牛島総合法律事務所 採用担当パートナーインタビュー

単なるベストでは足りない、圧倒的なベストを目指そう。

──牛島総合法律事務所の理念について教えていただけますか?

私たちの理念を一言で表すと「完璧な仕事をする」ということになります。

私たちはいわゆる四大事務所や老舗事務所よりも後にたちあげた事務所なので、他の事務所よりも少し良いだけでは全く足りない。圧倒的に優れていなければいけないのです。なにより、先行する大手事務所を遥かに超えていくという意識が根本にあります。代表も含めてみな事務所所内で、「他の事務所と同じレベルでは全く足りない」「圧倒的なベストを目指そう」といった思いを共有していて、私もこの事務所に入所した時から、そういった気持ちで日々の仕事に取り組んでいます。
「完璧な仕事をする」という理念は、事務所のウェブサイトにも大きく掲げられており、現在ともに働いているメンバーもみな共感していると思います。

共感した人材が集まり、互いに要求し合う文化が「完璧な仕事」を実現する

──その「完璧な仕事」を実現するために、具体的にどのような取り組みをされているのでしょうか?

例えば、判例や文献のリサーチ一つを取っても、「まあ、これくらいかな」という妥協は絶対にしないです。「本当に関連する全ての判例や文献を見たのか?」「まだ見てない論文が他にあるんじゃない?」「海外の論文は見たのか?」「細かなガイドラインやその制定過程の議論まで確認したか?」といった調子で、とことん突き詰めて検討します。

私たちが自負しているのは、「これで負けてしまったら会社が潰れてしまう」といった企業の命運がかかっているような案件で、ご依頼いただける事務所だということです。そのようなお客様のために、考えられることは全てやり尽くす。私が依頼者だったら何をしてほしいだろうと考え、それを全部やるということです。例えば、自分が重い病気になったとき、お医者さんにすべての可能性を検討したうえでやれることはすべてやり尽くしてほしいと考えるのと同じだと思います。

そして、「完璧な仕事」を実現するために、環境面での整備も徹底的に行っています。例えば、判例・法令検索サービスは数多くのものを導入していますし、法律関係の書籍・論文・雑誌も考えられる限り揃えています。そのほかにも、ITインフラの整備にもかなりコストをかけています。「完璧な仕事」をするためには、それだけの環境が必要不可欠だと考えています。また、他の事務所は、扉付きの個室はパートナーでないと与えられないということが多いと思うのですが、当事務所ではシニアアソシエイトから扉付きの個室に入ってもらっています。集中して取り組むための環境はとても大事だと考えています。弁護士に対して「完璧な仕事」を求める以上、それを実現するための環境の整備することは必要不可欠であり、高水準で求められています。

前例がない最先端かつ複雑な議論が必要となる難しい案件も多い

──具体的な業務の進め方について教えていただけますか?

先に述べたような難しい案件を引き受ける場合には、これまで考えられてこなかったような最先端の学術的な議論が必要になることも多いです。そういった案件では、その分野で一流の法律学者(大学教授等)や専門家の方々と直接お会いして、議論をしたうえで意見をいただいたりします。

その場合、当然ながら私たちも同じ土俵で対等に議論するためにあらかじめ調査や検討を徹底的に行っておくことが必要になります。そのため、その時点でその分野については日本で一番詳しい専門家になっているということが求められます。大変そうに聞こえるかもしれませんが、これが「完璧な仕事」をする上で不可欠ですし、アカデミックな議論も含めてすごくやりがいがあります。

特に、私たちが受ける案件は、他の事務所で「前例がない」とか「判例がない」、「勝てる見込みはない」と言われたようなものも多く、また、一審で敗訴したことを受けて二審から担当することもよくあります。でも、そういう難しい案件こそ、最先端の学術的な議論と実務的な経験を組み合わせることで、新しい解決策を見出せる可能性が十分にあり、実際にもこれまでも結果を残してきたからこそ信頼していただけていると考えています。

企業間の訴訟案件が多いのが特徴

──事務所として特に力を入れている案件・分野はありますか?

