牛島総合事務所 業務レポート

「自分で考えて動く」ことが評価される環境で、メリハリのある働き方と時代に応じた柔軟な変化

──働き方について詳しく教えてください。

朝は10時までには出勤するようにしています。出勤後、まず依頼者からのメールを確認し、その日のスケジュールを決めていきます。私の場合、海外の現地弁護士とやり取りすることも少なくないので、時差の関係で朝一番に欧米からの返信メールの確認から始めることもあります。

午前中は頭が冴えているので、集中を要する仕事や優先度の高い案件に注力するようにしています。お昼はお弁当を持参しているので、所内でゆっくり過ごして、午後は会議や期日の合間にリサーチや準備書面の作成を行うという感じです。夜は散歩がてら事務所近くで食事を取って、その後はまた集中力の必要なリサーチ作業や書面作成の続きに取り組みます。

入所当初は事務所から徒歩圏内に住んでいたため、仕事を終わらせてから帰宅していました。日々の業務量に拠りますが、最近は帰ってから必要があれば家で仕事の続きをするということも増えてきました。土日は極力家族との時間を確保したいので、平日に集中して業務を進めるようにしています。

働き方は近年大きく変化しています。コロナ禍をきっかけにリモートワークが進んで、選択肢が広がりました。事務所の近くに住む必要性も低くなってきているように思います。

早期から任される責任と、それを支える万全の準備体制

──働き始めてから印象的だった出来事について教えてください。

番印象に残っているのは、入所して1ヶ月後にメンバーが6人の案件チームに加わって、すぐに内部会議の進行を任されたことです。次の会議で何を議論して、何を決めるべきか、どんな準備が必要かを自分で考えて、会議を設計していく。その責任は想像以上でしたね。

最初は不安もあったんですけど、先輩アソシエイトが何人かついてくれて、すごくサポートしてくれました。分からないことはいつでも質問できる環境で、そうしているうちに自然と「質問力」も身についていきました。入所して2ヶ月くらいでクライアントとの窓口も任されるようになって、主体的に案件を動かしていく機会が多かったですね。

当事務所では、会議や裁判の期日に向けた準備の徹底ぶりが特徴的です。期日準備メモや想定QAを非常に詳細に作成し、万全の準備をして会議や期日に備えるよう心がけています。他の事務所から当事務所に移ってきた弁護士からは「ここまで深く準備するのですね」と驚かれることもあります。

実際の例を挙げると、私が入所した当時担当した案件において、ある会社法上の論点について否定説が主流だったんです。でも、リサーチしているときに、現役の裁判官が書いた最新の文献で肯定説を見つけました。これは使えるかもしれないと思って、「可能性が見えてきたので、リサーチを深めさせてください」ってチームに提案したんです。その裁判官の経歴や学説上の見解、想定される反論への回答まで準備して、内部会議で「これでいける!」という確信を持って推していったところ、最終的にチームの賛同を得られて、実際にその戦略が採用されたことがありました。

また、内部会議の敷居がすごく低いのも特徴的だなと感じました。Teamsでの会議が普通になって、どんなに忙しいパートナーや先輩でも、「ちょっと議論させてもらえますか」って声をかけると、快く時間を作ってくれるんです。自分で抱え込まずに、すぐにディスカッションできる環境があるのは、本当に心強いですね。

データプライバシーから訴訟まで、幅広い案件を担当

──今の具体的な業務内容について教えてください。 

私の場合は、データプライバシーやデータセキュリティに関する案件や訴訟案件、株主総会対応を中心に幅広く担当しています。

大規模な企業クライアントの場合、分野ごとに異なる法律事務所を使うことも多くて、当事務所はデータプライバシー案件の窓口として継続的に相談を受けるような関係性を築いています。

私の場合、訴訟案件では大規模なもので6人程度のチームで比較的長期的に取り組むことが多いですね。

実務を通じて培われる英語力と論理的思考

──法的知識以外に仕事で必要なスキルはありますか。

英語は本当に大事なんですけど、完璧な英語力が最初から必要というわけではないです。私も最初は数十ページ、時には100ページ近い英文契約書を読むこともありましたが、相当な時間を要しました。秘密保持の関係で自動翻訳システムも使えないということもあり大変でしたね。英語自体は、好きか嫌いかで言えば「好き」、得意か苦手かで言えば「苦手」という状態でしたが、仕事で必要に迫られて使っているうちに、自然と力がついていきました。

それと、論理的思考力がすごく重要です。会議での議論や提案が採用されるかどうかは、いかに論理的に組み立てられているかにかかっていると言っても過言ではないです。会議の準備段階で、自分の提案に対してどんな反論が来るかを想定して、それに対する答えを用意しておく想定力も必要ですね。

3年で10年分の経験を積める成長環境

──新人教育という視点ではどう感じましたか。

当事務所の代表はよく「この事務所で3年働くことは、弁護士として10年働くことに匹敵する」と言うのですが、実際に働いてみてその意味がよく分かりました。

私は入所してからの4年間で当事務所に所属する3分の2ほどの弁護士と一緒に仕事をすることができました。当事務所では、若手のうちにできるだけ多様な経験を積めるよう配慮されています。「この分野を経験したい」と希望すれば、事務所内で共有されてその分野の案件にアサインしてもらえやすくなる環境が整っていて、幅広い分野を様々な先生と共に経験を積む機会を得られます。

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