりがありません。

他者のものを奪うという点に、文化や地域に左右されない普遍的な嫌悪感があるためでしょう。

不倫は結局のところ、自分を含めた家族を破滅させるだけです。

不倫をしている方は、それが悪いことだと自覚し、配偶者にバレる前にきっぱりと関係を清算しましょう。

仮にバレてしまった場合は、早い段階から弁護士に相談する必要があります

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