当事務所の特徴としては、企業間の紛争案件が多いということが挙げられます。特に訴訟案件が企業法務に携わっている他の事務所と比べて多いのが特徴です。また、外資系企業を依頼者とするような英語を使用する広い意味での国際案件も事務所全体で4〜5割を占めています。規模としては70人程度の事務所ですが、グローバルな法律事務所のネットワークに3つ加入しており、各国の加盟事務所の弁護士と日々やり取りをしているような状況です。例えば、ある企業で製品のデータ偽装の不祥事が発覚し、日本、タイ、オランダ、ベトナム、チリなど世界各地の工場で調査が必要になった場合、我々からすぐに各国の複数の事務所にメールを送り、対応可能かどうか、どのような手続きとなるのか、関連する規制や問題となりそうなポイント、最悪考えられる制裁内容、弁護士費用などを確認すると、24時間程度で各事務所から回答が返ってくるようなイメージであり、迅速に対応することができる体制があります。

また、不正調査やM&A、専門紛争では弁護士だけでなく、会計士や税理士なども加わり一緒に仕事をすることもあり、グローバルな案件になればすべて合わせて100人を超えることもあると思います。様々な専門家と協力しながら大規模な案件にも対応できる体制を整えています。

他の特徴的な取り扱い分野としては、不動産の証券化といったファイナンス分野、会社法を駆使して少数株主の権利保護するための法的手続きなど、様々な分野で専門性の高い案件を手がけています。最近では、IT・データ規制の法務やESGやサーキュラーエコノミーとして注目もされている環境法といった新しい分野にも積極的に取り組んでいます。

私自身は、環境法の専門家なのですが、司法試験の選択科目でも環境法を選ぶ人は30人くらいしかいないので、この分野は専門家が非常に少ないです。入所初日に土壌汚染の訴訟案件に入れてもらったことがきっかけで始めた分野ですが、いつの間にか環境法の専門家と呼ばれるようになりました(笑)。

また、グローバルな案件も増えています。先ほど申し上げたとおり事務所全体で見ると、4〜5割は英語を使う案件です。私自身は比較的少ない方ですが、それでも2割くらいは英語を使う案件を扱っています。

5年も経てば、ほぼ全員の弁護士と仕事を経験

──働き方の特徴について、具体的に教えていただけますか?

当事務所の最大の特徴は、セクション制を採用していないことですね。それ自体は他の事務所でもたまに見られますが、特に他と違うのは、案件ごとにチームメンバーが決められるということです。案件ごとにメンバーを組むので、たとえば入所1年目の弁護士で考えれば、同時に4つくらいの異なる案件チームにまず入ります。そうすると、その時点で10人から15人くらいの先輩弁護士と一緒に仕事ができるんです。

これは、いろいろな分野の仕事ができるということ以上に、仕事のやり方・スタイルが全然違ういろいろな先輩弁護士と一緒に仕事ができるという点で、非常に大事なことだと思います。緻密に進め方を考えるのが得意な弁護士もいれば、自身の経験に基づく感覚を重視して案件に取り組む弁護士もいる。訴訟になると、大胆で攻撃的なタイプもいれば、慎重なタイプもいる。お客様への対応一つとっても、弁護士ごとにいろいろなやり方があります。若いうちにそういった多様なスタイルを見られるのは、本当に貴重な経験になると思います。それぞれの先生のいいところを、いわばいいとこどりしながら自分なりのオリジナルのやり方を見つけて成長していくことができる、私自身、この点がわれわれの事務所の一番の魅力ではないかと思います。

正直、このようなやり方は事務所経営的には非効率なのかもしれません。そのため、多くの事務所では、セクション制や固定のチーム制を採用しています。でも、我々は依頼者にベストな提案をするには重要であると考えていますし、それ以上に若手の成長にとって重要だと考えています。5年くらい経つと、事務所内のほとんどの弁護士と一緒に仕事をした経験ができる。これは、他の事務所ではできない経験だと思います。

入所直後からチームの主担当

──若手の育成についてはいかがでしょうか?

若手が主体的に動くことをとても重視しています。例えば、裁判所に提出する書類の期限から逆算して、依頼者への確認やドラフト作成、チーム内での議論といったスケジュール管理をしてもらうほか、リサーチや、ドラフト作成、場合によっては依頼者とのコミュニケーションまで、できる限り若手に任せています。


1、2年目だからといって、下積みとか歯車のように働いてもらうということは考えていません。私自身、1年目に担当させてもらった民事再生の申立て事件の債権者集会で200〜300人の債権者の前で、民事再生に至る理由などの債権者説明をさせてもらったこともあります。最初は「いきなりできるのか」と不安なこともありましたが、そういった経験を重ねることで成長できました。


また、毎週、パートナー全員で集まって、各案件の進捗状況や、若手弁護士の業務状況・勤務時間を確認しています。そうすることで、特定の弁護士に業務が偏ることを防ぐことができますし、その会議では、若手弁護士からどのような分野や案件に興味があるのかといった意向についても共有していますので、そのような分野の案件が来た時には優先的に担当できるようにしたりしています。

1年目の弁護士でもパートナーと喧々諤々、議論する

──事務所の雰囲気はどのような感じですか?

とにかく議論が活発です。みんな負けず嫌いで簡単には折れないです(笑)。70人規模の事務所なのですが、内部会議室が9つもあります。これは内部での議論がかなり多いことが特徴的だということを示していると思います。実際の議論の雰囲気としても、1年目の弁護士であってもパートナーが「こうしよう」と言ったことに対して「分かりました」と言って終わるようなことは全く期待しておらず、「〇〇先生のやり方以外にもこういうやり方がありませんか?」「それって本当に大丈夫ですか?」などと、しっかりと自分の意見を言うことが推奨されていますし、そのような意見が言いやすい雰囲気ができています。
だからこそ、200人とか300人以上の大規模事務所とは違う、独自の文化が築けているんじゃないかと思います。

産休・育休組の復帰も多数、留学・出向などの多様な選択肢

──働き方についてはいかがでしょうか?

働き方については、多様性がかなりあるように思います。例えば留学については、事務所として行くことは推奨していますしサポートもしていますが、行かないとパートナーになれないといった硬直的なルールは設けていません。実際、留学と出向のいずれも経験しているパートナーもいれば、留学の未経験なパートナーも多くいます。
また、女性の活躍も支援しています。出産・育児による休暇取得後、時短勤務で復帰する弁護士も多く、それを前提とした案件配分を行っています。秘書の方々についても同様です。例えば、お子さんが生まれて産休・育休を取って、復帰後は時短で働いている女性の先生も多いです。在宅でも執務できる環境を整えたうえで、できる限り、一人一人の状況に応じて柔軟に対応しています。こういった点を評価され、2024年には、弁護士会から、ワークライフバランスが充実した事務所としてファミリー・ フレンドリー・アワードを受賞しています。
完璧な仕事をするためには、働きやすい環境が整っていなければならないという考えのもと、常により良い職場づくりを目指しています。

パートナーに対しても意見を言える若手を求めています

──求める人材像について教えていただけますか?

やはり主体性があって、責任感の強い人材を求めています。案件を任されたら「これは自分の案件だ」という気持ちで、最後まで責任を持って取り組める方。それと、徹底的に突き詰めて考える姿勢も大切です。
また、先ほども申したとおり、パートナーが「こうしよう」と言ったからといって無批判に「分かりました」と言うのではなく、疑問があれば「それって大丈夫ですか」「違うと思います」としっかり意見を言える若手を求めています。むしろ、そういった建設的な議論ができる人材を積極的に評価しています。
加えて、入所前から何らかの分野に興味を持ちながらも、入所後にはその分野にこだわらず、いろんな分野に興味を持って、実際に経験してみた上で自分の得意分野を見つけていける方は素敵だなと思います。
なお、入所後数年で辞めてしまう方も残念ながらいるのですが、そういった方の多くは、入所前に希望していた特定の業務分野が思っていたほどたくさん担当できなかったとか、その業務分野だけをやりたくなったということで、移籍を希望されるケースです。だからこそ、その反省を活かしてインターンでは、取り扱う業務分野の内容や現場の雰囲気をできるだけ正直にお伝えするようにしていますし、就職活動の際にも特定の分野のみを希望している方については、そのような分野は数が多くないとかそれだけができるわけではないということをしっかり伝えています。

「完璧な仕事」を一緒にしてくれる仲間を探しています

──最後に、これから法曹を目指す方へメッセージをお願いします。

われわれは、「完璧な仕事」をするという明確な理念を持っています。確かに大変な部分もありますが、若手のうちから主体的に案件を引っ張っていきたい、様々な分野を経験しながら自分の専門性を築いていきたいという方には、最適な環境だと思います。
私たちの理念に共感して、若いうちから主体的に案件を担当したい、「完璧な仕事」をやり切ってやるという気概がある方は、ぜひウィンター・アソシエイトに応募してください。ウィンター・アソシエイトでは実際の案件をベースに議論する機会を設けており、実際の案件がどのように進むのかとか、若手の弁護士ともたくさん話していただいて、事務所の雰囲気を直接感じていただければと思います。
採用にあたって、ぜひパートナーになってもらいたい、今後の事務所を一緒に作っていくメンバーになってもらいたいという方にぜひ来ていただきたいと考えています。そのため、単に成績が良いとか、どこの出身大学かといったものだけでなく、その方の考え方や人となりも重要だと考えています。
一緒により良いサービスを追求していける仲間として、みなさんとの出会いを、心から楽しみにしています。

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